今野敏のレビュー一覧
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今野敏「警視庁強行犯係・樋口顕シリーズ」第5作目(2017年2月単行本、2019年8月文庫本)。
国内テロ事件で指揮本部が立ち上がり、警視庁公安部と刑事部が対立するが、テロ阻止の為に協力捜査へと進み、なかなかお互いに疑心が無くならない中、徐々に信頼関係が構築されていく。
今回の捜査での主要捜査員は、捜査一課では天童隆一管理官、樋口顕殺人捜査第3係長、塩崎祐司第1係長、浅井猛特殊犯捜査第3係長(SIT)、そして樋口の部下の第3係小椋重之警部だ。田端守雄捜査一課長も登場する。公安部は外事第三課の梅田正之管理官、柳瀬泰彦警部。
柳瀬はゼロ帰りのエースと呼ばれている切れ者だ。梅田は公安と刑事は情報も共有して協力すべきだと主張するが、天童も樋口も信頼できるかどうかわからず距離を置いていた。公安と刑事の腹の探り合いの中、捜査一課の中では樋口と塩崎が容疑者の扱いで考え方が違ったりするのだが、天童と樋口の一身を掛けた単独の別捜査が全てを呑み込む。
事件は四ツ谷にあるキリスト教系の大学の近くで爆弾による車の爆発事件があり数名の死傷者が出たテロ事件。現場付近の防犯カメラの解析と目撃証人の供述でパキスタン人のシファーズが特定されたが、アリバイがあった。そしてもう一人の目撃証人牧田詠子35歳によりバングラデシュ系の日本人の加羅夢も容疑者に上がった。
そんな中、公安がマークしていた人物がいた。因幡芳治、元警察官で警察を辞めた後、海外を放浪し、国際テロ組織に関係しているという噂があった。その警察官時代の上司が天童だった。樋口より2年後輩だが退職して10年が経っていた。その因幡から天童に電話があり、指揮本部には内密に樋口と3人で会って話を聞くことになったのだ。
因幡は容疑者のシファーズもしくは加羅夢と関係しているのか。事件は次の大きなテロを予感させていた。樋口は覚悟を決めて因幡への単独の接触をして情報を得ようとする。テロリストは誰か?次のテロのターゲットはどこか?因幡は信用できるのか?樋口と因幡の車を尾行する公安の柳瀬。息詰まる攻防が危機一髪でテロを食い止める。面白かった。終盤にはだいたいの展開は読めたが、それでも面白かった。
そして今回も事件とは別に樋口の家庭の問題が起こり、相談する相手がやはり氏家譲警部補(生活安全部少年刑事課)なのだ。今回も娘の照美の問題でバックパッカーでの海外旅行計画だ。如何にやめさせるか、説得するかと頭を悩ましているのだ。結果的には照美の方が一枚上手だったという結末になるのだが、娘には弱い樋口だった。ほんわかした感じが心地良い。
樋口の人と争うことを嫌い、我慢することは気にならず、慎重に行動する、そんな自分の性格を好きではないのだが、上司にも部下にも樋口は信頼出来る優秀な刑事として高い評価と信頼を得ている。そう思われる度に自分自身の評価と他人の評価とのギャップに戸惑う。でも人権に注意し、人の話を聞く耳を持ち、警察権力や階級を笠に着ない人柄が魅力的なのだ。警視に昇級して管理官になった樋口を見てみたい。 -
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ネタバレ今野敏「警視庁強行犯係・樋口顕シリーズ」第2作目(1998年4月単行本、2007年10月文庫本)。
1作目より断然面白かった。捜査の小気味良い進行とドキドキ感と期待感、夫婦の信頼感、相性のいい捜査の相棒との信頼感、そして最後に権威権力者を出し抜く痛快なオチまで用意されている。このシリーズにもハマるかもしれない。
主人公の警視庁捜査一課強行犯係の樋口顕警部補の妻恵子が失踪した。翻訳の仕事で金曜日の午後、翻訳家の自宅に下訳の原稿を届けた後行方不明になった。誘拐の可能性があるがわからない状況だ。樋口は独自に捜査を始める。月曜日の朝には警備部長脅迫状に関する捜査本部がたつ。それまでに独自に解決すべく荻窪署生活安全課の氏家譲巡査部長に協力を依頼し、前作「リオ」の相棒コンビが事件解決に動く。
