あらすじ
この男、正義の味方か。大悪党か。
職も金も許嫁も失った次郎吉は、万事窮して盗賊に。
前代未聞の悪漢登場。
圧倒的な興奮、一気読み必至の時代小説!
許嫁・お里の借金を返すため盗みに入り、所払にあった鼠小僧次郎吉。真人間に戻ろうと決意し四年ぶりに江戸に帰るも、職にはつけず、お里から祝言の予定を告げられる。相手は金儲けのためなら殺しも厭わない呉服屋の呉兵衛。生活に困窮し呉兵衛への恨みも募らせていた次郎吉は、町の仁医・七兵衛の裏稼業を手伝うことに。それをスキャンダル命の瓦版師・亀蔵に嗅ぎつけられ、さらに、お里の真の思惑も明らかになってきて……。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『この男、正義の味方か大悪党か。』と帯にある。いや、どう考えても、単なる馬鹿でしょう。と私は思ってしまう。愛されると冠がつくが。
次郎吉は愛するお里の借金を返すために、盗みを働き御用となる。戻った時にはお里は悪徳商人の手の中に。大悪党の裏の顔を持つ七兵衛という医者に出会ったことで、次郎吉の生活は大きく変わり、やがて鼠小僧となるのだった。
次郎吉は、ただお里が好きで、お里を取り戻したいがためだけに盗みを働くのだが、その度気分良く金を振り撒いたり酒を飲んではその金が無くなってしまう。
この時点で本当何をやってんだろう?って思ってしまうんですよね。ただ一途にお里を取り戻したいという思いから一生懸命に金を貯めるのであれば、盗みは働いてもなんていい奴なんだと思うんですが、何で振り撒いたり酒を飲んですっからかんになったりするのかと。でも、そういう次郎吉だからこそのラストシーンなんでしょうね。
ラストシーンは圧巻です。『しょったれ半蔵』と間違えて手にしてしまったものの、面白い時代小説を読むことができた。
Posted by ブクログ
鼠小僧は世間では義賊と人気があるけど、ほんとはそんなことはない。瓦版がそう書いただけ。盗んだ金はすぐに博打と酒に使い、そのくせ自分はあくせく働いていると言う主人公が好きになれない。