谷津矢車のレビュー一覧

  • 蔦屋

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     今年の大河ドラマの主人公が蔦重なので、参考にこの小説を読んでみた。大体の蔦重の人となりが理解できた。粋で新しいものが好きで、権力におもねず、人情の厚い人物だったようだ。
     それにしても江戸時代の庶民の文化の高さ、本を求める欲望、凄いなあと感心した。識字率はどの位だったのだろう。「江戸の人口の十人に一人が耕書堂の本を買う」という記述があったが、本当だったら凄いなあ。
     大河ドラマでは、どのように蔦重を描いていくか、楽しみだ。

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    2025年02月07日
  • 絵ことば又兵衛

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    2025.2.6完了
    吃音の持ち主が絵師として成功していくお話。当初は吃音をベースに話が進められていくが、中盤からは吃音よりも生家へこだわりが強くなる。時代として武家の接点があまり描写のないのはいい感じ。

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    2025年02月06日
  • 蔦屋

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    大河ドラマを見るにあたって、基礎知識を仕入れるために読んでみた。
    バディものなのですね。
    最初からそう思って読むとよかったのだが、蔦屋重三郎がどんな人物なのか、探りながら読んだので物足りなく感じてしまった。
    読み方を間違えてしまったのかもしれないが、軽く読めて基礎知識はなんとなく仕入れることができる蔦屋重三郎を知る入り口にはなる小説だと思う。

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    2025年01月14日
  • 蔦屋

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    来年の大河ドラマの予習として。
    歴史に疎い私でも楽しめたし、難しい言い回しなどはるけど読みやすいと思う。

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    2024年12月20日
  • 蔦屋

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    来年の大河ドラマが蔦屋重三郎なので読んでみました。蔦屋重三郎のことは名前さえ知らなかったので、時代背景や人々の暮らしや出版業界の様子などを肌で感じながら知ることができました。
    寛政の改革時の命を懸けた作家の意地に感動し、出版の駆け引きはドキドキします。
    やっぱりビジネスでも人との繋がりや、人を信じて育てるのって大切だ、と思うのでした。

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    2024年12月20日
  • 蔦屋

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    ネタバレ

    蔦屋

    著者:谷津矢車
    発行:2024年10月10日
    文春文庫
    初出:2014年4月、単行本(学研パブリッシング刊)

    NHKの大河ドラマ、来年は江戸の版元(出版社)の蔦屋重三郎の話ということで、蔦屋関連の書籍が随分出ているらしい。しかし、本書は外せないと思う。10年前に出た小説で、今年、文庫化された。文庫化にあたって追加された著者あとがきによると、10年前に出た「蔦屋」のお陰で、常に「蔦屋」の谷津矢車と紹介されてきて、その呪縛から逃れたかったらしい。だから、蔦屋が嫌いだったという。とはいえ、今は好きなようである。最初は連作短編にするつもりだったが、小兵衛のキャラに惹かれて長編になったらしい。

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    2024年12月14日
  • 雲州下屋敷の幽霊

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    いいね!(≧∇≦)b
    良かった!

    江戸時代の五編の物語。

    ・だらだら祭りの頃に
      打ち首獄門に処される女が最後に脳裏に描いた光景。

    ・雲州下屋敷の幽霊
      虐待殿といいなり女

    ・女の顔
      恐い女

    ・落合宿の仇討
      殺しを請け負う男

    ・夢の浮橋
      見世物小屋の女の過去


    こういうのでいい。
    説教臭くもなく、押しつけ思想もない。
    ただのお話。ちょい無惨。
    江戸時代に起きた事件をモチーフにしているらしい。

    「だらだら祭りの頃に」が地味だけど一番好きかな。後を引く。

    なんかシーラッハの短編くさい。
    あそこまで硬くもないが、投げっぱなし感が心地良い。

    例えるなら大きな鐘を突い

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    2024年12月08日
  • 憧れ写楽

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    ネタバレ

    憧(あくが)れ写楽

    著者:谷津矢車
    発行:2024年11月10日
    文藝春秋
    (書き下ろし)

