上田紀行のレビュー一覧

  • 人生の<逃げ場> 会社だけの生活に行き詰っている人へ

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    この生きにくい現代社会をどのように生きていけばよいのか。文化人類学者のエッセンスをまぜて語る一冊。なんだか心に染みた。
    筆者は「私が本書で提案したことは、交換可能な存在として扱われるようになった自分をもう一度交換不可能な存在にするための戦いである」(P203)とまとめているが、今の時代を生きていくのに大事な戦いな気がした。

    ・「できる人」よりも「魅力的な人」になることを目指すのも、子どものきっかけとして社会とつながっていくことを志向するのも、共同体のしがらみをあえて引き受けるのも、「自分はほかの誰でもない私自身として、今この世界で生きているんだ」という確かな実感を再び抱けるようになるため(P

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    2015年09月27日
  • 人生の<逃げ場> 会社だけの生活に行き詰っている人へ

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    ネタバレ

    転職して少し疲れていたからなのか、目に入ってすぐに買ってしまった・・・。しがみつくことなく、もっと気持ちに余裕を持って生きようと再認識させてくれる内容です。
    絶対肯定できるものを見つけると人は安定する、というのは非常に納得できる。自分の経験にも当てはまるし、それがあるだけで少なくとも自分はまだまだ大丈夫だ、と思える。さくっと読んで、さっと気持ちを切り替えられる良い本かと。

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    2015年07月02日
  • 生きる意味

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    ダライ・ラマとの対談をしているのをきっかけにこの本を読む。
    著者の主張の出発点は、いまの世の中の閉塞感の本質は「生きる意味が見えない」という生きる意味不況であると定義。
    仮に経済成長を復活して果たしたとしてもこの閉塞感はかわらないだろうと。
    なぜ生きる意味不況になってしまったのか?
    それは高度経済成長を通じて「他者の欲しがるものを手にいれる」という人生観が主流になったからだと指摘。
    その引き換えに物質的豊かさを手にいれることができたのでまだ代償として成立していた。16
    しかしながら、経済的豊かさを手に入れた今、他者の欲しがるものを同じように欲しがって手に入れてもこれ以上、幸せになれないことをみ

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    2015年06月20日
  • がんばれ仏教! お寺ルネサンスの時代

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    「葬式仏教」と揶揄され、現代人に訴えかける力を失ってしまったかに見える仏教界において、さまざまな取り組みをおこなっている僧侶たちを紹介しています。

    既得権益の上にあぐらをかいている僧侶たちへの厳しい批判とともに、仏教の再生に向けての著者の熱い期待がストレートに語られていて、読んでいて元気の出てくる本でした。

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    2017年12月03日
  • 生きる意味

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    ネタバレ

    生きる意味を失ったのは、自分が欲しいものが自分で選んで手に入らなくなったから。バブル中の旺盛な消費欲だって、自分の価値でなく他人が買いたいものを所有することで悦に浸っていた。その価値基準が崩れたから、みんな迷いはじめたという指摘に納得。

    収入だとか成績だとか他者から見て計りやすい数字で人生の勝ち負けを見定めるために、自分で自分の人生を輝かせられる意義を失っていく現代人。その癒しのためにはワークショップなどが必要と説く。

    ご自身の活動の援護としての本という気がしないでもないが、読むと気は楽になるかも。しかし、現実はこうしたヒーリング自体が経済構造に組み込まれている現実がある。

    経済成長より

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    2014年11月05日
  • 生きる意味

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    ネタバレ

    『池上彰の教養のススメ』の流れで読んだ。
    生きる意味が見いだせないでいるのは何故か。そこには世間の目を気にするという日本的な恥の文化、新自由主義的グローバリズムによる構造改革の中で数値と画一的な価値観が押し付けられ、異質が排除されてしまいがちな状況がある。
    家庭、学校、会社、社会のいずれも画一的な理想像に沿ったイイ子を求め、受け入れる一方で、それに対する違和感や反発、そして生きる意味が見いだせない状況。
    生きる意味を見出すためには、自分自身のワクワク感と苦悩(現実とワクワクとのギャップ)に向き合うこと、そうした一人ひとりの価値観を認め合い高めあうようなコミュニケーション。
    貧富の格差、所得の配

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    2014年09月15日
  • 生きる意味

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    解説に…
    生きる意味
    経済的不況よりもはるかに深刻な「生きる意味の不況」の中で、「本当に欲しい物」がわからない「空しさ」に苦しむ私たち。時には命をも奪うほどのこの苦しみはどこから来るのか?苦悩をむしろバネとして未来へ向かうために、いま出来ることは何か?生きることへの素直な欲求を肯定し合える社会づくりへ、熱い提言の書!

