谷津矢車のレビュー一覧

  • 絵ことば又兵衛
    谷津矢車の歴史小説。主人公絵師岩佐又兵衛は実在の絵師で荒木村重の子供というのも史実らしい。てっきり架空の人物架空の設定かと思ったのだが…。

    物語は天賦の画描才能を有しつつも、将来の吃癖と不器用な生きざまの主人公又兵衛が、器用な立ち回りが生き残る必須の術ともいえる織田豊臣徳川の時代変遷の中に生きてい...続きを読む
  • ぼっけもん 最後の軍師 伊地知正治
    まず私はガチの佐幕派です。幕末の薩長の三英傑は〇〇〇(好きな言葉をお入れください)なのと、ちょうど忙しい日々が続いていたため、すぐに手に入れてようやく読み終えました。

    幕末と明治維新を描いた三部作の最後の作品ですね。敗者、民間人、勝者。
    幕府内も混乱をしていたし、朝廷では孝明天皇が急病...続きを読む
  • ぼっけもん 最後の軍師 伊地知正治
    2023年、読んでよかったランキング(自分の中で)上位に入る一冊。

    幕末、薩摩の軍師として活躍した伊地知正治。明治の世となり、歳を重ねると共に何のために生きていくのか考えたり、若き日の自らの行動と向き合ったり、読み進めながら一緒に悩んだ。
    令和の現代、国民と国との関係を考えさせられる一冊。為政者に...続きを読む
  • 桔梗の旗 明智光秀と光慶
    光秀の息子の事は全然知らなかったので興味深く読むことができた。左馬之助との2篇になっていて光慶が元服した報告をしに信長に謁見するが邪険すらされない扱いに意気消沈するが何故か分からないと思うだけで家臣らが信長に謁見するため奔走してくれているが光慶は短歌など雅に重きを置き武には嫌悪。
    にも関わらず初陣を...続きを読む
  • ぼっけもん 最後の軍師 伊地知正治
    誰の言葉だったか、本書を読み終えた時、感動した!と言ってしまった。江戸から明治へと時代が変わり日本の政情は不安定に、そんな時代を駆け抜けた男の物語の一冊をあっという間に読み終えてしまった。
  • 雲州下屋敷の幽霊
    1つ1つの短編で読みやすく、幕間を読むことで幾次郎と一緒に読んでいる気分になる。
    1話ごと、『うわぁ…』ってなりました。
    でも、面白かった。谷津先生の他の作品も読んでみたい。
  • しょったれ半蔵
     面白かった!

     谷津先生の作品は絵師等芸術家を扱ったものが好きなんですが、勿論、他のジャンルが面白くないわけない!

     で、忍びとしても、武士としても、しょったれ(半端者)でしかない半蔵が家康の行く道を共に進む物語でした。

     その中で宿敵の梟、武士として家康に仕えながら、とうの家康に忍び働きを...続きを読む
  • ええじゃないか
    幕末の混乱のなか回天の象徴としてのええじゃないかを追うなかで新たな時代の行き先に惑う人々がリアルに描かれていてとてもおもしろい。
  • 宗歩の角行
    伝記なのだがミステリーでもあり、次第にそれぞれの語りを聞いているこの人物は何者…? 最後どうなるの?と読む手が止まらなくなった。
    どこまでフィクションなのか境目が分からないけど、証言が増える毎に、著者の狙い通り宗歩の魅力にやられてしまった。
  • 廉太郎ノオト
    谷津矢車、初めて読んでみた。
    日本の誇る名音楽家、瀧廉太郎の伝記小説。

    幼くして音楽の才を持ち、自らの才に目覚め上京し音楽漬けの生活の中で、ライバルや良き友人、素晴らしい指導者に恵まれ、グングンと実力をつけていく廉太郎。

    しかし、姉の命を奪った結核に自らも蝕まれ、若くしてその命を失うことになる。...続きを読む
  • ええじゃないか
     舞台は三河と京都になります。

     『ええじゃないか』をうまく使いこなして金儲けの大博打を仕掛けるましらたちと将軍の直下と言いながら、武士の誇りを忘れてしまったような父に怒り、自分の手で手柄をあげようとする若い市之丞の物語が絡み合い、幕末の混乱を描いた秀作です。

     私の中で『ええじゃないか』騒動っ...続きを読む
  • 宗歩の角行
    自伝書では 無いです。

    ゆかりのある人から インタビューを集めたもの。

    こんな 方法も あるんですね。

    将棋をかじったことがある人には

    貯まりませんね。

    キーワードは もちろん お酒でしょうね。

    谷津作品を 読んで見たくなりました。
  • 廉太郎ノオト
    簡潔な文体ながら滝廉太郎と一緒の空間、時間を過ごした気持ちになれる本だった

    憾を書いた時の心情のゆらめきがリアルでこの曲の聴き方が変わった
  • 刀と算盤~馬律流青春雙六~
     江戸の町にある『馬律流」という武術を教える道場があった。
     だが、今では弟子はたったの一人。道場も赤字。もらった禄も足りなくて、借財も増えていくばかり……。
     そんな時に一ノ瀬唯力が主人の紗六新右衛門が黒字になった時には『一年間、儲けの一割を報酬』として支払うことを条件にして経営指南をしてくれると...続きを読む
  • 廉太郎ノオト
    瀧廉太郎、この作品を読むまで、こんなに若くして亡くなった人とは知らなかった。
    (教科書のモノクロ写真は、私には何故か皆年配者に見えていた。)

    廉太郎の、音楽と共に生きる日々が読みながら胸にすっと入ってくる。
    同じ道を行く同志や師との関わりも描かれ、芸術の道を進む熱さ、厳しさ、美しさに引き込まれてい...続きを読む
  • 廉太郎ノオト
    滝廉太郎の人生について知れました
    音楽は楽しいときもあれば苦しいときもあるなと感じました。天才は天才なりの悩みがあって読み応えがありました。
    1日1日を大切に頑張りたいと思いました
  • 絵ことば又兵衛
    海の見える寺に住み込み幼いながらも働く又兵衛は、吃音で生きづらい日々を送っていた。
    そんな又兵衛が絵師と出会い、絵を描くことの喜びを知る。
    絵の道を進みながら、自分の生まれを知り、母を殺された怒りや恨みを心に抱きつつ歩む、又兵衛の人生を描いた作品。

    吃音とその生い立ちで苦労をする又兵衛なのだが、実...続きを読む
  • 雲州下屋敷の幽霊
    色んな本を読むんだけど、はたとこの本のように「人間の業」が描かれたような作品に出会う。そうすると、「お前は何食わぬ顔で日々を送っているつもりかもしれないが、俺全部分かっていんだぞ」と、嘲笑われているような感覚に陥って、ぞくりとする。
    谷津矢車は、職人的天才。作品は極めて緻密。
  • 雲州下屋敷の幽霊
    単行本は所持しているので、再読になるのでしょうが、やはり面白かった。

    『無惨絵条々』の時よりも、知識が増えていることもあるとも思いますが。

    谷津先生の才能が高すぎなんですよね。

    次の絵師物が楽しみ(^.^)
  • 幕末 暗殺!
    非常に面白かったと思う。
    私の好きな歴史小説短編集の一つ、この本と同様の題材を扱った司馬遼太郎の『幕末』があるが、それに次ぐ面白さだった。
    油小路の変を描いた『裏切り者』が読み物として、秀逸と感じた。