上田紀行のレビュー一覧
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本来、自由人であるためのリベラルアーツだが、現代社会には自由市民など少なくなり、社畜と揶揄されるような(あるいは自嘲するような)都合良く洗脳された労働の奴隷が、別の奴隷のためにリベラルアーツを学ぶ時代。現代社会の悲劇として語る上田紀行氏、東工大のリベラルアーツ研究教育院長の発言は非常に考えさせられる。
教育の名の下に奴隷を育ててはならない。しかし、そうは言うが、社会にとって有用な人材だから用いられるのであり、それが所謂労働ニーズになるなら、我々は奴隷たることから逃れられず、自由市民にはなり得ない。我々自身も社会からの期待を将来像に設定するから、とがった夢を見ることも叶わない。つまり、社会的動 -
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大学時代にゼミで課題図書となっていた本。
社会人3年目も終わりに近づき、自分のやりたいことに立ち返る、もしくは再構築すべく、改めて読もうと思い立つ。
バブル期、終身雇用社会など、皆が目指す豊かさの理想像を追っていれば幸せだった時代から、
個人自立型社会となり、個人の幸せを追う(追わないといけない)時代になった。
与えられることに慣れている人間が、自らレールを作っていくって難しいなという原体験がある自分にとっても刺さる内容が多い。
特に第5章の内容がおすすめ。
誰の人生なのか。何を大切にしたいのか(人生における濃淡をつけること)。
生きる意味は、自分が置かれた状況によって進化していくものなの -
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ネタバレリーダーの教養書
■教養がなければ「奴隷」
・人は自分の価値基準に照らして初めて、意見や考えが出てくる。
・自分が関わっている事象について、自分が自由に考えるための基盤は共用
・自分以外の誰かが決めた価値基準への充足を強制される状態は「不自由」
自分の頭で考え、自分の言葉でものを言うことが「自由」
・教養があればあるほど、人間は快適かつ思い悩むことの少ない生活を送れる
・教養とは、自分の好きなものを学ぶことに尽きる。ワクワクする事
■リーダーとは
・労働条件とは「上司」
・教養がなければ人生を楽しめず、職場も部下も楽しく過ごせない
■経営判断とは「論理的な革新」
・物事を単純化して、要 -
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だいぶ前に読み終わっていたが、何をどう書き残すかにややとまどって、遅くなった。
読みにくい本ではない。
文章は平易。
上田さん自身の体験を交えての議論は具体的でわかりやすい。
たしかに、今の社会の閉塞感を変えるには、積極的に愛することは必要かもしれない。
その愛は、プラトニックなもの、博愛みたいなものから、偏愛、性愛を包含する。
愛に区別をつけられないのはわかる。
どこかで線を引くという行為は、どうしても恣意性を帯びる。
けれど、DVを伴う関係にも愛を認めることはできるか?
では児童性愛は?
これらの場合、愛としては認め、行為としては間違っているとすればよいのか?
なんだかそこがどうして -
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ネタバレ愛する意味
著者:上田紀行
発行:2019年6月30日
光文社新書
1990年の著作で「癒やし」という名詞形を世に放った文化人類学者にして仏教徒である上田紀行の最新本。広辞苑第七版にも、「癒やす」はあるが、まだ「癒やし」は掲載されていない(「卑し」は載っている)。この本は、今時の日本の若者が気にする「愛されたい」感覚、言い換えれば、「愛されていないと不安症候群(北原が作った言葉)」に悩む人たちに、文化人類学というより、心理学の対人認知的な切り口でアドバイスを送る生きるための指南書。僕と同じ年のせいか、彼の主張はどれも当たり前に聞こえる。それだからこそ勉強になった。今の若者はそうは思っていな -
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途中まで。
■教養の定義
・人が他者に強制されず、自分自身で作り上げていく独自の「価値基準」を持っているということです
・自由でない状態は奴隷の状態
・自らの選択肢を増やしてくれるもの
・ワクワクして楽しいもの
知りたい、興味を持ったことを
その時に調べてみる、詳しい人に聞く
→岩盤に突き当たるまで徹底的に
→その積み重ねで教養が身につく
■品があるの定義
→欲望への速度が遅いこと
→→即時即物的にではなく抽象度をあげて物事を理解しようとする姿勢
→→マンションを買うまで、一年おきにどこがいいか家を転々としてから買った人の話
抽象度が高ければ高いほど実は実用的
→普遍的だから
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ネタバレ思ってたのと違ったけどまあまあ
平成論というタイトルに惹かれて読んだけれど,中身は平成における宗教論.池上さんのわかりやすい総論のあとに各著者がそれぞれ1章ずつ考えを書いている.
