谷津矢車のレビュー一覧

  • 蔦屋

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    小兵衛、蔦重、歌麿という全く性格の違う3人の人生の交わりが面白く、それぞれのキャラクターに愛着が湧く

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    2025年08月04日
  • 憧れ写楽

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    東洲斎写楽モノといえば正体を巡る歴史ミステリだが、その正体は能楽師・斎藤十郎兵衛で決着しジャンルとしては廃れるのかと思っていた。だが本書の谷津矢車氏は、東洲斎写楽の活動期間が10カ月という短い期間にもかかわらず、作風や絵の質が最初期とそれ以降で全く違うという点に着目し、実は別の写楽がいたのではないか?というテーマで抜群に面白い歴史ミステリを作り上げている。

    本書は、地本版元の主 鶴屋喜右衛門が、斎藤十郎兵衛のもとを訪ね写楽の「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」を依頼するところから始まる。だが斎藤十郎兵衛はかの有名なこの絵を含む6作の役者絵は別の写楽のものであり、無理だと仄めかす。かくして鶴屋喜右衛門

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    2025年07月07日
  • 蔦屋

    ネタバレ 購入済み

    面白い!

    「吉原の埒を壊して、不埒者になりたい。吉原を江戸に、江戸を吉原にしたい」そう言った、蔦屋重三郎という男の生き様を描いた作品。文章と、ストーリーに、スピード感が有って、ぐんぐん引き込まれて、あっと言う間に読んでしまった。

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    2025年05月26日
  • 憧れ写楽

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    知らない事も多く、スマホ片手に調べながら読みました
    現在、最も有力な説とは異なる話で非常に興味深い内容でした

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    2025年04月21日
  • 蔦屋

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    著者はこの本を文庫本にすることを長らく拒んでいたそうだ。その顛末はあとがきに書かれている。今回、大幅に加筆して、満足のいくものとなったのだろう、折しも今年の大河ドラマの主役が蔦屋重三郎とあって、急ぎ文庫化したようだ。その甲斐あって、自由な物語として描かれたこの蔦重は面白かった。

    日本橋の地本問屋、豊仙堂の主人、丸谷小兵衛から、店を買い取ったところから、蔦重の出版人生が始まる。
    狂歌の面々や、山東京山、歌麿、東洲斎写楽も出てくるが、丸谷小兵衛の視点から物語は進む。彼は蔦重にとって、細見の版木よりも重要な人物なのだと本人に語るのだが、それは後になってよくわかる。

    振袖女郎になったお銀と歌麿、重

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    2025年03月14日
  • 憧れ写楽

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    ネタバレ

    新たな視点・解釈(写楽は二人いて6枚は恋川春町のもの)の写楽本というだけでなく、寛政期の濃密さが漂ってくる極上の時代小説。登場人物(みんな有名人で楽しくなる)の描き方が抜群で、史実を確りベースにしたミステリー小説として大変面白く最後まで読める。写楽を巡る物語なのに、装丁にポロックを持ってくるところも斬新で良い。

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    2025年03月05日
  • 憧れ写楽

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    主人公は老舗版元の主ニ代目鶴屋喜右衛門。大首絵から2年後、狂歌師の唐衣橘洲に写楽の肉筆画が欲しい、と頼まれた喜右衛門は写楽とされる斎藤十郎兵衛を訪ねるが⋯

    この方の「蔦屋」もよかったですが、蔦屋が敵役?のこっちも面白い!写楽の大首絵をじっと眺めたくなります。ことの真偽はともかく、よくこんな筋書き思いつくものですねえ。最初の設定からして伏線だったとは。版元、絵師、役者それぞれの職業人としての業も描かれていて、心を打ちます。

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    2025年02月24日
  • 蔦屋

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    「蔦屋重三郎」書き手によってその生涯の記述に違いがあるようだが、NHK『べらぼう』ではどう描かれるのか楽しみだ‼

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    2024年12月22日
  • 憧れ写楽

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    江戸中期、約1年余りで150作品を世に出し、忽然と消えた絵師・東洲斎写楽
    その写楽が2人居た?!
    版元や歌舞伎役者、絵師や戯作者、江戸文化の人々もたくさん出てきて面白い

    谷津さんの、人の心理を描く筆も冴え渡っている!

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    2024年12月01日
  • 蔦屋

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    10年ぐらい前に読んだ島田荘子さんの『閉じた国の幻』を読んで以来、蔦屋重三郎のファンで、写楽は誰なのかと言う事に思いを寄せています。
    また、その頃から美術館の企画展などで浮世絵が来る時は行くようにしております!