    と、あります。


    日本人特有の習慣・思考パターンによって引き起こされる今の世の中の問題点が、明確に提示されており、なるほどと、納得できる内容でした。

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    2014年08月02日
  • 生きる意味

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    ネタバレ

    しばらく前のネット記事で、この本が数年前の大学入試の現代国語問題で一番多く採り上げられたというのを読んで興味を持ち、読んでみることにしました。
    題名からの第一感は「説教くさくて鼻につきそう」というネガティブなもので、実際そういう要素がないわけでもないのですが、全体としては現代の日本社会の閉塞感の問題点を、社会心理学的に解き明かし、解決策を提言するというスタイルで、なかなか説得力があっておもしろかったです。文章は論理的で読みやすく、なるほどテーマから言っても入試問題向きというのがうなずけました。
    経済政策をはじめとする政策提言についての見解に関しては、同意できない点も多かったのですが、社会に「新

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    2014年04月16日
  • 生きる意味

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    新書としては内容にボリュームがあるのに加え、著者の言葉の概念を共有するのに時間がかかり案外と読みにくかった。前半を読んで、読むのをやめてしまおうかと思ったが、中盤から興味を持って読めた。

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    2014年04月13日
  • スリランカの悪魔祓い

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    ニコ動の岡田斗司夫ゼミよりやってきました。

    悪魔は孤独な人間に憑く。
    病は「関係」から生まれる。

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    2013年12月26日
  • ダライ・ラマとの対話

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    ネタバレ

    筆者は仏教関係の著作もある東京工大の文化人類学の先生。ダライラマの著作は自伝他いくつか読んだ事はありますが、対話物は初めて。著者自身が自画自賛していますが、一方的なメッセージではなく、通常の著作等では出てこないダライラマの考えを引き出せているのは対談ならでは。

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    2013年07月28日
  • ダライ・ラマとの対話

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    ネタバレ

    東工大で教鞭をとる文化人類学者の作者とダライ・ラマがダラムサラで2日間対話をした記録。高校の時に仏教学校に通っていた僕にとっては仏教の授業で語られることは「理想高く、しかし実践はなんか形式的」という印象であった。大学進学後は、仏教のことはほとんど考えたこともなく今に至る。それが、近年、キリスト教的一神教思想と密接な資本主義の行き詰まりがいろいろな所で語られるようになり、親鸞ブームのように仏教の教えは見直されてきているように感じる。そこで、入門書代わりにこの対話を読んでみた。
     まず感じたことは、真偽のほどは不明だが、仏教会も医師会などと同じで「官僚化・硬直化」しているという事実。確かに、世襲制

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    2013年02月20日
  • かけがえのない人間

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    「癒し」の上田氏が自身の半生を振り返りながら、「かけがえのない人間」についての自信の信念を述べている。ネガティブな面を肯定的にとらえ、愛されることを望む「お客さん」から愛する人になることの大切さを訴える部分には心に響くものがある。かけがえのない人間であるという意識と行動の関係などは身につまされる。意識を変えるためにまず行動に移すことに気を付けていきたい。

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    2012年12月01日
  • かけがえのない人間

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    最初は著者のダライ・ラマとの対談から始まり、なんだか少し読みにくい印象がある。
    そのあとは日本の社会に対する考察、透明化している「使い捨て」の存在であるということと、自己中心的になってきているというよくある話です。
    しかし、著者の幼少期のエピソードからこの本はぐんと面白さをもってきます。
    最後の章で、この本の副題の意味(愛されるよりも愛する人になる)の意味がわかると思います。
    最後まで読むと今まで書いてあったことがつながり、また最初から読んでみたいと思わせる大変良い構成になっていると思いました。

