あらすじ
付言しておきたいのは、信長の最大のライバルは、……やはり大坂本願寺であるということだ。そして、その本願寺の軍事力を支えたのが雑賀衆であり、その頭目が「雑賀孫市」だった。(解説/和田裕弘。中公新書『織田信長の家臣団』『信長公記』著者)
ときは戦国、織田・浅井・三好ら大大名がしのぎを削るただ中に、紀州・雑賀庄はあった。彼らに転機をもたらしたのは、八咫鴉を祀る夜に蹌踉と現れたひとりの老人。刀月斎を名のる男は、頭領〈雑賀孫市〉を父にもつ三兄弟それぞれに、奇妙な形をした鉄炮を与えたのであった……。
病身を抱えながら鉄炮兵法を編み出す長男・義方、豪放磊落にして武威赫々たる次男・重秀、入神の域に達した狙撃の腕を持ちながら心を閉ざす三男・重朝。兄弟で〈雑賀孫市〉を襲名した彼らは、異なる道を歩み、異なる志を秘めながら戦乱の世を駆け抜ける!
いま最も勢いに乗る歴史作家・谷津矢車が放つ硝煙たなびく合戦絵巻!!
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Posted by ブクログ
戦国時代に名を馳せた「雑賀孫一」を、一人の人物ではなく、三人の別々の人物として描くというのが、なかなか面白かった。また、それぞれの人物の描写がしっかりなされており、とても読み応えがあった。
Posted by ブクログ
谷津矢車、戦国三部作最後の文庫。
戦国時代。哀しくて、深くて、それでいて心を離さない。そんな時代の、ある兄弟と親子とその周りの人々と鉄炮のお話。