【感想・ネタバレ】吉宗の星のレビュー

あらすじ

八代将軍吉宗は
いかにして生まれたのか

権謀術数で摑んだ天下の先に見た〈星〉とは!?
「畢竟、これは『人は何のために生きるのか』
を問う物語なのである」大矢博子(書評家・解説より)

瞬く星となり
見守っております

紀州藩主・徳川光貞の三男として生まれながら、生母・紋の身分の低さゆえに、虐げられた扱いを受けた新之助。
しかし、五代将軍綱吉から「高みに登れ」と声を掛けられ、運命は激しく動き出す。
新之助の思いと野心に応え、乳兄弟の星野伊織と鉄海和尚は秘密裡に工作を重ねる。
やがて、新之助は紀州藩主、将軍の座を摑むが、そこには新たな試練が。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

匿名

購入済み

紀州藩主の三男だが、母親の出自身分が低いため、父に疎まれる新之助。
そんな新之助に幼少期から仕える星野伊織は、新之助を藩主にするべく、新之助の父と兄二人を毒殺する。
そんな伊織の行動を、新之助は己が命じたことだと言い、一蓮托生を誓い、新之助は藩主の座に就き、吉宗を名乗る。
伊織はひそかに「御庭番」を組織する。
吉宗も伊織も、吉宗の母の待遇を上げたいと思うが、母は受け入れない。
その後、江戸の幼い将軍の後継問題が持ち上がり、尾張徳川家の継友と紀州徳川家の吉宗が候補に挙がり、大奥や幕閣が対立する中で、伊織は命を落とす。
吉宗は将軍となるも、母は吉宗を認めないまま世を去ってしまう。
母も伊織も喪った吉宗は、幕政を仕切っていくにあたり、将軍に推挙した大奥や門閥とも対立することにもなり、自らの後継者選びにおいては、かつては味方だったものが敵方になってしまうなど、複雑な政治的対立が描かれ、吉宗は孤独になっていく・・・。

この作品の吉宗には、政治に対する高い理想があるわけではない。ただ、民には人気が高かったことについて、
「善政を敷くことは、おのれの権威を確立するための手段に過ぎなかった」というほど。

想像以上にダーティで孤独な吉宗だった。

#ダーク

0
2025年12月20日

「歴史・時代」ランキング