    来年の大河ドラマは江戸の出版元である耕書堂を営む蔦屋重三郎の話。NHKは特に原作をあげておらず脚本家の森下佳子の作としているが、谷津矢車著の小説「蔦屋」が原作だと思われているふしがあり、結構、読まれているようでもある。間もなく始まる予習というわけである。同じ著者の手になる本書「憧れ写楽」は、蔦屋と同業者であり、蔦屋の才気を認めている仙鶴堂主人・鶴屋喜右衛門(きえもん)が主人公。もちろん、両者とも実在の人物。この話も予習になる。

    アイデアや行動力で伸してきた蔦屋に対し、先代から引き継いだ大手の鶴屋と

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    2024年12月03日
  • 蔦屋

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     考え行動しワクワクする人生をを送る〜
     いつの時代も世の中にほんろうされ、川の流れに流されながら、川の中で自分の価値観で進む。

    「白河の清き魚も、すみかねて、元の濁りの、田沼恋しき」

    「新しいものを作るのは楽しい、失敗はつきものだが、新しいものを作った時には、涼しい風が吹き抜けていく心地がする」

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    2024年11月09日
  • 廉太郎ノオト

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    荒城の月などで知られる滝廉太郎の生涯を追った事実を基にしたフィクション。ノオトはの音、ノートと音符(ノート)の掛詞かな。(ミスチルのシフクノオトと同じ語源?)

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    2024年09月02日
  • ええじゃないか

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    ネタバレ

    2024.1 この小説を読んで、アメリカ大統領選を思い出した。世の中の景気が悪いのはお上のせいだ、資本家のせいだ、自分たちが犠牲になっているとお店を打ち壊して強奪していくのも「ええじゃないか」。時代の流れといってしまえばそれまでですが人間の業を感じさせる娯楽小説でした。

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    2024年01月24日
  • 廉太郎ノオト

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    伝記?なのかな?

    若かりし頃の滝廉太郎、
    教科書の中の偉人としてではなく
    一人の音楽好きの青年の姿を描いている。

    これ
    朝ドラとかでやればいいのに〜

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    2024年01月10日
  • 桔梗の旗 明智光秀と光慶

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    明智光秀とその嫡男、十五郎のお話。父親に冷遇されていると思っていた十五郎は、実は光秀に大切にされていた。思っていても伝わらない事は多いので、親子のコミュニケーションは常日頃から取っておくべき。明智光秀が出てくる小説は、ついパワハラ上司と生真面目すぎる部下という目線で見てしまうが、信長はもともと家柄でなく成果重視の人だったから、忠義や人柄を重んじる上司であれば明智光秀もここまで精神的に追い詰められなかったかもしれない。

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    2023年10月22日
  • しょったれ半蔵

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    いよいよ6月の合同サイン会のサイン本の最後の一人,谷津矢車氏の作品。サイン本はもう一冊あるのだがそれは芦沢央さんのサインを2冊頂いたため。
    本作は名前だけなら日本人で知らぬ人はいないであろう服部半蔵を描いた作品。とはいえ,服部半蔵の名前は当主が引き継ぐものだったようだが。服部半蔵といえば忍者のイメージだが,本作では伊賀の出の忍びの一族服部家に生まれた主人公が忍びとして生きていくことを拒み,武士として生きていこうとして家を飛び出すというところから始まるお話である。しかし名前だけ知っていてどういう人物なのか何も知らなかったことを知った。本作では絶妙にフィクションを交えて語られているので,これだけ読

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    2023年08月10日
  • 妖異幻怪 陰陽師・安倍晴明トリビュート

