【感想・ネタバレ】貝殻と頭蓋骨のレビュー

澁澤龍彦

ただ一度の中東旅行の記録、花田清輝、日夏耿之介、小栗虫太郎など偏愛作家への讃辞、幻想美術、オカルト、魔術──その魅力が凝縮された幻の澁澤本。没後30年記念刊行。

[ブクログ · ★★★★★]

「魔法のランプ」(立風書房) というエッセイ集を新刊で購入した頃「貝殻と頭蓋骨」(桃源社) を古書店で探したが見つからなくて涙をのんだ。その後全集で読むことができたが、編年体構成の為あちこちに分散して感動が薄かった。河出文庫は出版しないし、なかば忘れた頃平凡社ライブラリーから復刊されたのは嬉しい！

[ブクログ · ★★★☆☆]

「澁澤龍彦のすすめ」みたいな本だった。広く浅くとりあげつつも、そこには確かに澁澤龍彦がいる。「この本が一番好き！」とはならないが彼がどのような人間かを知るには丁度よく好きだなと思ったコラムに関連する澁澤の本を読むのがいいのかなと思う。
個人的にはサロンのお話が好き。

[ブクログ · ★★★☆☆]

久しぶりな澁澤龍彦のエッセイ集、というか雑文集か。脈絡はないけど、読みたいとこだけ読めばそれなりに楽しめる。女流作家についてのエッセイの中に、現代からすると女性蔑視的な発言もあり、澁澤龍彦も昭和ひと桁生まれの男なのだなと思わされるが、鼻もちならないウーマンリブ的な当時の風潮に、何かしら言ってもよかろうという澁澤なりの意図的発言だったように思える。