    ↑の作品を読んだ頃に産経新聞の下の方に書いてある広告で本書の存在を知り、文庫化されるのを待っていたら10年の時間が過ぎました・・・
    →理由は作者後書きで何となく語られております。

    また、本のカバーを見ると本書の作者は『憧れ写楽』と言う作品も書いたようです!(次は文庫化するまでこんなに時間を置かないでほしい)


    本作の蔦屋重三郎の物語は日本橋に居を構える丸屋小兵衛とコンビを組んで江

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    2024年11月16日
  • 蔦屋

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    2019年8月に読んだ増田晶文著『稀代の本屋 蔦屋重三郎』が私には合わず、その時のうんざり感が胃もたれのように「蔦重の本はもういいや」と思わせていたのですが、本書が出ると知ったとき、「いやこの人の書く蔦重なら読みたい!」と購入を即決。これに限らず谷津矢車さんの作品には、だいぶ前から好みセンサーがビビビッと反応していたのですよ。やっぱり私の目に狂いはなかった。すっごく良かった。

    地本問屋豊仙堂の主人丸屋小兵衛は、店を畳んだばかり。その小兵衛のもとに男が訪ねてくる。〈当代一流の豪勢な品を嫌味なく着こなし〉、〈男ぶりのいい顔〉をした、耕書堂の主人蔦屋重三郎だった。「あたしの仕事を手伝ってください」

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    2024年10月23日
  • 二月二十六日のサクリファイス

    購入済み

    おもしろい

    新聞の書評で知り購入。読後、登場人物を調べるくらいにのめり込みました。教科書でしか知らない事件。ここまでグイグイ引き寄せられるとは!

    #憧れる #アツい #タメになる

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    2024年10月06日
  • 二月二十六日のサクリファイス

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    二・二六事件後に捕らえられた山口一太郎大尉を調べる憲兵隊軍曹の林逸平の、事件の経緯や裏側を探るミステリー。
    面白かった。
    二・二六事件の概要は知っていても、このような小説で新たに事件の流れや、統制派対皇道派、天保組対無天組など、当時の陸軍内の派閥の力関係を関係者への捜査で明かされていく。
    青年将校のクーデターに対する山口一太郎大尉の不思議な言動と、その言動の意味を探る林逸平軍曹の駆引が、ミステリー感満点で予測の出来ない展開に繋がっていく。
    これだけの話を見事に構築する著者の力量を感じた小説だった。

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    2024年09月27日
  • 二月二十六日のサクリファイス

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    読み終わり昭和史に燦然と輝く知っているつもりで知らなかった二・二十六事件、クーデターの始まりとその経過なぜ起こってしまったのかの検証。そして探偵役の憲兵林逸平軍曹の活躍、読み応え満載の物語。気になった言葉があり「天保銭」調べて納得しました。あなたも昭和史最大のミステリー二・二十六事件を納得するまで読んで堪能して下さい。

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    2024年07月03日
  • 絵ことば又兵衛

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    ネタバレ

    谷津矢車の歴史小説。主人公絵師岩佐又兵衛は実在の絵師で荒木村重の子供というのも史実らしい。てっきり架空の人物架空の設定かと思ったのだが…。

    物語は天賦の画描才能を有しつつも、将来の吃癖と不器用な生きざまの主人公又兵衛が、器用な立ち回りが生き残る必須の術ともいえる織田豊臣徳川の時代変遷の中に生きていく様を描く。

    絵を描く描写の丁寧さが読みどころながら、絵心が皆無な俺にとっては、人間描写の巧さが核心部であり味わいどころだった。

    人と関わることに不器用で苦手な又兵衛がその煩悶の逃げ口として余計に絵にのめりこむ様や、後半のある瞬間に自分の絵を完遂させるために、人との関わりをひとつ深く入り込むあた

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    2023年12月10日
  • 桔梗の旗 明智光秀と光慶

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    光秀の息子の事は全然知らなかったので興味深く読むことができた。左馬之助との2篇になっていて光慶が元服した報告をしに信長に謁見するが邪険すらされない扱いに意気消沈するが何故か分からないと思うだけで家臣らが信長に謁見するため奔走してくれているが光慶は短歌など雅に重きを置き武には嫌悪。
    にも関わらず初陣をしたい、成果を上げたいと子どもな考え方。
    父親の謀叛で場面は左馬之助に変わる。何故光慶に初陣や戦のノウハウを託さなかったのか左馬之助は光慶に話す。

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    2023年08月03日
  • 雲州下屋敷の幽霊

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    1つ1つの短編で読みやすく、幕間を読むことで幾次郎と一緒に読んでいる気分になる。
    1話ごと、『うわぁ…』ってなりました。
    でも、面白かった。谷津先生の他の作品も読んでみたい。

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    2023年06月30日
  • しょったれ半蔵

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    ネタバレ

     面白かった!

     谷津先生の作品は絵師等芸術家を扱ったものが好きなんですが、勿論、他のジャンルが面白くないわけない!

     で、忍びとしても、武士としても、しょったれ(半端者)でしかない半蔵が家康の行く道を共に進む物語でした。

     その中で宿敵の梟、武士として家康に仕えながら、とうの家康に忍び働きを求められる皮肉。

     戦国時代といえば、この戦場と言われるところがたくさん出てきますが、初心者にも楽しく読めます♪

     今回も楽しませていただきました(*^^*)

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    2022年12月10日
  • ええじゃないか

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    幕末の混乱のなか回天の象徴としてのええじゃないかを追うなかで新たな時代の行き先に惑う人々がリアルに描かれていてとてもおもしろい。

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    2022年12月04日
  • 宗歩の角行

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    ネタバレ

    伝記なのだがミステリーでもあり、次第にそれぞれの語りを聞いているこの人物は何者…? 最後どうなるの?と読む手が止まらなくなった。
    どこまでフィクションなのか境目が分からないけど、証言が増える毎に、著者の狙い通り宗歩の魅力にやられてしまった。

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    2022年11月06日