今野敏のレビュー一覧
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『隠蔽捜査』シリーズ第13弾。
人気作家・北上輝記が小田原の自宅近辺で誘拐された。犯人からの要求もなく、時間だけがすぎていく…そんな中、北上の友人、ミステリ作家・梅林賢が捜査への協力を申し出てくる。神奈川県警刑事部長・竜崎は、梅林の知見を尊重し、助言を聞くことに…
一方、家庭では邦彦が留学先のポーランドから帰国し、東大を中退したいと…
人気作家・北上輝記を誘拐しながら、犯人からの要求がない…
何が実態のない事件のような…
たがらなのか、ふわふわとした感じで話が進んでいく。緊迫感が伝わってこない…
竜崎にも何か緊迫感を感じない…
いつもの『隠蔽捜査』っぽくない…
なんとなく、途中から見えてくる結末。
竜崎は小説を読まない。
だから、北上輝記も梅林賢も知らない。
驚きといえば驚きだが、納得でもある。
なんとなく竜崎が小説を読まなかった理由がわかるような気がする。小説を読んでも知識の積み上げにはならないからか…
原理原則にこだわる竜崎からすれば、小説を読むなら、ノンフィクションを、ということか。
竜崎は作家・梅林賢までも手なづけてしまったようだ。
『隠蔽捜査』シリーズは、まだまだ続くようだ。
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Posted by ブクログ
初刊から愛読しているこのシリーズの魅力は、何と言っても、竜崎の「原理原則」を貫いて生きる姿にある。特に初期の作品は何度も読み返しており、実生活で判断に迷ったときには、必ずこの言葉に立ち返るほど、私にとって大切な教訓となっている。
通算13作目となる本作も、抜群のテンポの良さで一気に読み終えた。ストーリーの結末はある程度見えていたものの、今回新鮮に感じたのは、竜崎の発言や行動に、これまでにない柔軟さや人間味が垣間見えたことだ。
彼の「原理原則」は、決して形骸化したルールではない。時代や状況の変化に応じて、しなやかに進化していると感じた。ブレない芯を持ちつつ、柔軟さを身につけた竜崎が、これからどのようなドラマを見せてくれるのか。今から次作が楽しみでならない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレミステリーを期待して読むと大失敗!
捜査という単語はあるものの
がっつり人間ドラマが主軸。
序盤は主人公の竜崎が好きになれず
なかなかページをめくる手が進まなかった。
考え方が嫌いとういわけではないけど
しつこいというか何というか…
ストーリーも遅々として進まない;
会話、移動、会話、移動…
どの小説もこの繰り返しだとは思うけど
より強く感じた。
犯人は現職の警察官。
しかも連続殺人。
これだけのテーマなのに、
犯人だった警察官の人間性は全く描かない。
少年犯罪の量刑の軽さ、遺族の無念さ、
そういったものも描かず、
徹底して官僚の人間ドラマに終始する。
この一点は良くも悪くも…かな?
良かったのは、竜崎の奥さん。
妻の冴子が潔い!
作中で唯一好きになれたキャラクター。
夫を変人と言いつつ、馬鹿にしない。
家族のために終始する。
じゃあ昔ながらの奉仕系主婦かと思いきや
そんな様子もない。
主婦をなめないでね
なんて台詞も冴子だから良い!
この後に続く
さっぱりした妻の性格に、
これまで何度も救われたことがある。
という独白はこの本自体に通じる気がする。
竜崎の左遷だって
あら、署長? 昔に戻ったみたいね
っていう冴子な台詞で
考えようによっては良いかも…
なんて、竜崎がポジ変換されていく。
すっきりハッピーエンドといえば
ハッピーエンドなのかな?という感じ。
竜崎は左遷されちゃうけど、
これから、おもしろくなりそうじゃないか。
という一文で終わるのは良かった。
この一文になったのは冴子の影響が大きい気がする。 -
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アンソロジー作品『戸惑いの捜査線 警察小説アンソロジー』を読みました。
警察小説ばかりを収録したアンソロジー作品です。
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今を時めく警察小説の書き手が紡ぐ、傑作短篇集第2弾!
