谷津矢車のレビュー一覧

  • 安土唐獅子画狂伝 狩野永徳

    Posted by ブクログ

    『洛中洛外画狂伝狩野永徳』に次ぐ第二弾。
    狩野永徳が天下人織田信長との真剣勝負が展開する。織田信長を満足させられなければ、まず命はない。
    信長から依頼された計百枚にも及ぶプロジェクト、安土城障壁画への挑戦を行なう。

    0
    2022年03月24日
  • しゃらくせえ 鼠小僧伝

    Posted by ブクログ

    途中まで程々な気分で読んでたが、最後でぐぐぐぐぐ〜っとアガったっす。著者の狙い通り、気持ち良くハマってしまったなぁ。

    0
    2022年02月18日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

    Posted by ブクログ

    戦国史を足利一族の視点から描くアンソロジー。
    古河公方発足から、喜連川藩誕生までの200年余りが物語の舞台となっています。

    室町から戦国にかけて関東一円の戦乱の原因は、鎌倉公方・管領の足利一族のいざこざのせいだと思っています。なんというか、関東だけに限らず、足利は血族の争いが多い気がする。尊氏と直義から始まってることですし。それでも、240年近く幕府として続いたことは珍しいことでしょうね。

    時代を下りながらのアンソロジー7話。一つの流れとして、関東公方家に仕えた忍びの「さくら一族」の存在があります。「足利の血脈」というタイトルですが、「さくら一族」伝でもあります。
    『嘉吉の狐』『螺旋の龍』

    0
    2022年01月30日
  • 信長様はもういない

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    他の多くの歴史物の作品と違い、自分の考えを持たず、徹底的なまでにも他力本願な人物として主役が描かれているのが意外な作品だった。
    あまりに人任せなところに苛立ちを覚える時もあったが、現代でもこのような人物はあちこちにいるなと感じ、親近感も覚えた。

    0
    2022年01月29日
  • 三人孫市

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    戦国時代に名を馳せた「雑賀孫一」を、一人の人物ではなく、三人の別々の人物として描くというのが、なかなか面白かった。また、それぞれの人物の描写がしっかりなされており、とても読み応えがあった。

    0
    2021年12月28日
  • 廉太郎ノオト

    Posted by ブクログ

    序盤は静かな展開で進んでいくので、読み切れるか不安になったけど、音楽学校入学あたりから急に面白くなりました。
    音楽家の苦悩や葛藤がリアルに感じられ、教科書の中の滝廉太郎が、一人の人間としてとらえられました。
    それにしても23才の若さで亡くなるとは、残念すぎる。

    0
    2021年12月20日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

    Posted by ブクログ

    室町時代、なかでも鎌倉公方〜喜連川藩の流れは歴史の中で自分が一番興味がある部分です。さくらの里という元ネタバレバレのはじまり方ですが、アンソロジーでそれが貫かれているのがまたいい。「足利の血脈」というからには、いっそのこと足利義兼あたりまで遡ってもよかった。

    0
    2021年09月08日
  • 曽呂利

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    どこか飄々としていて、それでいて不気味さも感じさせる描写で主人公が描かれており、どこまでも掴み所のない人物だった。そして、どこまでもその本心を欺く姿勢は流石と感じさせられた。

    0
    2021年09月04日
  • 雲州下屋敷の幽霊

    Posted by ブクログ

    短編小説集でかなり読みやすかった。個人的には「女の顔」と「落合塾の仇討」が面白かったと感じた。「事実とは所詮上澄みだから真実を書き入れてあげないと物語は張りぼてになってしまう」という考え方はかなりハッとさせられるところがあった。

    0
    2021年09月02日
  • 雲州下屋敷の幽霊

    Posted by ブクログ

    実際に江戸で起こった事件を題材に、すごみのある話に仕立ててあるのが面白い。短編集ですが、タイトルの「雲州下屋敷の幽霊」が非常に残酷で印象に残った。悲惨な話が多くちょっとメンタルにくる。

    0
    2021年07月29日
  • 廉太郎ノオト

    Posted by ブクログ

    絵師を描くことが多い谷津さんにしては珍しい類の作品かも。『廉太郎』とは滝廉太郎、『ノオト』はノート(楽譜?)と「の音」を掛けているのかと勝手に想像。

    滝廉太郎と言えば「花」「荒城の月」などの教科書に載るような有名曲の作曲家、そして若くして亡くなったことくらいしか知らなかった。この作品では作曲家というよりはピアニストとしての成長が多く描かれていたので新鮮で興味深い内容だった。

    23歳という若すぎる死をまるで予見したかのように十代半ばで頭角を表し、その後も駆け抜けるようにピアニストとしてそして作曲家として階段を駆け上がった廉太郎。
    しかしついに『天井』を突き破る前に病が彼を連れ去ってしまった。

