谷津矢車のレビュー一覧

  • 妖異幻怪 陰陽師・安倍晴明トリビュート

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    ネタバレ

    晴明様特集をしていた『オール讀物』2022年8月号を既読だったので、純粋に初読だった作品は『哪吒太子』くらいだったかもしれない。
    他も上記のものを読んでいると既視感のある作品だったし。
    それでも、一冊で様々な方の晴明様、もしくは陰陽師話が読めるのはお得である。
    そして、改めて夢枕獏先生の晴明様と博雅様の抜群の安心感と安定感が身に染みるという。

    個人的にはやはりこの二人を見たいと思ってしまうので、他の作家さんが書かれた話でも二人が出てくるとつい思い入れが。
    ゆえに『耳虫の穴』と『博雅、鳥辺野で葉二を奏でること』は特にお気に入りである。
    第三者視点から見るとあの二人はああ見えるのかと思えたのもよ

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    2023年03月18日
  • どうした、家康

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    バラエティー豊かて楽しい一冊。
    新しい視点が良いと思うのは、「長久手の瓢」山本巧次である。
    上田秀人の「親なりし」はさすがの安定感。

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    2023年02月19日
  • ええじゃないか

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    ネタバレ

    尻上がりに面白くなった。

    『おもちゃ絵芳藤』でも描かれていたように、幕末の価値観の変化に翻弄される人々の姿を描いているが、幕間で語られているように、新型コロナウイルスや、ウクライナ情勢、沈みゆく日本の現状などから、『ええじゃないか』の人々の心のうちに重なるものを感じた気がした。

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    2022年12月02日
  • 絵ことば又兵衛

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    2022.7 説明も多いし、血肉躍るシーンもないしハッピーなシーンも無いけれど静謐な空気が流れる良い小説でした。
    力のある若い作家さんの小説はいいね。

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    2022年07月11日
  • 絵ことば又兵衛

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    米澤穂信さんの「黒牢城」を読んだ後なので、その息子の物語がより感慨を持って入って来た。
    この作品で描かれる荒木村重は「黒牢城」の彼とは違うのだが、代わりに息子・又兵衛をずっと見守るのが母代わりとなった乳母・お葉と遠い記憶の中にぼんやりといる実母・だし。そして彼の一生を支えた絵。
    彼は吃音により言葉で伝えることが苦手。だが代わりに絵で「語る」。それがタイトルの意味だった。

    実際の彼がどうだったのかは分からないが、この作品での又兵衛は自身が荒木村重の息子であることを大きくなるまで知らない。
    それは『己の周囲三尺の中に引きこもり、その中で生きてきた』からなのだが、その元を辿るとやはり吃音ということ

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    2022年06月09日
  • 安土唐獅子画狂伝 狩野永徳

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    『洛中洛外画狂伝狩野永徳』に次ぐ第二弾。
    狩野永徳が天下人織田信長との真剣勝負が展開する。織田信長を満足させられなければ、まず命はない。
    信長から依頼された計百枚にも及ぶプロジェクト、安土城障壁画への挑戦を行なう。

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    2022年03月24日
  • しゃらくせえ 鼠小僧伝

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    途中まで程々な気分で読んでたが、最後でぐぐぐぐぐ〜っとアガったっす。著者の狙い通り、気持ち良くハマってしまったなぁ。

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    2022年02月18日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    戦国史を足利一族の視点から描くアンソロジー。
    古河公方発足から、喜連川藩誕生までの200年余りが物語の舞台となっています。

    室町から戦国にかけて関東一円の戦乱の原因は、鎌倉公方・管領の足利一族のいざこざのせいだと思っています。なんというか、関東だけに限らず、足利は血族の争いが多い気がする。尊氏と直義から始まってることですし。それでも、240年近く幕府として続いたことは珍しいことでしょうね。

    時代を下りながらのアンソロジー7話。一つの流れとして、関東公方家に仕えた忍びの「さくら一族」の存在があります。「足利の血脈」というタイトルですが、「さくら一族」伝でもあります。
    『嘉吉の狐』『螺旋の龍』

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    2022年01月30日
  • 信長様はもういない

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    ネタバレ

    他の多くの歴史物の作品と違い、自分の考えを持たず、徹底的なまでにも他力本願な人物として主役が描かれているのが意外な作品だった。
    あまりに人任せなところに苛立ちを覚える時もあったが、現代でもこのような人物はあちこちにいるなと感じ、親近感も覚えた。

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    2022年01月29日
  • 三人孫市

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    ネタバレ

    戦国時代に名を馳せた「雑賀孫一」を、一人の人物ではなく、三人の別々の人物として描くというのが、なかなか面白かった。また、それぞれの人物の描写がしっかりなされており、とても読み応えがあった。