2日間のタイムリミットで優秀な刑事が頭を働かせ、足を使い、徐々に誘拐犯の特定に近づいていく。樋口の自宅は多摩プラーザ、翻訳家の自宅は初台で所轄署は代々木署、そして誘拐犯と見越したのはその交番に勤務する若き警察官安達弘だった。
恵子はその警察官のアパートにはいなかった。どこかに監禁されているはずだ。もう命の危険性もある。樋口は代々木署に状況を話して捜査の緊急配備をして貰う。
恵子はゴムマスクを付けた男に高円寺のマンションの一室に手錠を掛けられて監禁されていた。しかし優秀な刑事である夫が必ず救ってくれると信じている。犯人との会話で誘拐の理由を知り得ることになるのだが、恵子が犯人に言い放った言葉が凄い。「あなたは間違いを犯した。私の夫を敵に回してしまった」と。
樋口が身を挺して恵子を守り、氏家と代々木署の捜査員が安達を逮捕した後の恵子の言葉はただ一言「来てくれると思ってました」と。凄い信頼です。感動です。
そして恵子が安達から聞き出した誘拐の目的の中で、警備部長狙撃計画のことを聞き、樋口は2件の事件を同時に解決することになるのである。
安達犯人説に当初懐疑的だった樋口を説得したのが氏家だ。警視庁の刑事と所轄の生活安全課の警察官がこれからも相棒になるのかわからないが、きっといい関係は続いてちょくちょく出て来ればいいなと思う。 -
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色シリーズのラストを飾るのは、「黒の調査ファイル」黒崎勇治です。
今回の事の発端はワンクリック詐欺。
被害者の茂太が友人の一平と共に、詐欺グループに報復を決意するのですが、そこはやはり素人。
報復に成功したと思ったのも束の間、まんまと敵の罠にはまり絶体絶命のピンチに陥ってしまいます。
そのピンチを救ったのはもちろん黒崎。
正義のヒーロー黒崎が悪を退治して、事件を解決に導きます。
ジュール熱にアンダーソン局在と難しい話も出てきましたが、わかりやすく書かれていて面白かったですし、しっかりお勉強もさせていただきました。
今回も満足して読み終えましたが、一言だけ言わせて下さい。
黒崎もう少しだけでいいから喋ってくれ〜‼︎
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医者も看護師も事務員も
阿岐本組が関わるトコロって、出版社も学校もそうだったけど、なんでこんな格好良いんだろう?
ホンモノの先生や、ホンモノの医者が居るっていう感じがする!!いや…ホンモノなんだけど、外部圧力等で輝けない人達がいるところに、その輝きを見つけて、認めて、外部圧力を取り除いてくれるのが阿岐本オヤジ…ってことなのかね。
ほんと、オヤジはたいしたヤクザさんです✨ -
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「書房」より好き!
任侠シリーズ2作目。元々学園モノが好きなのもあるけど、1作目より更に面白いと感じました。
教員経験者なので、途中までは「日本の学校も先生もさすがにここまで酷くないと思う…」と、いかにも現代の学校が批判されてるみたいで嫌だったけど、暴力団がバックで口を出していたという小説設定で、「なら仕方ない」と納得(笑)先生方も、校長も、警備員さんも実はオカシイと思ってたんだよね、って。
次も楽しみです! -
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本当の任侠って良いよね
ヤクザとか、暴力団とかをホイホイ肯定する訳ではないけど、こういう昔ながらの「任侠」に正しく縛られている組を見ると(読むと)、こういう世界も必要なんじゃないかって思いますな。
まぁ、アキモトの親父さんがキチンとしたヤクザさんだからだね。 -
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盗みの話も良いです!
