谷津矢車のレビュー一覧

  • 柳生剣法帖 ふたり十兵衛

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    ストーリー展開は、さすが谷津矢車!って感じ。
    戦闘シーンが、少し物足りない。最初の戦いでは苦戦した末に負けるのに、2回目には見切ったのか比較的あっさりと勝っちゃう。もう少し苦悩して欲しかった。

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    2021年09月11日
  • 曽呂利

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    曽呂利新左衛門という人を知らなかったけど、まあ何とも頭のいい人よ。秀吉だけではなく名だたる武将達をあれよあれよと手玉にとる様が面白かった。

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    2021年07月10日
  • 小説 西海屋騒動

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    いつも何かを求めていた。
    自分の出自を知ることになり、家を出た。
    兄の持ち物がいつも欲しくてたまらなかった。
    家族の中で孤独を常に感じていた。
    理吉は、胸の中に大きなブラックホールを飼い慣らしていたのだった。

    強いものに惹かれ、自分がそれに成り代わる。
    殺人を繰り返し、血で汚れた人生となる。

    殺伐とした内容なのだが、作者「谷津矢車」の筆の力で鉄の匂いの充満する物語が、愛情を常にほっし続けた人生の幕引きを、情緒たっぷりに仕上げている。

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    2021年06月28日
  • 特選 THE どんでん返し

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    5人の作家によるどんでん返し競演。最初の2編は、なかなかお見事、読ませる内容でもあった。あとは、まあまあか。
    秋吉理香子「神様」漂流女子たちの生態、神様というネーミングも怖い。
    井上真偽「青い告白」なるほど、最後はこう来たか。上手い!最後の決め台詞という感じ。古橋薊がなかなか魅力的な女子だ。
    友井羊「枇杷の種」、七尾与史「それは単なる偶然」、谷津矢車「札差用心棒・乙吉の右往左往」

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    2021年04月27日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    ネタバレ

    足利義教は時宗の阿弥を諜報網のように使っていた
    と明石散人先生が書いていた気がする(未確認)

    万寿王丸主役、自分を囮にして赤松満祐邸に義教を
    呼びつけ暗殺した
    本作において阿弥は踊念仏の集団として万寿王丸の
    潜む郷に乗りこみ、義教の手で一緒に斬殺された
    証拠隠滅らしい
    しかし、諜報網を早く手放したツケが自分の死を防
    げない事につながる

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    2021年04月24日
  • 小説 西海屋騒動

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    初代燕枝が新聞に連載した原作を元にした書き下ろし
    この落語は聞いたことがない。

    軽井沢の脇本陣の次男理吉は空虚感を持て余し、10歳で博奕に手を染めて勘当されて高崎の居酒屋の奉公人となるが、そこの主夫婦は理吉の実の母親を殺して奪った金で店を始めていて、娘”お柳”を博奕の借金で売り飛ばそうとしたため、理吉は主とヤクザを殺し、娘を連れて逃げるが、籠かきにだまされて追い剥ぎにあい、お柳は行方不明になる。
    魯心という僧に救われ、半年後に江戸の西海屋に奉公するが、やり手の番頭慶蔵の悪辣な片腕となる。主人を殺して遺児を追い出した慶蔵に憧れ、その女”お連”を寝取ったものの露顕し、理吉はお連をつれて房総に逃れ

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    2021年03月18日
  • 曽呂利

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    秀吉を揶揄する狂歌を歌った犯人として捕らえられた曽呂利。斬首されるかと思いきや、口八丁手八丁で生き延び、御伽衆として仕えることに。

    彼が秀吉のそばに入ったのは、何が目的なのか。その行動の根っこにあるのはなんなのか。それを探りながら読み進めてゆくのが、興味をそそります。
    目的と根底に流れるものが、明かされるのは最終話。その結果に驚きはなく、予想していたものでした。

    一話一話それぞれに、曽呂利が裏の顔を覗かせる場面があるのですが、そこがゾクゾクします。あ、こいつやばいもの隠し持っているな、という。見てはいけないものを見せられる感覚。

    獅子身中の虫となった曽呂利。そろりという響きが、権力者にす

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    2021年02月27日
  • 廉太郎ノオト

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    最期のりんたろうの生きざまが迫力に圧倒されました。今歌っている歌が生まれた様子がわかるなんて素敵ですね。

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    2020年06月28日
  • 特選 THE どんでん返し

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    2020年、8冊目は、主に隙間用にしていたアンソロジー。

    今回は、一言感想を添えて。

    秋吉理香子「神様」
    デビュー作『暗黒女子』を色んな意味で、ミニマムにした感じのイヤミス。「凝縮」じゃなく「ミニマム」ね。

    井上真偽「青い告白」
    大オチは早い段階で気付いた。どぅ、ソコにもってくのか、注目してたが、展開と伏線回収が絶妙。この中では、一番好み。

    友井羊「枇杷の種」
    残念なのは、この位置に配されたコト。次と逆の位置、または最後なら……。アレ⁉️と引っ掛かったトコが……。

    七尾与史「それは単なる偶然」
    らしいと言えば、らしい。ただ、個人的には、好みとは言えない。

    八津矢車「札差用心棒・乙吉

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    2020年02月19日
  • 信長様はもういない