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    2012年11月29日
  • 生きる意味

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    人の目を気にするのではなく、自分の価値観・評価軸を持って行きろ、というメッセージ。人の目を気にすると恥の文化、そうでなく、自立して自尊心を持ってプロ的に生きて行けば、法で定められたことを破らない限り罰せられない罪の文化ということ。何を求めて生きるかはとても大切なテーマ。俺には出来ているのだろうか。
    しかし、マクドナルドからグローバル資本主義のくだりはその通りと思ってしまった。
    これからは、哲学とかリベラルアーツとか、そういう領域のことを身につけないといけないと実感。知識ではなく、理念とか想いが大切なんだなあ。

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    2012年11月14日
  • かけがえのない人間

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    ネタバレ

    「かけがえのないない人間=他の人では代役にならないような人間」
    というものを大切にしていこうと言う本。この本を読んで、他者を愛する人になろうと思った。

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    2012年08月01日
  • 生きる意味

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    宗教学と文化人類学を専門とする著者が、「生きる意味」を失った現代世相を分析し、日本人が「生きる意味」を取り戻すために必要なことについて考察した本。どんなことも数値化して客観評価を行うことや、一人ひとりの個性や感情を無視してひたすら効率化に走ることが、均質化した「取り替え可能」な人間を生み出していることを指摘し、これこそが「生きる意味」を失うことの本質であると主張している。そして、この状況を打破するために、一人ひとりが自分にとっての「ワクワクすること」を見つけ、ときには「苦悩」しながら「内的成長」を遂げることで、自分自身の人生を取り戻すことを読者に促している。
    本書で提案されている内容は、現代日

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    2012年07月22日
  • ダライ・ラマとの対話

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    読み応えのある一冊。
    日本の仏教に希望を持てず、むしろ嫌悪していたわたしには、目の醒めるような内容だった。
    著者のように、ただ絶望するのではなく、真っ向から立ち向かい、行動することが、正しい生き方なのだと思う。そんな問題意識と知性を持つ日本人がいてくれたことに感動すらした。
    そして、その著者とのダライ・ラマ法王の対話がとても本質的で刺激的。熱を帯びた、充実した対話の様子が伝わってくる。
    ダライ・ラマ法王の本にありがちな、「ありがたいお言葉」を並べた文言集ではなく、生のダライ・ラマに触れることができた気がする。一歩も二歩も踏み込んだ内容。
    このような出会いがあるから、読書はやめられない。

    対談

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    2013年05月04日
  • ダライ・ラマとの対話

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     自分は、チベットの現状、特に人権状況に危惧感をもっている。そのため、ダライ・ラマに対してひいき目があるのはいなめない。

     それを割り引いても、ダライ・ラマの話は、仏教、宗教くさくなく、魅力的。

    ①ダライ・ラマ:社会不正をただすために闘うという場合には、その目的が果たされるまでその怒りは維持されるべきである。(p95)

     ダライ・ラマは怒らないといった宗教者がよくいう弱い発言はしない。チベットの人権問題で闘うダライ・ラマは怒りを持ち続けているのだろう。

    ②上田紀行:神がすべてを決定しているのではなく、自らが世界を作り出していくというのが仏教の立場であること、仏教とは発想の出発点

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    2011年10月24日
  • がんばれ仏教! お寺ルネサンスの時代

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    仏教が葬式仏教と呼ばれるようになって久しい。
    日本の「ホトケ」はほんとうに死んでしまったのだろうか。
    思えば私たちは仏教に何の期待もしなかった。
    期待がなければ志も力も育たない。
    しかし、いま志のある僧たちが、いろいろな活力ある仏教の実践を行っている。
    経理の公開、NPOの主催、イベントを通してネットワーク作りを行うなど、他者との関係性=「縁起を生きる」を求める僧たちの活動が続けられている。
    右肩上がりの時代が終焉し、現代は個人のかけがえのなさを喪失させる時代だ。
    様々な苦を抱えて生きる私たちは、仏教にいま何を期待すればいいのか、お寺が変われば私たちの社会はどう変わるのか、仏教の

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    2011年06月12日