谷津矢車のレビュー一覧
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有名なアメリカンコミックに登場する「道化師のメイクの怪人」のような画が表紙に?!これが何やら時代モノの小説であるらしい?酷く興味が沸いた。そして手に取った一冊だ。
「曽呂利新左衛門」という人物が在る。
「在る」とはしたが、生没年や本名がよく判らず、或いは一定程度知られた創作の作中人物ということになってしまうのかもしれない。本業は刀の鞘を造る鞘師で、堺で活動していた。手掛けた鞘には刀が「そろり…」と音も無く収まるというので「曽呂利」が通り名となって、そのように名乗ったという。この曽呂利新左衛門は歌詠みであり、茶道等にも通じているという人物で、豊臣秀吉が擁した文化人の集団であった“御伽衆”に名を連 -
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ネタバレ本作もフォロワーさんの感想を読ませて頂き、興味を持ち手にした一冊です。
いやぁ、お見事。
「秀吉を手玉に取った男」
如何にして天下人である豊臣秀吉を手玉に取ったのか。
それはまさに天賦の才としか言いようのないトンチを効かせたまさに口八丁手八丁。
物語は曽呂利が関わった人物との逸話を人毎に纏められており、その1話1話が実に面白い。
しかし、読み進めるうちに、曽呂利の行動(言動)が何を目的としたものであるのかがわからなくなる。
策伝と曽呂利が同一人物ではないかとの説もある中、曽呂利の本音が語られるのは第八話 策伝の場合。
あぁ、そうだったのか!
おそらくこう感じたのは私だけではないと -
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瀧廉太郎というと真っ先に浮かぶのが『荒城の月』と『花』。他には?と言われたら、この作品を読むまで分からなかった。こんなに身近な歌を世に送り出した人だったのかと再認識。
他の方の感想で青春小説と書かれていたんだけど、それもその筈、享年23歳では生涯のほとんどが青春だ。
序盤で亡くなったお姉さんの影響で楽器を演奏するようになる廉太郎だが、お姉さんは楽器(琴)が好きだが才能がない。私もお姉さん側の人間だからそのあたりはよく分かった。
才能に恵まれた廉太郎は東京音楽学校に入学する。いろいろな壁にぶちあたりながらも、良きライバルや同級生たちと研鑽を積みながら少しずつぶち破り、ついには海外留学することにな -
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【この作品を一言で】
あえて低く見られることによって周りの油断を招き、着実且つ合理的にミッションクリアをした男・曽呂利。
【感想】
フォロワーの方のレビューを読んで、面白そうだと思って手に取った1冊。
「1日目は米一粒、2日目には倍の二粒、3日目にはその倍・・・・」というエピソードが有名な歴史人物・曽呂利に関する物語。
感想を簡単に言うと、度が過ぎるくらい面白かった
という事ですね。
本当に、なんだこのダークヒーローは!!
「わしは何もできひん、口だけや。この口でやれることをやる」
弁論と頓知、そして度胸という持って生まれた力。そうした武力ではない「力」で、大阪城中の秀吉含め、主力クラス -
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扇谷上杉、北条氏を描いた富樫倫太郎「早雲の軍配者」の後に読んだ作品として最高だった。非常に混沌としていながら、戦国期の甲信越・関東の土台となった"古河公方"に纏わる連作短編アンソロジー。
1.嘉吉の狐:古河公方初代成氏-唯一の生き残りの前半生。足利義政への恨みと関東公方としての覚悟、それとかの有名な嘉吉の変のリンクが自然で良い。
2.清き流れの源へ:大人しい茶々丸というのが新鮮だったが、途中の豹変の過程が不明瞭で違和感。
3.天の定め:北条に抗い続けた晴氏。子への非情さと情の狭間で揺れ動く心情がよく描かれている。
4.宿縁:他と一線を画す荒山氏らしい独特な作品。源義家から -
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蔦屋重三郎の生涯を丸屋小兵衛を通して描かれている。日本橋の地本問屋・豊仙堂の店主であった小兵衛は店が傾いたことにより畳むことを決意していたがそこに重三郎が表れ豊仙堂を買い取ることとなる。重三郎は吉原の埒を壊すことを目標とし数々の本を出版し世間の流行を生み出していく。松平定信が老中となった時、定信の方針で世間が質素倹約を強いられておりそれを風刺するような草双紙を発売し大盛況となる。しかし幕府からの圧力により作者の恋川春町は自死し重三郎も圧力をかけられる。その後幕府の目をかいくぐりながら写楽などの絵師を発掘し流行を作り出していく。
登場人物が江戸訛りで喋っていおりとても当時の江戸の活気のようなもの