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    ネタバレ

    清須会議だけの人、池田恒興が主役だ
    設定が実に面白く、とぼけた主役すら
    魅力的に見える
    ネタバレをすると、信長が様々な場面
    において自分で感得した事柄をメモし
    た虎の巻を、乳兄弟の恒興に託した
    信長死後に困ったとき、密かに見ては
    決断の糧にしてきて悉くうまく行った
    漫画になりそう (´・ω・`)

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    2020年02月18日
  • 妖ファンタスティカ 書下し伝奇ルネサンス・アンソロジー

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    歴史小説界に風穴をあけんとする作家集団「操觚(そうこ)の会」による
    伝奇時代小説アンソロジー登場!
    ■朝松健「夢斬り浅右衛門 ――小伝馬町牢屋敷死罪場」
    ■秋山香乃「草薙剣秘匿伝 ――葛城皇子の章」
    ■芦辺拓「浅茅が学問吟味を受けた顚末 ――江戸少女奇譚の内――」
    ■彩戸ゆめ「神楽狐堂のうせもの探し」
    ■神野オキナ「ころりの木壺」
    ■蒲原二郎「江都肉球伝」
    ■坂井希久子「万屋馬込怪奇帖 月下美人」
    ■鈴木英治「熱田の大楠」
    ■新美健「妖しの歳三」
    ■早見俊「ダビデの刃傷」
    ■日野草「遠夜」
    ■誉田龍一「血抜き地蔵」
    ■谷津矢車「生き過ぎたりや」

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    2019年08月06日
  • 特選 THE どんでん返し

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    【収録作品】秋吉理香子「神様」/井上真偽「青い告白」/友井羊「枇杷の種」/七尾与史「それは単なる偶然」/谷津矢車「札差用心棒・乙吉の右往左往」 
     「どんでん返し」と銘打たれてしまったために、意外なオチにならないのが残念。

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    2019年06月05日
  • 特選 THE どんでん返し

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    悪くは無いけど、どんでん返し感は薄かったか?
    でも、作品そのものは、どれも面白い。
    今回はどれが1番かなー。
    「神様」は、先を読んださらにその先があってよかった。
    このシリーズは毎回楽しみなので、次が出たら必ず
    また読むのだ。

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    2019年05月06日
  • しゃらくせえ 鼠小僧伝

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     『この男、正義の味方か大悪党か。』と帯にある。いや、どう考えても、単なる馬鹿でしょう。と私は思ってしまう。愛されると冠がつくが。
     
     次郎吉は愛するお里の借金を返すために、盗みを働き御用となる。戻った時にはお里は悪徳商人の手の中に。大悪党の裏の顔を持つ七兵衛という医者に出会ったことで、次郎吉の生活は大きく変わり、やがて鼠小僧となるのだった。

     次郎吉は、ただお里が好きで、お里を取り戻したいがためだけに盗みを働くのだが、その度気分良く金を振り撒いたり酒を飲んではその金が無くなってしまう。

     この時点で本当何をやってんだろう?って思ってしまうんですよね。ただ一途にお里を取り戻したいという思

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    2019年01月26日
  • しゃらくせえ 鼠小僧伝

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    鼠小僧は世間では義賊と人気があるけど、ほんとはそんなことはない。瓦版がそう書いただけ。盗んだ金はすぐに博打と酒に使い、そのくせ自分はあくせく働いていると言う主人公が好きになれない。

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    2017年01月25日
  • 柳生剣法帖 ふたり十兵衛

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    新しい柳生十兵衛像の提示としては成功しているんだろうけど、なんというか、物語の楽しさにちょっと欠けているというか、どこかできいたことのあるような登場人物とストーリーがね。
    柳生十兵衛に設定されている属性が、そうそう活かされていないのも残念。
    どちらかというと、時代小説枠よりもラノベ枠で出していた方がしっくりしたかもしれません。

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    2016年09月04日
  • しゃらくせえ 鼠小僧伝

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    鼠小僧って大名から盗んで貧乏な庶民にお金を配る義賊だって有名ですけど、そんな正義感あふれるようなヒーローではなく、
    ただただ好きな女のためにお金を盗むダメンズっていう話。
    ラストはちょっと切ない。

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    2016年07月17日
  • てのひら

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    吉田松陰の妹・杉 文と、薩長同盟の真の立て役者・小田村伊之助。

    幕末~明治の長州で、時代に翻弄されながらも真摯に生き、幕末維新を見守り続けたふたりの愛の物語。

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    2015年09月03日
  • ふりだし 馬律流青春雙六

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    浪人・丈衛門はひょんな事から江戸でいちばんの経営指南所「唯力舎」に入門することになる。
    そこは、あらゆる帳簿を見抜く喜助、人の嘘が分かる平三郎、天才的な商い勘を持つ冬、そして抜群の頭脳と腕っぷしを持つ若き女師範たえといった曲者揃い。
    丈衛門は今日も唯力舎に持ち込まれる難題に奔走する。

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    2014年12月15日