ざっくりまとめると,バブル崩壊からの心の拠り所として宗教は力を持ったが,オウムの事件で敬遠.ただスピリチュアリティはパワースポット巡りの流行だったり災害を機に改めて重要視されてきている,といったかんじ.
日本での仏教が衰退しているのは僧たちが広める努力をしてこなかったからだ,という記述にはなるほどなと思った.日常で仏教にかかわる場面がないなかで葬式のときだけ高い金を要求されるのだからよいイメージはもてない.
宗教観の -
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「崩御」?
天皇が亡くなるとそう言うんだ、へえ~、というくらいで、とくに厳かな気持ちにもならず自分にとっての平成は幕を開けた。
「下血」という文字が新聞報道にも頻繁に載り、いよいよ容体が危ないとなると、学校も自粛ムードで、文化祭が取りやめになった。別に中止でもいいけど、天皇の具合が悪いのと、文化祭がなんの関係があるんじゃ?とブツクサ。
不謹慎、不遜、なんて畏れ多い態度、と今なら思うが、馬鹿な10代男子の頭の中なんてそんなもの。
平成の幕開けはバブルの余韻にまだまだどっぷり浸かったまま、何事もなく過ぎたが、異変は海外からやってきた。なんとソ連がなくなった!冷戦で二分されていた -
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ネタバレ生きる意味は、他人からもたらされるものではない。それば自分がっ探さなくてはならない。探すポイントは、ワクワクと苦悩
ワクワクする人にはひとが集ってきてコミュニケーションが生まれる。
苦悩は、他人に聞いてもらうことで他社とのコミュ二ケーションが生まれる。
・・・今にも自殺しそうなほど追い込まれてる人には、無理な内容だと思った。
■本
宗教クライシス/上田紀行 1995
菊と刀/ル-ス/ベネディクト 1948
アダルトチルドレンと共依存/緒方明 1996
アダルト・チルドレン完全理解 1996
レクサスとオリーブの木/トーマス・フリードマン 2000
ウィナー・テイク・オール/ロバート・フラン -
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刊行から少し時間が経ってしまっているゆえに、いろいろなことを考えさせられた。
筆者が指摘する職場、学校のみならず、経済、そして戦争の中でも個人の「かけがえのなさ」が蹂躙される状況は、むしろ現在の方が強まっているのだけれど・・・
ここで筆者が新しい動きとして期待しているNPOなどの活動、もっと言えばそこに参画することで新しい絆を獲得するという議論は、その後震災を経てずいぶん流布したと思う。
ただ・・・社会は本当に変わったのか。
最近、むしろ逆行する動きの方が目立つような気がしてならない。
なんだか絶望感を感じてしまう。
ところで、著者は「癒しブーム」の仕掛け人の一人だということ。本書で初めて -
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「生きる意味」を過去と現在の社会における変化の点から比較し、現代社会における「生きる意味」を模索する試み。
高度経済成長期=バブルの時代は、株や土地など皆が欲しがるのを手に入れればよかった。
しかし、バブルが崩壊し、人々は生きる意味を喪失してしまい、
これからは、皆が欲しがるものを手に入れるのではなく、生きる意味のオーダーメイドの時代がくるという。
それは、世界の何と愛で繋がるか(どの価値観に重きを置くか)が重要な要素となり、そのつながるものを見つけた人は、一点豪華主義になる。
つまり、他のことがダメでも、それとさえつながっていれば幸せだと感じる何かを見つけるということになる。
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