上田紀行のレビュー一覧
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ネタバレ[ 内容 ]
なぜ日本人は幸福になれないのか。
世界有数の豊かさを享受しながら、いつも不機嫌で疲れきった顔をしている人びと。
他人の視線ばかりを気にする若者たち。
効率ばかりを求める大人たち。
誰もが目に見えぬ重圧に、生きづらさを感じている―。
本書では、現代人が背負う「肩の荷」の正体を心理学、宗教学、文化人類学の見地を交えながら読み解く。
「肩の荷」とは、いったい何を、誰によって背負わされているのか。
どうすればおろせるのか。
人生の「孤独」と「癒し」の意味を問い直した思想的メッセージの書。
[ 目次 ]
序 なぜ「肩の荷」をおろせないのか
第1章 「自分」という重荷
第2章 「豊かさ」と -
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ネタバレ[ 内容 ]
仏教とは、お布施を集め、暮地や駐車場を経営する宗教のことではない。
世間に縛られる凡夫を解放し、生きる喜びを与えてくれる宗教なのだ。
今こそ、仏教の原点に立ち戻るべきでは―。
本書では、元禅僧にして比較宗教学者と、“癒し”の文化人類学者が、日本仏教の再生について熱く討論。
「“悟り”と“狂い”は紙一重」(町田)、「仏教は人生をリセットする教え」(上田)など、宗教の本質を見抜いた独自の見解をぶつけ合う。
さらに、魅力あるお寺づくりや仏壇の復権についても提案。
現代人の魂に火をつける刺激的対談。
[ 目次 ]
第1章 仏教は爆発だ!―宗教の本質を考える
第2章 生きる意味を取り戻す -
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この本を読んだ後は、なんともすがすがしい気分になれるのだろうと、すごく期待したのですが、難しい話が多く、考えさせられることが多かったような。それが逆に肩の荷になったりして自分の中でも矛盾になっているかも。
著者曰く、「やみくもに「肩の荷」をおろすのではなく、負っている肩の荷が自分にどんなメッセージを発しているのかを感じてみる、そのことが大切だと思います。」の一文にすべてが凝縮されているのかと。
「肩の荷」と思われることを具体例や過去の研究から説明し、それを取り払うのではなく、客観的に見極めたうえで、「肩の荷」を「自分そのもの」として定義し、生き方を見つめなおしましょうということが本書で得た結論 -
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[ 内容 ]
愛されるより愛する人になる。
私たちは社会の交換可能な消耗品、「使い捨て」ではないのです。
自分のかけがえのなさを取り戻し、社会の信頼を取り戻す。
愛されるよりも愛する人になる。
すべてはそこから始まります。
[ 目次 ]
プロローグ 交換可能でない「私」
第1章 ダライ・ラマの愛と思いやり
第2章 私たちは使い捨てじゃない
第3章 評価が、生きることの最終目標か
第4章 ネガティブなことに大きな価値がある
第5章 愛されるより愛する人になる
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ -
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今週おすすめする一冊は、『「自殺社会」から「生き心地の良い社会」へ』。文化人類学者の上田紀行氏と、NPO法人自殺対策支援センター「ライフリンク」の代表・清水康之氏が自殺について語り合った対話の記録です。
日本では、1997年の金融危機の直後に自殺者が急増し、初めて年間3万人を超えました。以来12年間、毎年3万人以上の方が自ら命を断っています。一日に直せば80人以上。数字だけではなかなか実感がわきませんが、東京マラソンの出場者数がちょうど3万人と言われると、その数字がとたんに重みをもって迫ってきます。
でも、自殺について大っぴらに語られることはありません。自殺は忌むべきものであり、語られるこ -
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いまの日本の社会は年三万人、一日三百人が自殺している社会。
確かに通勤電車が人身事故でよく止まるが自殺がこんなに多いとは。
日本より経済状況が悪い国が必ずしも自殺が多いとは限らない。
日本の社会特有の問題があるらしい。
日本の学校でイジメが起きやすい構造に似ているようだ。
日本の学校は、イジメが起きやすい環境。アメリカの学校では陰湿なイジメがめったに起きないらしい。アメリカの学校は人間環境が固定されていなくて《逃げ場》が出来る。
日本の学校は人間関係が1年間クラスで固定され《逃げ場》がない。
日本の社会も《逃げ場》がないから自殺に追い込まれしまう人が多いのではないか。
この不景気で自分自身も会 -
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池上彰さんの「教養のススメ」の中に、この本には仏教についてわかりやすく解説してあるとあったため(たぶん)興味を持って読んでみた。
読み終わって、そもそもの目的の「仏教について」がどの部分なのかわからなかった。本全体の内容が仏教に通じるのだろうか?それはさておき、なかなかいいことが書いてあった。
↓以下ネタバレです
たとえば、モノでも人でも、それだけ、その人一人だけでは「〇〇である」という意味は持たず、外側にあるモノや人との差で、「痩せている」「頭が良い」「金持ち」
「質がいい」「小さい」「大きい」「安い」「高い」などが定義づけられる。要するに自分の価値は外部との差で決定する。という -
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生き迷っている私に何らかのヒントが得られるかとすがるような思いで読んでみた。……のだが、以前読んだ『生きる意味』でもそこはかとなく思っていた思いをより深く感じた。どんな思いかというと、そのとおりなんだけど美しい話すぎてとても現実社会を生き抜いていく参考にならないってこと。
でもこんなこと思ってしまう自分が、この本でいうところの自分にとって自分がかけがえのない存在になれていなかったり、愛するより愛されたい人間だということなのかも。
上田氏の生い立ちの話がなかなかびっくりだった。ちょっと普通じゃないからこういう人になるんじゃないの、なんて前の段落の人間らしいひがんだことを感じてしまう。 -
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仏門に入りながら大学教授として世界を回り様々な宗教、人に触れながら仏教を探索する町田宗鳳。方や文化人類学を探求する大学教授上田紀行。二人が仏教について語り合う。ただ、この本は2006年にだされたもので、当時、町田が56歳、上田は48歳。まだ考え方が若いと感じる。町田は、修行を重ね出家しているだけのことはあり、モーゼ、キリスト、マホメット、仏陀などは、当時の世の中を変えるため出てきた宗教の改革者であり、仏教は爆発だというのも、多少過激だが理解できる。
上田は、今の宗教家の批判が多すぎる。それが、社会の中から、仏教を変えていくことを唱えて仏教ルネッサンスを唱えているが、やや若いかなと思う。
今、二 -
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もう20年近く前の本。新自由主義とか「構造改革」とかが台頭しつつある頃にあって、警鐘を鳴らしているような内容。それから20年近くがたち、まあ、まさに著者が危惧しているようなことが現実として落ち着いてしまっているように思う。
この本で書かれているべき論がそのとおりになれば、それはそれでよいのだろうけど、ちょっとアオいようにも感じてしまう。何を求めてこの本を読み始めたのかいまやおぼろだけど、この本を読んだところでやはり生きる意味はわからない。ただ、生きるって何があろうとひとまずは生きて(しまって)いるから生きているのだと思う。この本に生きる意味が書いてあるんじゃなくて、結局は自分なりの生きる意味を -