今野敏のレビュー一覧
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これぞ私の中の大好きな今野さんといったお話。朱夏と一緒に店頭購入。
以降ネタバレ注意。
樋口さんがなかなか出てこないなぁと思いつつ、銀行の不正や人が人を利用する嫌な話から始まって、ちょっとしんどくなるかもと最初は思ってしまった。
で、樋口さん登場~で、こんなにわくわくするのはとうとう竜崎さんに続き樋口さんも好きになった証拠か。
話のほうは、もうこの親子はどうなってしまうのかとハラハラさせつつ、樋口さんも木原課長もとんでもなく良い男ぶりを発揮してくれました。
島崎が息子の尾行中にいろいろと気づき始めるあたりからじんわり涙が滲みながら読み進め、最後は一気読みでした。
ほんとに良かった。と思えるお -
購入済み
このシリーズは今野さんの作品の中でも特に秀でて面白い。
東大出のエリート警察官が、息子の違法薬物使用で降格し、出世の道を絶たれたが、持ち前の『私利私欲ではなく国家の為に働くのが警察の役目』ぶれない太い一本の芯が周りの同僚や関係者の心を動かしていく。まだシリーズ途中だが、作者は主人公の竜崎をただの大森署の署長留まりにしておくはずがない。彼に関わる全ての人間から尊敬の念を抱かせる竜崎の警察官としての器は、本人が意図せずとも周りが最高峰に押し上げて行く筈だ。 -
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ネタバレ最終巻。剛が武道家としてどのような道を進むのか……よりも、個人的には緋田と蜂須賀のやりとりが、この孤拳伝シリーズの骨子ではないかと思いました。
現代という平和な世の中における武道の存在意義。「孤拳伝」の中で、いつの頃からか問われ始めたその課題。
剛はその出生からか、殺伐とした修羅道をかいくぐる手段としか解釈できないのに対し、より大人である蜂須賀は、おそらく劉英徳や屋良照順の言いたいことを理解しているように思います。
前巻まで崇高な武道家だった緋田が道を外しかけた時、頑なに反対し、現代における武道が取るべき道ーー「試合に勝つ空手」ではなく、武道としての本質を追求することーーと、その理念に根 -
購入済み
一気読みしちゃう〜
面白いとは知っていたけど、手を出さなかった今野敏氏。疲れてしまって、本が読みたくなったので、つい一冊買ったら面白い、止まらない!
竜崎さんがとても魅力的で、シリーズ一気読みです。 -
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ネタバレ今回も三巻と同様、蜂須賀の「覚醒」ぶりにシビれまくり。以前はまさに修羅や鬼のような男だったのに、今や菩薩のような印象すら受けます。
対する剛は過去の蜂須賀そのもので、二人が相対する場面では、気づけば人間としても武道家としても成長した蜂須賀の方に肩入れして読んでいました。
その理由はおそらく、天才肌の剛よりもより苦悩し、悩んでいるように見えた蜂須賀の方に同情や共感したからなのかと思います。
ただ、剛の方も蜂須賀に敗れ、ようやく「本当の強さ」に気づき始めるので、最終巻に剛がどのように変化・進化するのかを楽しみに待ちたいと思います。 -
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ネタバレ二巻では剛以外にも蜂須賀、冥道といった武道家が登場し、そして全員が武道に「力」のみを求めている姿が描かれていました。この三巻では、彼らが武道に「力」だけでない何かを見出す様が描かれているように感じました。
特に蜂須賀の変貌ぶりが目覚ましく、主人公である剛の話よりも興味深く感じました。仕合に勝利したはずの相手、緋田に敗北感を感じて弟子入り。単なる力ではない、もっと別の強さに感嘆して考え方を改めるという、むしろこちらの方が漫画などの主人公にありそうなエピソード。
その後の修行シーンや試合の場面での彼の姿は、二巻では絶対に使わなかったあろう「清々しい」という形容詞を用いずにはいられないもの。今後 -
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面白くて一気読み。
初期はビミョーだけど その後のこのシリーズは怖いくらい安定している。たいていのシリーズものは初期から中期が1番面白くて それはそんなに長く続かないものだけど 持続してるよねぇ。まぁ 伝説もののほかの2冊はまだ読んでないケド 笑。
今ふと気がついたけど 5人の中で役割的に捜査員に近いのが 青山くんと山吹さんでしょ?翠さんは別格で好きだけど わたしが面白いなと感じる時は 青山くんと山吹さんが活躍する時が多いように思う。ということは 鑑識とかの科学的アプローチより 刑事がする捜査側からのアプローチの方が面白く感じてるってことだよね?
つまり 心理的なものに1番キョーミが惹かれ -
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めちゃめちゃ面白くて一気に読んだ。
S Tのメンバーは出てこないけど 今まで読んだS Tシリーズの中でこれが1番面白かった。正確には これはS Tシリーズじゃないかもしれないけど。
もともとS Tを読んでて 菊川刑事が1番好きだったし。
滝下刑事 三枝刑事とのやりとりや捜査 検事との対立 そして殺人事件の真相 すべて面白かった。
自分の意見に固執する検事には本当イラっとしたし こわいと思った。その検事にある時はオトナの対応 ある時はハラをくくった対応。カッコいいし 真っ当。この辺りの対応はフツーの会社組織でも十分役に立ちそう。
見習わねば 笑。