    0
    2021年06月19日
  • 廉太郎ノオト

    Posted by ブクログ

    ピアノの前に立つとき、たしかに一人。
    重奏であっても、鍵盤を弾くのは自分しかいない。
    怖くて怖くて、打鍵が自信のなさの塊になって、心身が劣等感の塊になる。
    廉太郎のように、自分自身の天井を破りたい。

    姉を追っていたら、自分が音楽を好きだと気づいた廉太郎。
    そこに気づくことは幸せだなと思う。
    「こんなに楽しいこと、やめられない」と。
    気づけて本当によかった。

    馴染みのない人だった瀧廉太郎を
    少し近くに感じた。

    いつ終わるかわからない命。
    取り組めるこの日々がありがたい。
    精一杯やろう。

    0
    2021年05月22日
  • 絵ことば又兵衛

    Posted by ブクログ

    絵師の話が好きで、何冊か読んでいますが、今回も引き込まれました。
    又兵衛とは何者なのか、という謎を秘めたまま、物語は進みます。狩野派の内膳、長谷川等伯、時の絵師に出会いながら、父親の結城秀康の義に応えるため、部下や家族といろいろな問題を起こしている松平忠直にも、忠義を尽くそうとします。
    そして又兵衛が何者なのか、なぜ「母」は殺されたのか、誰が殺したのか、謎が明かされます。
    「山中常盤」を描いた又兵衛の真意。絵師の心意気が、絵の持つ力を最大限に発揮し、人の心を動かしていく・・・ラストは心打たれました。

    0
    2021年02月16日
  • 幕末 暗殺!

    Posted by ブクログ

    7人の実力は歴史作家が幕末史の暗部に迫る!
    定説は覆されるのか?真犯人は?驚きの動機は?・・・。今、こんな競作アンソロジーが楽しい。

    0
    2021年02月01日
  • 足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

    Posted by ブクログ

    足利氏の血脈を7人の歴史作家が紡ぐアンソロジー。
    ただ単に足利氏を描くだけでなく、忍びの血脈も同時に描かれており、重層感があった。

    0
    2021年01月23日
  • 廉太郎ノオト

    Posted by ブクログ

    ひたすら真面目に描かれている廉太郎
    でも音楽を介した仲間たちとの友情が魅力的
    共通するものに向かっていくのはいいですね
    自分も一人じゃない事を幸せに思って
    何とか乗り越えて行きたいです

    音楽モノは蜜蜂と遠雷以来かな
    文字に表現するっておもしろい(^^)

    0
    2021年01月24日
  • 絵ことば又兵衛

    Posted by ブクログ

    「絵」は好きである
    自分で描くことも好きであり、
    観ることも好きである、
    いわゆる有名どころの画家たちには
    あまり興味はないけれとど、
    少し外れたところ(?)に位置づけられている
    画家たち
    ニコ・ピロスマニ
    フリーダ・カーロ
    小川芋銭
    モード・ルイス
    グランマ・モーゼス
    大道あや

    辺りになってくると
    俄然 興味が湧いてしまう

    そんな中のお一人が
    岩佐又兵衛さん
    ずっと以前から気になっていた
    絵描きさんでしたが
    最近どうやら取り沙汰されてきたことが
    なにやら嬉しいやら、なにをいまさら…やら

    本書の「背」に「又兵衛」を
    見てしまったので
    思わず 手に取ってしまいました

    又兵衛さんを吃音者

    0
    2021年01月13日
  • 絵ことば又兵衛

    Posted by ブクログ

    ・岩佐又兵衛(父は荒木村重)
    ・吃
    ・結城秀康
    ・松平忠直
    ・『豊国祭礼図屏風』
    ・『山中常盤絵巻』
    ・土佐光吉、狩野永徳、長谷川等伯

    0
    2020年11月21日
  • 廉太郎ノオト

    Posted by ブクログ

    大分の小藩日出の国家老の家柄、御一新で藩がなくなってからは政府に出仕した厳格な父の元に生まれた、名家・瀧家の跡取り息子・廉太郎。庭の水琴窟が奏でる音、姉の弾く琴の音色とは別に、廉太郎の心の奥底にはいつも流れ続ける音があった・・・

    20歳にして労咳で亡くなった姉・利恵が、死の間際に廉太郎に託した音楽への夢。その夢に寄り添うように音楽への道を進む決意を固める廉太郎。音楽がまだ道楽とみなされていた時代、「男が芸人になるなどけしからん!」と反対する父を押し切り、日本唯一の音楽学校であった東京音楽学校を目指した廉太郎は、その狭き門を突破し最年少で入学を果たす。

    幸田露伴の妹・延(のぶ)に師事し、めき

    0
    2020年10月26日
  • 絵ことば又兵衛

    Posted by ブクログ

    幼い頃からの物語。長い時間がかかり己れの道を切り拓いて到達した境地。人は、死ぬまで己れの道を歩みきれたらと思う。

    0
    2020年10月25日