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Posted by ブクログ
30歳を超えた大人だがタイトルに惹かれて購入した。
私は大学時代あまり真面目に勉強をしてこなかった学生だった。受験に失敗し浪人する覚悟もなくセンター後期で引っかかった大学に入学。本当だったらもっと偏差値の高い大学で自然豊かなキャンパスで学友と切磋琢磨する予定だったのに、入ったのは某マンモス大学。ビル街の中にあり設備が古く学生もスマホをいじりながら授業を聞く、付属校上がりの同級生は都道府県県庁所在地も言えないような奴らの集まりで非常に絶望したのをよく覚えている。
そんな中で1人孤独に勉学に励むことなど出来はせず、朱に交われば赤くなるをよろしく、勉強そっちのけで体を鍛える日々を過ごしていた。
本来なら大学でもっと学べたことがたくさんあったのではないか、溢れ出る知的好奇心を満たすことができたのではないか、この歳になって後悔することが沢山ある。ただ、受験勉強に失敗したというより、高校時代に何を目的に大学を受験するのか?という問いを無視して勉強してしまっていたことがそもそもの失敗だったような気がする。就職に有利な学部を選べ!と家族に言われ、本当なら心理学や言語学に興味があったのにもかかわからず安易に経済学部を受験してしまった。自分のモチベーションが高まらない上にストレスにめっぽう弱い人間だったことを受験期間中に初めて知った。自分を消耗して受けた試験は悉くだめ。センター試験の点数も親にいまだに弄られるくらいには酷い点数だった。(これって親からのモラハラではないか?と旦那に言われて初めて気づいたのはまた別の話)本当なら自分の好きなことを好きに勉強すればよかったのだ。家族から無責任な口出しに左右されて興味のない学部を受験した時点で私の大学受験は失敗だったのだ。この事実に気づいたのが最近で、今は高校時代の勉学に意欲的だった気持ちを思い出しつつ様々な本を読み漁っている。
本書は2020年に発行されているが私が中高生の時に出会いたかったと思える素敵な本だった。特にリベラルアーツの必要性、なぜ教養は身につけるべきなのかという問いに対する考えに納得できる。教養なんてあればあるだけいいだろと思っていたが、今一度改って考えると確かに教養がない人間でも成績優秀な人間はいる。世界のことを知らなくてもテストの点数がいい人間がこの日本を動かしている事実はある。しかし、教養とは私のようなストレスに弱い人間にこそ必要なものなのかもしれないと本書を読んで感じることができた。特に中島岳志教授の文章は必見である。
Posted by ブクログ
東工大のリベラルアーツ研究教育院の13人の先生方が「大学でなにを学ぶか」また、リベラルアーツ(教養)とは何か、という問いに答えている。
13人もの先生の話なので、一つ一つが短くて読みやすく、入学式での校長先生のお話のような感じだったが、次の4月から大学生の私にとってはとてもためになることばかりだった。
教養の重要性について熱弁している先生もいれば、読者に寄り添ってやる気を引き出してくれる先生や、自らの大学生活、さらには大学教員生活での経験をたっぷり書いている先生など同じテーマだが十人十色で、面白い本だなと感じた。
すでに2度読んだが、何度でも読み返したくなる良い本だと思った。
Posted by ブクログ
東工大で教鞭を取っている研究者たちの
若者へのメッセージ。
理系トップ大学の先生方が
リベラルアーツを勧めている。
でも、これって実は難しい。
私も大学時代は、やっと好きなことだけできる!
と思って、文学系の講義ばかり取ってたなあ。
他の分野は最低限だけ取って。
今なら、もっと幅広に学ぼうと思うのに。
でも、今の自分がそう思える人間になったのは、
大学時代に好きなことばっかりやってたからだとも思う。
生徒にも、視野を広くしろと指導するけど、
高校のうちに分からなくても良いと思っている。
いつか彼らが自分で気付く時のための種蒔きを
していると思っている。
Posted by ブクログ
今年度、本格的にリベラルアーツの授業を受け持つことで、予備知識を入れておくために講読。リベラルアーツっぽいことを講義する自信はあったものの、あくまで自己流だから、専門家・経験者のご意見を拝聴できた。
結論を先に述べると、教育する側として、既に理解している章もあれば、再発見できた章もあった。前者だと、池上彰「自ら問いを立てること」、國分功一郎「問いを発する存在になる」などは、普段の専攻教育科目でも発しているとおり。対照的に、後者の章としては、中島岳志「教養はどのような時に役立つのか」が、これまで頭の中でぼんやりと考えながら教えていた理想を、文章で具現化してくれていたうえで、非常に有益だった。20世紀の批評家・劇作家である福田恆存のメッセージ、すなわち「「99匹」のための実学、「1匹」のための教養」を事例としたのが、本章および本書の主題を明らかにするために、的を射ていた。リベラルアーツで得た「教養」というのは、「何らかの形で人生の前提が崩れた時」にこそ意味を持つものであり、大きな躓きを経験した時、「引っ掛かりのインデックス」が多いほど、危機に強い人間になる(68-69頁)。この点を、まだそれほど大きな躓きをしていない大学生に伝授できることこそ、リベラルアーツの授業に意味が出てこよう。
他方で、有用だったとは言い切れないが、いかにもリベラルでおもしろかったのが、中野民夫「僕は大学時代、何よりも旅から学んだ。」と、多久和理実「「リベラルアーツなんてやりたくない」という人へ」。これだけぶっ飛んだ大学生活を送れる余裕を、現代の大学生にも持ってもらえると、本書の役割も大きかったと言えるのではないだろうか。
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