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    タイトルの通り、「陰陽師(夢枕獏著)」の基軸に、夢枕先生をはじめとするさまざまな作家の短編がまとまったトリビュート小説集。
    過去作もありつつも、話や時系列が整っていて、初めて「陰陽師」の世界を読む人でも入りやすい内容になっている。

    各作家の作品が、平安時代を飛び出したり、メインの晴明や博雅が出つつも、第三者の視点であったり、出なかったりと、意外な新鮮さがあって面白かった。

    5作家・6作品の中では「遠輪廻(武川佑著)」が印象的かつ好きな内容だった。
    「陰陽師」の世界の時間軸より時を経た舞台であるにもかかわらず、「陰陽師」の世界としっかり結びついており、作品内の美しい儚い描写に読み入ってしまう

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    2023年07月29日
  • 宗歩の角行

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    江戸末期に活躍した天才棋士天野宗歩のエキセントリックな人生を小説に。
    とはいってもこの方が実在の人物ということすら知らなかったのでどの程度がフィクションとして描かれてるのかさっぱりなんですが。
    宗歩本人ではなく、没後に彼について周りが語るというインタビューのようなつくり。それはそれで面白かったですけどね。一遍が短いのでテンポよく読めましたし。
    ただ、なんだろうな?最初から「宗歩は誰に殺されたのか?」みたいなテーマも根底にあったように思いますが・・・そっちはちょっと拍子抜けかな。それまで出てこなかった人物が急に出てきて、いわば実行犯であったような話をされても・・・まあそういうミステリ的な楽しみを

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    2023年01月25日
  • 宗歩の角行

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    まあ、言いたいことはわかる。
    将棋を通じてしかシャバと関係を持つことのできない天才と、それに関わった人たち。確かに、ぐい、と引き込まれるものはあったが、やっぱり、台詞だけの展開は引っかかる。故にか、落ちに何も感じない。
    もう一回読みたいとはおもわんなあ。

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    2022年07月16日
  • 安土唐獅子画狂伝 狩野永徳

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    数ヶ月前に この著書の
    芳藤の作品を読みましたので 
    読みやすい本だろうと思って 読んでみました。

    読みすすめて
    あれ?? 安土城って 残ってなかったよね。。。確か・・・・
    (旅行で 城跡は 見た記憶がある)
    となると こんなに 命がけで描いた絵が 燃えちゃうの?!
    と 思うと 悲しくなりました。
    でも、唐獅子の絵は どっかで見たことがある。

    まさか 城が燃える前に 持ち出せたのかしら??

    などと 自分が 見た場所や 見た事のある 絵だと 読んでいて とても 身近に感じて 面白かったです。

    若冲もそうだけど
    昔の絵師さん達は 全てを投げ打って 
    絵に没頭していったのですね~~
    凄い気迫

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    2022年07月07日
  • 幕末 暗殺!

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    短編集。幕末の数々の暗殺について書かれている。
    谷津矢車氏の竹とんぼの群青(黒澤忠三郎による桜田門外ノ変)。早見俊氏の刺客 伊藤博文。誉田龍一氏の天が遣わせし男(桂早之助、坂本龍馬暗殺)。
    など読み応えあるものばかり。

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    2022年03月09日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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     著名作家のアンソロジー『足利の血脈』ですが、副題で、さくら一族の聖戦と付け加えたい。鎌倉公方〜古河公方・堀川公方の興亡と支える忍者の物語。読後としては足利の歴史よりさくら一族の伝奇。面白い企画かと思いますが、個人的には各作品の波が合わず、一人の作家の連作の方が読みやすかったのでは思います。しかし第七話は最終話にふさわしく感動しました。本作は二度目の方が良いかもしれません。

     足利義輝弑逆から織田信長謀殺はもっと盛り上げて欲しいところです。しかし敵城に大胆に忍びこめる信長の忍びは、どうして光秀の京洛進入を安々と許したのか?疑問のままです。某歴史の専門家は本能寺の変に即応した秀吉は忍びを信長の

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    2021年10月16日