上田紀行のレビュー一覧
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仕事以外の生き方について、参考になる部分があった。人生,人に対する少し宗教的な考え方が、面白かった。
40代ぐらいになったときから林住期(定年退職後10年くらい)をどう生きるかを考える,取り入れておくことで、人生の複線化に向けて視野が広がる。 ー 58ページ
世の中がある人のことを交換可能な存在として扱ったとしても、自分はその人に対して交換不可能な存在として接し続けます。その人が持っている固有の喜びや怒りや悲しみに寄り添います。
この姿勢を貫き続けることが、自分の人生を豊かで幸福なものにします。そして自分とかかわる周りの人の人生を豊かで幸福なものにします。 ー 212ページ -
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文化人類学者が、多くの人々が「生きる意味」を見い出せない現代日本の現状を分析し、「生きる意味」を生み出す社会を創造するための提言を行っている。
著者は、「・・・現代日本人を象徴する言葉、それは「透明な存在」という言葉である。・・・現代日本人の空しさの核心は、自分がどこまでも交換可能であるという意識からくる、「かけがえのなさの喪失」だ・・・もし私たちが自分を透明化させず、人生に自分なりのこだわりがあったり、自分の色やにおいをもっている人間ならば、社会から少々受け入れられなくても、それでも生きていける。」と言う。
個々人がダイレクトにマーケットに対峙することを求められる「グローバリズム」と、経済成 -
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仏教をベースに「人生の複線化」を説く。ここでは主に会社員の生きづらさをテーマにしているけれどもそれだけではなく、主婦も子供も老人も、すべての日本人が感じている生きづらさの原因を解き明かしてくれる。
戦後、日本社会は「個人の自由」を手にし、その価値を知った。それまであったムラ社会、地縁や血縁の抑制の強い社会から、個人の自由を追求できるようになった。それ自体は喜ばしいことであるが、同時にいざというときに支え合う社会を失ってしまう。その代わりに求めたのが「会社」というコミュニティである。高度経済成長期の日本企業は、社員を家族のように扱い、旅行や運動会などを楽しみ、定年まで暮らしを保証した。
それ -
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上田紀行が 子供の頃に感じた 純真な疑問。
そして、ある意味では 根源的な疑問を
ダライラマに直接ぶつけて、その思想に肉薄する。
対談として とてもおもしろい。
人間の生きる意味。
ダライラマはそれをどう考えるか?
を 引き出すなかで さらに 深く掘り下げていく。
白熱した 対談に おどろきながら
その平易な ダライラマの 対応に 感心した。
『生きている観音菩薩』たるゆえんであり、
日本の仏教者の 堕落と思考力のなさに嘆きながら
仏教の 復興を 高々と 掲げようとする姿勢に共感を覚える。
われわれの生きる暴力的な世界をどう救うのか?
私たちの心の闇にいかに立ち向かっていくのか?
この暴力 -
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■■評価■■
★★★☆
■■概要・所感■■
●感想
○「愛すること」と言うタイトルには当初は大層な印象を持って読み始めた。結果内容は非常に良かった。
○最後の手紙 一歩を踏み出せない人のための文章は、また読みたくなる。
伝えたいことは、繰り返し、自分の言葉で、感情に訴えるようにありありと書く。さらけ出して書くと、こうも響くのかという感じを受けた。
○愛されたいけど愛していない 人が多い。。。自分も含め。と感じる。
●愛は与えたら減るものではなく、増えるもの。お金や物質みたいに、与えた(使った)ら、減るものではない。そこがポイント。愛情はどんどん与えることが幸福につながる。
●承認欲求は -
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■■評価■■
★★★★☆
■■概要・感想■■
○愛する意味の著者と同じ方の書籍。出版年は2005年だが、扱われている問題はむしろ今のほうが深刻になっており共通である。
●「自分の幸せのみを喜ぶものの幸せは有限である。しかし他人の幸せを我がことのように喜べるものの幸せは無限である」。
○愛は与えると減るものではなく、増えていくものであるという著者の別の本にあるような考え方が大切なんだと思う。
○相対化されたあるべき姿を目指すのは、経済的に生きていくためには必要。だけれど、個人の、絶対的な価値観でのワクワクを感じることだったり、理想に向かってのギャップを埋めていく作業こそが、生きる意味につな -