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    2021年12月28日
  • 廉太郎ノオト

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    序盤は静かな展開で進んでいくので、読み切れるか不安になったけど、音楽学校入学あたりから急に面白くなりました。
    音楽家の苦悩や葛藤がリアルに感じられ、教科書の中の滝廉太郎が、一人の人間としてとらえられました。
    それにしても23才の若さで亡くなるとは、残念すぎる。

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    2021年12月20日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    室町時代、なかでも鎌倉公方〜喜連川藩の流れは歴史の中で自分が一番興味がある部分です。さくらの里という元ネタバレバレのはじまり方ですが、アンソロジーでそれが貫かれているのがまたいい。「足利の血脈」というからには、いっそのこと足利義兼あたりまで遡ってもよかった。

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    2021年09月08日
  • 曽呂利

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    ネタバレ

    どこか飄々としていて、それでいて不気味さも感じさせる描写で主人公が描かれており、どこまでも掴み所のない人物だった。そして、どこまでもその本心を欺く姿勢は流石と感じさせられた。

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    2021年09月04日
  • 雲州下屋敷の幽霊

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    短編小説集でかなり読みやすかった。個人的には「女の顔」と「落合塾の仇討」が面白かったと感じた。「事実とは所詮上澄みだから真実を書き入れてあげないと物語は張りぼてになってしまう」という考え方はかなりハッとさせられるところがあった。

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    2021年09月02日
  • 雲州下屋敷の幽霊

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    実際に江戸で起こった事件を題材に、すごみのある話に仕立ててあるのが面白い。短編集ですが、タイトルの「雲州下屋敷の幽霊」が非常に残酷で印象に残った。悲惨な話が多くちょっとメンタルにくる。

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    2021年07月29日
  • 廉太郎ノオト

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    絵師を描くことが多い谷津さんにしては珍しい類の作品かも。『廉太郎』とは滝廉太郎、『ノオト』はノート(楽譜?)と「の音」を掛けているのかと勝手に想像。

    滝廉太郎と言えば「花」「荒城の月」などの教科書に載るような有名曲の作曲家、そして若くして亡くなったことくらいしか知らなかった。この作品では作曲家というよりはピアニストとしての成長が多く描かれていたので新鮮で興味深い内容だった。

    23歳という若すぎる死をまるで予見したかのように十代半ばで頭角を表し、その後も駆け抜けるようにピアニストとしてそして作曲家として階段を駆け上がった廉太郎。
    しかしついに『天井』を突き破る前に病が彼を連れ去ってしまった。

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    2021年06月19日
  • 廉太郎ノオト

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    ピアノの前に立つとき、たしかに一人。
    重奏であっても、鍵盤を弾くのは自分しかいない。
    怖くて怖くて、打鍵が自信のなさの塊になって、心身が劣等感の塊になる。
    廉太郎のように、自分自身の天井を破りたい。

    姉を追っていたら、自分が音楽を好きだと気づいた廉太郎。
    そこに気づくことは幸せだなと思う。
    「こんなに楽しいこと、やめられない」と。
    気づけて本当によかった。

    馴染みのない人だった瀧廉太郎を
    少し近くに感じた。

    いつ終わるかわからない命。
    取り組めるこの日々がありがたい。
    精一杯やろう。

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    2021年05月22日
  • 絵ことば又兵衛

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    絵師の話が好きで、何冊か読んでいますが、今回も引き込まれました。
    又兵衛とは何者なのか、という謎を秘めたまま、物語は進みます。狩野派の内膳、長谷川等伯、時の絵師に出会いながら、父親の結城秀康の義に応えるため、部下や家族といろいろな問題を起こしている松平忠直にも、忠義を尽くそうとします。
    そして又兵衛が何者なのか、なぜ「母」は殺されたのか、誰が殺したのか、謎が明かされます。
    「山中常盤」を描いた又兵衛の真意。絵師の心意気が、絵の持つ力を最大限に発揮し、人の心を動かしていく・・・ラストは心打たれました。

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    2021年02月16日
  • 幕末 暗殺!

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    7人の実力は歴史作家が幕末史の暗部に迫る!
    定説は覆されるのか?真犯人は?驚きの動機は?・・・。今、こんな競作アンソロジーが楽しい。

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    2021年02月01日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

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    足利氏の血脈を7人の歴史作家が紡ぐアンソロジー。
    ただ単に足利氏を描くだけでなく、忍びの血脈も同時に描かれており、重層感があった。

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    2021年01月23日