澁澤龍彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
デカダンスの聖書ということだが、要するに元祖ひきこもり小説という趣き。
確かにデカダンを感じさせるんだけど、ヨーロッパのキリスト教事情に明るくないと完全にその思想を理解するのは難しいと思う。
だから少し置き去りにされた部分があるかも。
何だか小説というよりも文芸評論的な章もいくつかあったし(それらの作品に興味を湧かせるところは流石だが)。
でもこういう内省的に沈んでいくタイプの小説は基本的に好きだ。
それは自分がそういう人間だから(笑)。
固い文体なんだけどサクサクと読める。
澁澤龍彦が一番気に入ってる翻訳らしいが、その通りだと思った。 -
Posted by ブクログ
エログロでした。
著者の名前のサドからSMのSが付いたらしいよ。
印象に残った部分を引用
↓
「世の中には、情欲によって悪の道に引きずり込まれる時だけしか、
悪事におもむかないような人がたくさんいる。
迷いから覚めると、彼らの魂はたちまち平静に帰り、再び平和に
美徳の道を歩み始める。こうして、善と悪のせめぎ合いから錯誤の
道へ、錯誤の道から後悔へと、さまよいながら人生を過ごし、
遂には、自分がこの世でいかなる役を演じたかをも正確に
言いうることなく、死んで行かなければならない。
こういう人達こそ、必ず不幸な人達に決まっている。
いつもどっちつかず、ふらふらしていて、朝に言 -
Posted by ブクログ
この人の著作はこれで二冊目。相変わらず博識でほれぼれしちゃいます。
出てくる女性たちのなかで『うわぁ〜ほんま悪女や!!』っていうのはあまりいなかったような。
ただどの女性も極端ではありましたが。
私が特に気に入った女性はメアリ・スチュワート。映画の『エリザベス』で出てきたあまり日の目を見ない不幸な女王というイメージしかなかったのだけれど、まさかこんな不毛な愛に突っ走る暗くて熱い想いを秘めていたとは!!!生涯前半の美貌と洗練された文化に囲まれた生活から、後半の報われない愛に自分をすり減らし破滅へとむかう対比が鮮やか。『嫌われ松子の一生』もびっくりというほどの見事な転落人生で、事実は小説より奇 -
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「変わり者だ」っていじめられている君!もしくはいじめっ子の君!これを読めば、君たちの変人基準はがらりと変わること、間違いなし。世界の妖人奇人たちから見れば、君達はすこぶる正常。もし彼らくらい異常であれば、しめたもの。君は伝説となって語り継がれるだろう。
人間の死体をソーセージやステーキにして客に売れる?それを自分で食べられる?では、自分自身の肉を切って食べる覚悟は?世界の広さ・人間の可能性を無限大に感じさせてくれる本。
p.148 「同性愛は、愛し合う二人のあいだに、サド・マゾヒスティックな対立関係を成立せしめやすい」 私は同性愛の傾向があるから、sadomasochisticなのかしら? -
Posted by ブクログ
初めて読んだのは高校生の時、部室の本棚にあったのを手に取ったのが澁澤龍彦との出会いでした。しかし当時は著者には全然興味が湧かず、数年後『快楽主義の哲学』を購入するまで著者のことをすっかり忘れとりました。『快楽主義の〜』を読んで以来、澁澤龍彦がとても好きになりました。
『毒薬の手帖』は、主に西欧を舞台にした華々しい毒殺事件を記した本。毒殺に至るまでの利害怨恨欲望絡む人間模様が描かれているので、何となくワイドショー的な匂いがしないでもないです。ちょっと、いけない覗き見をしているような気になるのは気のせいでしょうか。人目を忍んでこっそり読むのスタイルがいいかもしれません。
日本で平穏に暮ら