今野敏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ隠蔽捜査シリーズの短編集第二弾。
今回は、いろいろなサブキャラの視点で語られる7つの物語。
竜崎署長は電話にでる、署長室にいるの2つで現場には今回出てきません。
ある意味、日常を切り取った短編ともいえます。
戸高の検挙率、検挙数を挙げる方法がなかなかに皮肉が効いていて良かったです。
野間崎管理官がなんやかんやで竜崎をフォローする方向になっていたのが、冷静に考えれば、原理原則で動く竜崎は間違っていないと自分自身に言い聞かせているようで、ちょいとニヤッとしてしまいます。
大なり小なり、皆、竜崎の影響を受けているわけで。
次に続く長編を読むのがまた楽しみになりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『隠蔽捜査』シリーズ長編第10作。竜崎が神奈川県警刑事部長に着任してから3作目だが、日米地位協定が絡んだ前作とは違う意味で、厄介そうな案件か?
小田原市在住の人気作家・北上輝記が、自宅付近で誘拐された。実在の作家なら村上春樹のようなポジションだろうか? 捜査陣は色めき立つが、読書などまったく嗜まない竜崎は、北上輝記を知らないようである…。
現場が混迷する中、北上輝記の同業者である梅林賢が小田原署を訪ねてきて、捜査協力を申し出る。彼は北上輝記の家族を通じて誘拐を把握していた。確固たる信念と柔軟性を兼ね備えた竜崎だけに、追い返さずに話を聞くことにする。
現実に誘拐事件となると、警察は報道機関と協定を結ぶ。本作でも、協定を結ぶはずだったが…犯人からの前代未聞の要求により、協定は中止された。一応、どんな要求かは伏せておくが、鋭い読者なら真相に感づくかもしれない。
同時に、警視庁管内では殺人事件が発生していた。竜崎の異動後も、毎回警視庁の伊丹刑事部長が登場するのがお約束だが、警視庁の案件が誘拐事件と何らかの関連があるのだろうと容易に予想される。「何らか」の内容は予想外だったが…。
正直、事件そのものより、梅林賢が語る作家論の方が興味深い。北上輝記は純文学領域の作家で、梅林賢は娯楽領域の作家だそうだが、彼曰く、娯楽小説の地位向上のために戦ってきたし、領域が異なる北上輝記と交流はないという。
今野敏さんご自身、娯楽領域の作家であり、最前線で戦ってきた。梅林賢の言葉は、作家・今野敏の自負でもある。少々ご都合主義だろうと、面白い作品を。今野敏さんのライフワークたるこのシリーズには、サービス精神が溢れている。
警察官と作家が、それぞれの力量を認め合って化学反応を起こし、不可解な誘拐事件の裏を炙り出した。梅林賢ファンだという伊丹のミーハーぶりに苦笑するが、この結末、神奈川県警佐藤本部長の心中やいかに…。 -
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【あらすじ】
人気作家の北上が誘拐された。
しかし。犯人からの要求はなく、竜崎たちは事件を公にせず、捜査を始める。
その矢先、北上と同業者である梅林が署を訪ねて来て、捜査への協力を申し出る。
やがて、誘拐事件のことが何者かによってSNSにて発信され、実行犯と見られる男の身元も判明するが、誘拐の動機が一向に見えず、竜崎たちは頭を悩ませる ———。
【感想】
今回は竜崎の地位を脅かそうとする者の登場がなく、いつもより気楽な感覚で読めましたし、事件のからくりも割と早い段階で察することが出来ました。
そういう部分では少し物足りなさを感じたのですが、竜崎をはじめとする登場人物たちの人間性がこれまで以上に描かれていて、興味深く読み進めました。
作家の世界を描いている部分には今野先生の実体験や普段感じられていることが織り込まれているのではないでしょうか?その部分も興味深く、いつもとは違った空気感の〈隠蔽捜査〉を堪能出来ました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ刑事部長の竜崎のもとに舞い込んできたのは、有名作家の誘拐事件。だが犯人からの要求はない。刻一刻と時間が過ぎる中、SNS上で誘拐事件のことが拡散された。ようやく現れた犯人からの要求は、マスコミに事件のことを公表せよというものだった。
やがて誘拐されていた北上は無事保護され、被疑者も逮捕された。だが被疑者は闇バイトに応募して誘拐をしただけで、黒幕の素性はわからないままだった。そんな中竜崎は、北上の同業者であるミステリ作家の梅林に意見を求める。それにより竜崎は、北上の誘拐は何かしらの陽動なのではないかと推理する。時を同じくして、東京都内で殺人事件が発生する。被害者はその昔作家活動をしており、北上との間で対立があったことが判明した。そこで竜崎は、誘拐は北上本人が企んだことで、誘拐されたことで殺人事件のアリバイをつくろうと画策したことを見破る。
原理原則を重んじ、ときに柔軟な発想で快刀乱麻を断つ竜崎の活躍が痛快なシリーズ。本作では、作家が抱える複雑な感情や矜持なども深く描かれていることで物語に厚みが生まれている。さらにこのシリーズは、事件と並行して家族の問題も解決していく点が面白い。
好きな作家に会えることになってはしゃぐ伊丹がかわいい。 -
Posted by ブクログ
神奈川県警といえば、やはり横須賀基地は通らねばならないですよね、ということで、
沖縄のニュースではたびたび目にしている、日米地位協定。
原理原則の男、竜崎伸也がここにどう切り込んでいくのがしっかりと書き込まれていて、やはり面白さは間違いない。
だいたい警察ものは、組織の理論だけで動くとか、国家の陰謀に加担してるとか、明らかな悪が出てくるのが定番ですが、隠蔽捜査シリーズには、
なんかグレーなんだよなと思いつつ、完全なる悪は出てこないのが絶妙で良い。
米海軍犯罪捜査局からの捜査官が少し凡才に描かれてるのが惜しい気もするが、やはり面白い。
竜崎伸也、そばにはいて欲しくないが、やはり最高。