谷津矢車のレビュー一覧

  • 廉太郎ノオト

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    今年の感想文コンクールの、全国の高校生部門の課題図書。読み出しは何だか味気なくて、遅々として進まず。でも音楽学校に進学したあたりから、廉太郎の苦悩や特に成長ぶりに目を奪われ、思ったよりも早く読み終えることができました。「花」や「荒城の月」でしか知らなかった、滝廉太郎の夭折するまでの生き様が分かると同時に、西洋音楽が日本にどう根付いていったのかを知ることも出来ました。

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    2020年09月26日
  • 廉太郎ノオト

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    100年以上前の明治の音楽家の話であるが、新鮮で若々しい本であった。今の高等学校の課題本にしては、清らか過ぎるのではないかと思ってしまった。(笑) こんな若き頃から、自分の目指す道を見つけ突き進んでいる事は素晴らしいです。青春を感じる事が出来ました^ ^

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    2020年08月28日
  • 廉太郎ノオト

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    私は飲んで陰鬱な気分になれる作品が好だが、人が死ぬものは別だなと。苦手...死には誰も抗えないじゃないか。どうにもこの不条理がつらい。歴史小説なんて読めないか…本書はプロ&エピで本編をサンドした構成でまだ救われた。人が死なないならこの構成は別に求めないが。当時の自己研鑽は第一にお国の為。自己実現ではない。想像し難いがそんな時代が確かにあったのだな。楽器を弾く場面、音色は目に見えないのにまるで映像で迫ってくるような感覚をおぼえた。綺麗。録音のない時代の音楽は残っていない。登場人物の奏でた本当の音が気になる。

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    2020年02月21日
  • 廉太郎ノオト

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    名前だけは知っている音楽家のことが、この本を読み少しわかったような気がした。音楽を通じて、世界に目を向けた先駆者たちの生きざまを美しいと感じた。

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    2020年02月02日
  • 廉太郎ノオト

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    ネタバレ

    おもしろかった。
    荒城の月、はすぐ浮かんだけど、お正月のうたも滝さんだったんだーっと驚き。
    音楽に懸ける清々しい青春もの。
    友や、憧れの人、いろんな人に囲まれて、
    悩み、努力し、未来を夢見ていただけに最後の病を得てからが物悲しい、パタパタと終わってしまった感もあり、残念。
    冒頭の新聞屋さんとの関わりがそんなにないっちゃーないんだけど、あえて彼の名前を出したところに廉太郎の途中で終わってしまうことへの悔しさが滲む気もする。
    こーゆー歴史的人物のフィクションはやっぱ好きだな。
    教科書の上のただの名前が血と肉を得て、友人となる。

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    2020年01月15日
  • 廉太郎ノオト

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    ここにきて、滝廉太郎かぁ。
    小学校の教科書に出てきて、
    知らない人はまずいないであろう日本の大作曲家。
    夭折の人だということは知っていたが、
    こんなに活動的な人だとは知らなかった。

    最後のほうが急ピッチで進んだけれど、
    長いと長いで暗くなるから、あれでいいのか?
    でも、切ないなぁ。

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    2019年12月22日
  • 桔梗の旗 明智光秀と光慶

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    ネタバレ

    いかにして、光秀は信長を討つに至ったのか。
    と、いう物語の中にある様々な人々の思い。

    望まれても、そのように動くことができないことは辛い。
    では、どう生きるべきなのか、私も共に思う。

    つまるところ、人は己自身としてしか生きることは出来ないのだろう。

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    2019年12月11日
  • 三人孫市

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    谷津矢車、戦国三部作最後の文庫。

    戦国時代。哀しくて、深くて、それでいて心を離さない。そんな時代の、ある兄弟と親子とその周りの人々と鉄炮のお話。

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    2019年10月09日
  • 曽呂利

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    少し前に単行本で読んだ『曽呂利!』の文庫版。といっても結構加筆修正されていました。書き直されたところや削られたところ、新しく書かれたところを探しながらあっという間に読みました。
    中でも一番印象的な変更箇所は冒頭。冒頭に出て来る人物が変わっていますが、それが曽呂利の行動の動機、そして人物にさらに深みを持たせたのではないかと思います。

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    2019年10月05日
  • 廉太郎ノオト

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    ネタバレ

    郷土の夭逝した偉人が、音楽の高みを目指し悩み汗かく姿はとても新鮮だった。
    何かしら楽器を演奏する人も、聞くだけの人も短く燃えた才ある人の生き様を読んでほしい。

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    2019年09月16日
  • 三人孫市

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    ネタバレ

    雑賀衆という謎の集団を題材にした今作。
    三人、雑賀孫市となる人物が出てくるが、それぞれの立場が面白かった。
    歴史とは流れてゆく民が造るのだと、読み終わった時にそんな事を考えた。

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    2019年08月30日
  • 某には策があり申す 島左近の野望

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    戦の無い世の中なんか、生きてる価値がねぇ!

    なんて島左近の叫びが聞こえてきそうな作品であった。

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    2019年07月14日
  • 幕末 暗殺!

