澁澤龍彦のレビュー一覧
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悪女とは何たるものか。
本書には、意外な人物も屡々現れる。
小さな此の世界では、自身の持つ能力(容姿も含め)を理解し、それを利用して金銭を得る狡猾さを示す事が殆どだろう。其れ故に、国家権力と云う余りにスケールの大きな此の本の価値観を、現代人の私には些か計り知れない所が多い。
殺戮の残虐さよりも、恐らく権慾の方が尽きる事の無い分、悍しいのだろう。つい残虐な殺戮に目が行き勝ちだが、悪女の根底は其所に在る。
澁澤氏の文章には、矢張り感服させられる。臨場感に溢れる訳でも無く、ただ流麗さを感じさせる。
内容的には然程興味を懐けなかったが、こうした価値観や言葉に触れるのは決して無意義な事では無いだろう -
Posted by ブクログ
黒魔術、白魔術、自然魔法、錬金術、カバラ、占星術、星辰術と。
この手の本は始めて読んだが、何に舌を巻くって、著者の尋常じゃない参考文献を読み漁ってることを想像するに難くない。
黒魔術、そんなものに使われていたものの遺物が、現在にも残存する。
星座占いに使っている、各星座を表す記号(ゾディアック)。
各々の元来の意味が、また凄い。
例えば蟹座を表す"♋"
性交渉の際の体位、ソワッサン・ヌフ(69)を表す、と。詳細は割愛。
さて、簡単に悪魔を召喚できる方法を本文より抜粋。
まず悪魔を呼ぼうとする者は、一度も卵を産んだことのない一羽の黒い牝鶏をもって、二つの道のぶつかる十 -
Posted by ブクログ
マルキ・ド・サド(1740-1814)の『ソドム百二十日あるいは淫蕩学校』の抄訳と『悲惨物語』及び附録の三編。
サド小説の特徴は、人間性・美徳・宗教的道徳的なるものへの徹底的な軽侮と、異常性・悪徳・瀆神への傾倒だ。神や人間性に対する信念を無神論で以て嘲笑し辱める。
「悪徳こそ、・・・、いちばん甘美な逸楽の源泉である・・・。」(「ソドム百二十日」)
「私はね、美徳を失墜せしめてやりたいのだ・・・。」(「悲惨物語」)
登場する男たちは、他者(多くの場合は女)を己の快楽の手段として物化する。彼らにとって、女は男の欲望の赴くままに性的快楽を搾り取られる奴隷でしかなく、独立した人格とは看