「常習犯」と言う短編を事前に読み、それが良い作品だったので他にも作品がないかと探していたところ、シリーズ化している事を知り早速読んでみました。
警察小説と言うと、どうしても「殺人」がメインですが、こちらは「盗み」がメイン。
主人公のハギさんこと萩尾警部補が、相棒の武田秋穂巡査部長とともに3件の窃盗・強盗事件の謎に挑みます。
正直、盗みがメインの話とはどんな展開になるのか興味もあったのですが、面白く、人情味もあって、心に染みる後味の良い内容で、本当にいい意味で期待を裏切られました。
ハギさんの長年の経験と勘、そして捜査三課としての誇りと意地が、捜査を解決へと導いていきます。
勿論そこには、相棒秋穂のなかなか鋭い推理も加わり、親子の様な二人の掛け合いが、作品にとって無くてはならない場面となっています。
一課の傲慢な態度にイラッとしますが、三課に軍配があがり、思わず「ヨシっ」と拳を握ってしまったりと、どんどん物語に引き込まれていきました。
捜査三課の物語、面白いです。ぜひお勧めします。
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Posted by ブクログ
いや~、面白かった~☆
タイトルにもなっている<甘糟(あまかす)>くんは、まちがいなく「警察小説史上、もっとも気弱な刑事」だ。
今野氏の<任侠シリーズ>でちょい役で出てくるあの”彼”である。
任侠シリーズでも彼はぼやいているけれど、本作ではぼやく、ぼやく。とにかく、ぼやく。
ぼやき節が止まらないし、冴えてさえいる。
そんな史上最強の”気弱”な刑事が、なんと、マル暴なのが驚きだか(→ここは本人も自覚している)、もっと驚きなのが、なんだかんだ言って、マル暴として優秀な刑事なのだ(→ここは本人にまったく自覚がない)。
暴力団構成員が殺害されたことでストーリーははじまるが、そういうものを扱いながらも物騒なきなくささはまったくない。
なんだろう、こういう書き方ができるところが今野氏のすごいところなのだろうな。
「もし、俺がグレてなくて、あんたが警察官じゃなかったら、いっしょに飲みに行ったりできたかな」
やられたぜ~い。
こんなことを言われたら、もうどうしたらいいんだろう。
とにかく甘糟くんのぼやきをはじめ、上司の郡原やヤクザ側の人物たちとの会話が絶妙で、ときに「え!」を声をあげ、ときにくすっと笑いながら、気づいたら甘糟君のファンになっていた。
これ、シリーズものとして続編に『マル暴総監』があるようだ。
こっちも読んでみよう。
===データベース=======
甘糟達夫は「俺のこと、なめないでよね」が口ぐせのマル暴刑事だ。
ある夜、多嘉原連合の構成員が撲殺されたという知らせが入る。
コワモテの先輩・郡原虎蔵と捜査に加わる甘糟だが、いきなり組事務所に連行されて―!?
警察小説史上、もっとも気弱な刑事の活躍に笑って泣ける“マル暴”シリーズ第一弾 -
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「同期」シリーズ最終作(多分)。
今回もボン(宇田川)と蘇我の2人が同期の大石を救い出すストーリーが主軸となって、SITに組対に麻取と組織入り乱れての犯罪捜査が展開します。
お馴染み植松&土岐のおじさん同期コンビに、今回登場のベテラン荒川と若手の日野。
更に、安積班シリーズの相楽、他にも魅力的で一癖ある登場人物達がボンの周りに集まってきて、物語は面白さを増していきます。
いつものことながら、ラストはスリリングで迫力ありますよ!
このシリーズ、本当にこれで終わりなのでしょうか。
ぜひ、5年後、10年後のボン達のストーリーを期待しています。
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「同期」シリーズ2作目。
宇田川、蘇我に続き3人目のが同期である大石陽子が登場します。
前作は、宇田川が蘇我をピンチから救いましたが、今回は宇田川と蘇我が大石をピンチから救い出す展開に。
前作も登場した植松、土岐に加え、今回は佐倉と新谷と言う2人の刑事が新たに加わり、事件解決に奔走します。
今作も公安の壁にぶつかりながら、熱い信念の元、突っ走る宇田川。
物語は前作同様、中盤からテンポアップして、迫力あるラストへとたたみかけていきます。
今回も面白く読ませていただきました。
次作がシリーズ最後の様です。早速、読みたいと思います。 -
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捜査一課の若き刑事、宇田川の成長物語一作目です。
自分が捜査に関わる殺人事件と、「同期」の蘇我の処遇を巡る謎が一つに繋がった時、事件が解決へと動き出します。
信頼できる上司や先輩達に見守られながら、熱い気持ちで事件の真相解明に突き進む宇田川。
青春と呼べるほど若くはないですが、ちょっとだけ青臭くて爽やかな気分になれる物語です。
ちなみに、事件の背景は結構大きくて、逮捕劇はテンポも良く、迫力があります。
どうぞお楽しみに‼︎