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    歴史小説に風穴を開けることを目的とした操觚の会7人によるアンソロジー。
    暗殺者側から描いた視線が目を引く。
    坂本龍馬や桜田門外の変など知られている事件もあるが、
    塙忠宝暗殺の様なあまりメジャーでない題材も拾い上げている。
    自分は孝明天皇死の謎に迫った作品が良かった。
    暗殺がテーマなので全体に明るさは無いがテンポよく読める。

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    2018年10月21日
  • 安土唐獅子画狂伝 狩野永徳

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    狩野永徳を主人公にした作品。織田信長、長谷川等伯、狩野山楽、海北友松、千利休などの同時代の歴史上の人物も登場させ、物語に膨らみを与えている。小説全体の評価は4くらいの作品だが、読み物としては上質のエンターテイメントだと感じた。
    この小説を読み終え、狩野永徳が全身全霊をかけて描き上げ、完成後3年で焼失してしまった安土城の障壁画を観たかったと強く感じた。

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    2018年04月22日
  • 幕末 暗殺!

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    「操觚の会」による幕末暗殺アンソロジー。
    なぜ暗殺すること事が出来たのか。桜田門外では雪が降っていて、護衛たちが刀を抜くのが遅れた。油小路では、居待ち月で御陵衛士たちを囲むのに適していた。なかなか歴史の表には表れないが、成功した影には、そのような偶然や緻密に計算された必然がある。
    特に、龍馬暗殺を暗殺者の側から書いた誉田龍一。斎藤一の心理を描いた秋山香乃の作品は、素晴らしい。是非、ご一読あれ。

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    2018年01月28日
  • どうした、家康

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    色々なエピソードを基に作られた家康の話。13人の作家さんの家康なのに違和感なく同じ家康。それが家康
    明智光秀の謀反を事前に知っていた!?ありえるかも

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    2025年09月18日
  • 二月二十六日のサクリファイス

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    兄と慕う人物を軍に殺された林逸平は、謂わば復讐のために入隊、憲兵隊の軍曹となる。精神的な病で一年休職後、二.二六事件の首謀者の1人と見做されている山口一太郎大尉の取調べをするという任務に就く。初回の取調べで山口一太郎大尉は黙秘を宣言。そこで、過去に関わりのある人物を調べて、その人々の証言を集め、外堀から攻める方針がとられた。
    林軍曹の任務遂行の日常と、証人たちの告白が交互に語られる形式の物語だ。
    昭和史のターニングポイントともなる大きな事件だが、私自身詳しいことはよく知らない。史実とフィクション、虚実織り交ぜた内容であろうと想像する。
    憲兵隊という仕事に誇りを持ち、真実を突き止めようとする熱意

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    2025年08月03日
  • 二月二十六日のサクリファイス

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    ネタバレ

    3.5くらい。
    面白いと聞いたのと、二・二六事件には興味があったので期待して読んだけど、自分には合わなかった。
    肌が合わない。

    山口一太郎を取り調べる憲兵の目線と、山口を知る人間からの証言や思い出話から二・二六で山口が何を思ったのか探る話。
    また、主人公を狙う統制派からの横やりや石原莞爾の思惑など、ミステリー小説さや歴史小説の醍醐味等はあるけれど、あまり楽しめなかった。
    山口が何を考えていたのか迫るという視点は面白いけれど、その大儀さを大事に思えなかった。

    それでも、と思う、足掻くカタルシスさが自分には物足りなかったんだと思う。

    山口がどんな結末を迎えたのかなど歴史的事実を曲げずに、真摯

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    2025年07月11日
  • 蔦屋

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    商売の基本(いろは)は『神速を尊ぶ』だ。

    重三郎は金儲けがしたいわけじゃない。新しいものを作りたい。吉原から江戸を驚かせたい。金は、その結果としてついてくるものだと考えている。この男にかかれば、今を保つことすらも後退を意味するのだ。ただ、新しいものは、頭の固い向きには塵芥だ。そういうものを先物買いするお客さんもいるにはいるけども、それじゃあ大売れとはいかない。十歩先に行ったものじゃあ新しすぎる。かといって、一歩二歩先じゃあ誰も驚かない。五歩くらい先を走るものを作りたいと思ったのだ。世の進歩は、一歩一歩、着実な積み重ねの上に成り立っている。浮草稼業の本屋や絵師や作者の界隈とて同じである。五歩先

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    2025年04月11日
  • 蔦屋

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    今年の大河ドラマに取り上げられている蔦屋重三郎の話をいくつか読んでみようということで、借りた本。

    以前読んだ、泉ゆたかさんの『蔦屋の息子』では豪快で猪突猛進な重三郎が描かれていたが、こちらでは重三郎が買い取った日本橋の元地本問屋の元店主・丸屋小兵衛を番頭に据えるという荒業で商売を行うバディものとして描かれている。

    物語の山は老中・松平定信との闘い。
    戯作者の山東京伝や恋川春町らと追い詰められていく様子などはこの時代ならではとは言え、理不尽な思いでいっぱいになった。
    歌麿の立ち位置がこれまで読んできた作品とは違っていて新鮮だった。
    歌麿こそ重三郎のバディなのかと思いきや、意外にも途中で喧嘩別

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    2025年02月14日