【感想・ネタバレ】うつろ舟のレビュー

あらすじ

常陸の国はらどまりの浜に流れついたガラス張りの〈うつろ舟〉。そのなかには、金髪碧眼の若い女人が、一個の筥とともに閉じ込められていた。そして繰りひろげられる少年との夢幻的な交歓―古典に題材をとりながらもそれを自由自在に組み換え、さらに美しくも妖しい一つの〈球体幻想〉として結晶させた表題作のほか、珠玉の八編。澁澤龍彦、晩年の代表作。

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Posted by ブクログ

コレクターが災難に逢ふのは、澁澤フィクションのお約束である。
 『髑髏盃』の、アルハラ受けたお姉さんがひっくり返ると女性のナニから這子(わからなかったらサルボボみたいなのでいいです)みたいなのが出てきて、と言ふのは不気味でよい。
 『うつろ舟』多分映像化不可能。なんかよい。
 他大変よろしい。

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2018年03月31日

Posted by ブクログ

2008年11月3日~4日。
この人の小説にははずれがない。
少し曖昧な終わり方が多いが、それも味。

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2018年01月06日

Posted by ブクログ

Tasso再読祭継続。
『ねむり姫』同様、様々な典籍に材を取った幻想時代劇、
全8編。
『ねむり姫』が「陽」なら、こちらは「陰」。
凄惨な怪談の気配が濃厚だが、表題作は
キーワードの「多幸感」が示すとおり、妙に朗らか。

以下、特に印象深い作品について。

■「魚鱗記」
 江戸時代の長崎で流行したという「ヘシスペル」なる
 水槽の魚を使った賭け事、
 それにまつわる悲劇、そして怪異。
 ラストは小泉八雲の怪談のように、しんみりと物悲しいが、
 事件の鍵を握る不気味な少年の素性は謎のまま。

■「花妖記」
 鞆の浦に着いた商人が出会った、
 地元の分限者の次男坊は、昼から飲んだくれ、
 奇妙な話を始めた……。
 エロティックと見せかけて、おぞましい怪談。
 夢野久作の短編をエレガントにしたような。

■「菊燈台」
 土佐の伝説「宇賀の長者」、
 延いてはそれを翻案した田中貢太郎「宇賀の長者物語」を
 ベースにした奇談。
 人魚と契り、記憶を失って人買いに攫われ、
 製塩所の苦役に就く美青年は……。
 水の精、また、火の精の死の抱擁。

■「ダイダロス」
 タイトルはギリシア神話に登場する発明家で、
 イカロスの父。
 宋から日本へ渡り、
 源実朝のために巨船を建造した陳和卿だったが、
 船はあまりに大きく重すぎて進水すらままならず、
 浜辺で朽ちていった。
 面目を失った陳は隠れ家に蟄居し、
 人語を解す鸚鵡と語らいながら酒に浸っていたが……。
 幾重にも折り重なった人の夢を切り裂いて海に還った
 一匹の蟹もまた、何ものかの夢の中に棲む、
 堅い甲羅よりむしろ儚い泡に近い存在だったのかもしれない。

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2017年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最近知り合った文学部の方に澁澤龍彦の『うつろ舟』を勧められ早速手に取った。現代版、今昔物語といったところだろうか。婆さんが明瞭に朗読するのを脳内再生させながら読んだ。
女の性器にあてがうと物凄い官能が到来するという珍物を売る商人がいた。その珍物の効果が本当か賭けをしようとある男が言い、その男の連れの女の性器にあてがうも全く反応しない。実はその女はすでに死んでおり、男が賭けに勝つという話が特にゾクッとして面白かった。
個人的には澁澤龍彦より夢野久作の方が肝を冷やした。

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2012年08月16日

Posted by ブクログ

十一郎にやられました。無邪気さを装って大人を煙にまくのもお手の物でしょう。小憎らしい・・・けれどそこに弱い。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

おもろうてやがておそろし。
幻想小説の最高峰だと思います。
オチがなんだか釈然としないと言うか、オチなしの
話が多いのですが、まあ幻想小説なので・・・
オチより設定や世界観に引きつけられます。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

渋澤龍彦短編集。描かれる女と男が織り成す時空が夢のように妖しく、知らずうちにどこか別の場所への一線を越えてしまったようにも感じる。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

時代的には江戸時代をモチーフにした幻想小説。

怪しい感じが面白かったし、短編で読み易かったです。

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2014年05月10日

Posted by ブクログ

澁澤龍彦が亡くなって25年になるとのこと。
彼の作品は、河出文庫で読むことができる(49冊もある)。
絶版にならずにあるというのは凄いこと。
基本的な古典になりつつあるのだろう。

本書は、小説集。日本の中世を舞台にした短編集。

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2012年01月18日

Posted by ブクログ

ションポロロン的な効果音がかっこいい。おとぎを幻想的に描き、タイムマシン的描写で放った、実験小説。文字だけで追うと、少しイメージを捉えにくいが、丹念に想像を膨らませ読んでいくと、かなり楽しい。エッセイ主体の著者が、文学的仕掛けを凝らした意欲作。

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2011年05月17日

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