あらすじ
江戸末期に活躍した天才棋士、天野宗歩。五歳にして非凡な才能をもてはやされた幼少期。酒に溺れ、賭け将棋に明け暮れた上方時代。命を懸けた大橋宗珉との苛烈な対局。浮世も御城将棋にも見切りをつけ、興行三昧する奥州行脚。実力十三段、のちに棋聖と呼ばれた孤高の勝負師は、何を追い求め彷徨っていたのだろうか。近代将棋の定跡の基礎を築き、今も棋界から無二の存在と一目置かれる男の孤独と絶望に迫る、新たな盤上小説。
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Posted by ブクログ
伝記なのだがミステリーでもあり、次第にそれぞれの語りを聞いているこの人物は何者…? 最後どうなるの?と読む手が止まらなくなった。
どこまでフィクションなのか境目が分からないけど、証言が増える毎に、著者の狙い通り宗歩の魅力にやられてしまった。
Posted by ブクログ
自伝書では 無いです。
ゆかりのある人から インタビューを集めたもの。
こんな 方法も あるんですね。
将棋をかじったことがある人には
貯まりませんね。
キーワードは もちろん お酒でしょうね。
谷津作品を 読んで見たくなりました。
Posted by ブクログ
江戸末期に活躍した天才棋士天野宗歩のエキセントリックな人生を小説に。
とはいってもこの方が実在の人物ということすら知らなかったのでどの程度がフィクションとして描かれてるのかさっぱりなんですが。
宗歩本人ではなく、没後に彼について周りが語るというインタビューのようなつくり。それはそれで面白かったですけどね。一遍が短いのでテンポよく読めましたし。
ただ、なんだろうな?最初から「宗歩は誰に殺されたのか?」みたいなテーマも根底にあったように思いますが・・・そっちはちょっと拍子抜けかな。それまで出てこなかった人物が急に出てきて、いわば実行犯であったような話をされても・・・まあそういうミステリ的な楽しみをするようなお話ではないのでしょうけども。。
ある意味で最重要人物である風吉もなんかなあ。将棋からずっと離れていながらとんでもない実力を維持しつづけたという点ではこっちのほうがはるかに「天才棋士」なんじゃないですかね?
史実を下敷きにしている部分と、おそらく創作であろうこの2点が妙に乖離してしまっているように感じてしまいました。うまくなじんでいないというか。。。
Posted by ブクログ
まあ、言いたいことはわかる。
将棋を通じてしかシャバと関係を持つことのできない天才と、それに関わった人たち。確かに、ぐい、と引き込まれるものはあったが、やっぱり、台詞だけの展開は引っかかる。故にか、落ちに何も感じない。
もう一回読みたいとはおもわんなあ。
Posted by ブクログ
宗歩の死は病死と届けられているが、果たして?
とある人物が、宗歩を知る人たちを訪ねて歩き、宗歩が生きていた頃の様子を語り継いでいく。読んでいる側は、章を進めるごとに、宗歩への思いと死への謎を深めていくのだが、当然、死者である宗歩自身の語りは得られない。
彼に恩義を感じる者、その才に畏敬の念を感じる者、嫉妬し疎ましく感じる者、利用する者。
盤上の世界を「白黒が付く」簡単な世界と感じ、世間をそうはいかない、訳の分からないものと感じていた宗歩。
名人になることを断ち、旅に出る彼の胸中には、何があったのだろう。
どこまでも、孤独。
とも思うし、だからこそ『将棋精選』を残そうとした宗歩の気持ちを思う。
時空を超えて、棋譜は残る。
そして、棋譜を見れば、その人の指し回しが見えてくるという。
ふと。
御城将棋にも、賭け将棋にも見えてきた、エンターテイメントとしての将棋を、棋士たちはどう捉えているのだろうと、疑問に感じた。
スポーツにも言えるだろう、観る者のために歪められてしまう、何か。
天野宗歩は、やがて「棋聖」と呼ばれる。
現代の天才が、最初に手にした称号との縁にも、また感じさせられるものがあった。