上田紀行のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「生きる意味」とはなんなのだろうか。人生のステージ変わるたびにそのようなことを考えた経験がある。高校入試、大学入試、就活、、、この先もそのような場面に遭遇し、その度に考えるのだろう。
本書では、多くのことが学べる。ぜひ大学生や就職したての若者には一読してもらいたい。
他人が欲しがるものを欲しがるようになってないか?そういう社会の広告に惑わされていないか?自分が自分でなければならない理由はあるのか?自分は他人に置き換えられる存在だと思っていないか?
小中学校で点数が高いことが求められていた。親や社会も点数が高い方が良いと言う、なぜなら良い大学に入り、良い企業に入社できるから。そこには私たち -
-
Posted by ブクログ
自分が果たして何のために生きているのか。ごく普通の一般家庭に生まれ、親は共働きで土日も働いているような時代。幼い頃は厳しい躾けと、毎日叱りつける親に少しでも怒られまい、褒められたいと思いながら、それが生きる意味であった様に感じる。学校に通い、社会に出ると人よりも稼ぎたい、高い地位につきたいと、常に人と比べた時に自分が如何に優位に立てるか、そんな所に生き甲斐や自分の存在価値を求めていた様に記憶する。振り込まれる給料の額、誰よりも早く昇進したいと毎日背伸びして出来もしない自分を演じていた。結果は会社での評価(点数)や貯金の額など、誰が見てもわかる客観的指標で高い数字に現れるから、自分でも疑いようも
-
-
Posted by ブクログ
自由に生きるための知性
これはいってしまえば=教養なのかなと思った
第一部が特に心に残った
教養を学ぶ意義
教養と社会の関係について整理できた
いま、教養が大事だと改めていわれている理由
→教養から専門知に傾いて
専門家と一般人のコミュニケーション
が上手くいかず、さらには
非対称な垂直な関係になり
専門家と一般人の間の信頼が崩れた
→終身雇用制度が崩壊しており
学び続ける力が必要になってきている
=エンプロイアビリティ
一方で、教養・リベラルアーツとは、
それがある人とない人を隔てる垣根であり
いま社会から求められている教養との間に
ジレンマが -
Posted by ブクログ
将来への投資と今への投資
大学の講義の中で、
「評価のポイントはどこになりますか」と質問する生徒の話があったと思う。
振り返ってみると、自分にもその傾向はあった。
学ぶことに楽しみを感じる今の自分から見るともったいないな。
「目的への疎外」、老後のお金の心配をしすぎて、いま楽しめていないと思ったことを思い出しました。
将来への投資と今への投資とを両立できるよう、生きたいと思います。
勉強になった箇所
・古代ギリシアには 自由市民と奴隷がいました。自由市民とは ソクラテスやプラトン アリストテレスのような人たち。人間にとって世界にとって良きことは 何かを根本から議論し探求する人たち -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて買ったのですが、思っていたようなガツガツした内容ではなく、読むと心が安らかになったり、勇気をもらえる本でした。
お守りがわりに何度も読みたいです。
当たり前のように語られている言葉の本質を問い直す本です。
本書で例として挙げられているエピソードや宗教、哲学などの話もとてもためになりました。
特に良かったのは、「国民総幸福量」が多いことで知られるブータン王国では、小さな時から利他的な行為によって得を積むことで来世に良い輪廻転生ができると言う教育を徹底しているという話。
【たとえ教えであっても毎日積み重ねていればそれは日常の当たり前の行為になる】
こういう教育ができる社会は -
Posted by ブクログ
【問いかけて30年】「怒涛の時代」とも称される平成の世を、「生きづらさ」をテーマとして、主に宗教面から読み取ることを試みた作品です。著者は、東京工業大学でリベラル・アーツを教える上田紀行ら4名。
「そんなこともあったなぁ」と読み進めるうちに、平成の一側面をわかりやすく解説してくれる一冊でした。難解なところはまったくなく、コンパクトでありながら同一テーマに関する複数名の指摘を合わせて読み進められるため、頭の中で比較をしながら考えることができる点も高評価です。
〜私たちを取り巻く社会はさまざまな問題を抱えています。それらの問題の根底には,日本でも世界でも,若者を中心にして広がる「生きづらい」と -
Posted by ブクログ
「平成」という時代を、「宗教」という視点から分析した本です。社会の変化とそれをうけた宗教界の変遷が、相互に影響しあって平成の「空気」を作り上げた様子がわかりやすくまとめられています。
「激動の昭和」につづく平成の30年は、「失われた20年」などともいわれるように、閉塞感のある時代だったような印象があります。
もっとも、平成生まれの私にとってはこれが「フツウ」でしたから、そこまでネガティブなイメージではないのですが…。
ただ、阪神淡路大震災やオウム真理教のサリン事件、9.11同時多発テロや3.11東日本大震災など、多くの「事件」が印象に残っている時代ではあると思います。
それぞれの事件によって -
Posted by ブクログ
ダライラマと「生きる意味」の著者の上田さんの対談集。
上田さんは「生きる意味」で日本は豊かにも関わらず生きる意味を見失った人々が多い「生きる意味不況」だと論じたが、その答えのヒントに仏教があるのではと。
ダライラマに上田さんの考える現代社会における仏教の可能性を対談したもの。
お金を稼ぐ事=幸せというパラダイムがバブル崩壊で、お金が稼げない=不幸せにな人が続出。しかしそうではないだろうと。この世の格差、不幸のギャップを解消することをもっとやろう、そして経済的豊かさをあわせて享受しようという対談。
いかに印象にのこったフレーズを:
平和の定義
消極的平和:戦争のない状態、積極的平和:弱者