入れ墨の男とのトラブルが呼ぶ悲劇、若き警官が追う連続窃盗犯、動機のつかめない放火魔、30年前に解決したはずの事件に自首してきた男、突然駐在所勤務を希望した警官の真意、若き警視が挑む滅多刺し死体遺棄事件、スパイ容疑のかかったロシア人武官の追跡。人気作家7名が、それぞれに趣向を凝らした珠玉の警察ミステリー。
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2024年(令和6年)に刊行された作品です。
■弁解すれば 佐々木譲
■青い背広で 乃南アサ
■刑事ヤギノメ 松嶋智左
■三十年目の自首 大山誠一郎
■噛みついた沼 長岡弘樹
■ルームシェア警視の事件簿 櫛木理宇
■ケースオフィサー 今野敏
作家7名がそれぞれに趣向を凝らした珠玉の警察小説短編のアンソロジーです……人気シリーズのスピンオフから、最新書下ろし新作まで、警察小説の面白さがギュギュっと1冊に詰まっております、、、
療養明けの刑事、新人警官、公安警察……それぞれの警察官たちが、戸惑いながらも事件解決へと奔走していく姿は必見です。
バリエーション豊かな警察小説が収録されており飽きずに読めました……そんな中で特に印象的だったのは、
急性膵炎で長期入院していた巡査部長・弓木瞳が凶悪犯担当の刑事課一係に復職……一見弱々しい風貌の瞳だが、実は優れた観察眼から「ヤギノメ」という異名をもって市民の生活を脅かす連続放火を解決に導く松嶋智左の刑事ヤギノメ・シリーズの『刑事ヤギノメ』、
既に時効となっている30年前の殺人事件の犯人が自首……しかし、彼には当時鉄壁のアリバイがあった! 犯人が自首しようとした理由の意外性が愉しめる大山誠一郎の赤い博物館シリーズの『三十年目の自首』、
留置場管理課の巡査長である夫・雄吾が、山間部の滝場駐在所へ異動……夫は閑静な土地での生活にすぐ馴染み、休日は沼でボートに乗り釣りをして過ごしていたが、ある日、ボートから沼に落ちて溺死しそうになる! ベテラン交番相談員・百目鬼巴(どうめき ともえ)が関わる、異色の設定とカミツキガメの活躍?が印象的な長岡弘樹の百目鬼シリーズの『噛みついた沼』、
の3篇ですね……大山誠一郎の赤い博物館シリーズ以外は未読なので、他のシリーズ作品を読んでみたいですね。 -
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ネタバレ幕末の幕臣、永井尚志を描いた歴史小説。
歴史ドラマや小説では幕府側のキーパーソンでありながら脇役扱いの永井を主人公とし、同世代の岩瀬忠震、堀利煕の友情と奮闘を描いてくれてうれしい。
ただ、ラストが自分は乗れなかった咸臨丸の米国への出発で終わっていたのは中途半端感がありました。
このあと3人を襲う悲劇やその後の永井の活躍、明治後の活動まで見たかったです。
著者の歴史ものでは前作の「天を測る」でも幕末の測量技師の小野友五郎を主人公にしていたのはうれしかったですが、明治になったところで終わっていて中途半端感がありました。
会話や心情が、著者の刑事小説の登場人物のような感じの手法なので、読みやすく、物語に入り込みやすいので、面白いところで終わらせた方が良いのはわかるのですが、歴史小説としてはめったに取り上げられない主人公の最後まで描いてほしかったです。 -
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もう何作目か分からない、安積班シリーズ最新作。
今回は短編集。
部下の髪形を問題視する上司がいれば、部下のコミュ障を心配する上司に部下のために闘う上司もいる。
部下との関係性を構築するのが難しい時代になったのは警察も同じようだ。
また学校でのモンスターペアレント問題にまで強行犯が駆りだされるのも時代だなと感じる。
安積班シリーズの短編集の魅力としては、何といってもその関係性。
上司や先輩は部下や後輩を信じ、部下や後輩は上司や先輩の信頼に応えるために頑張る。
何かあれば気にかけてくれる人がいて、自分のために盾になってくれる人がいる。
皆が真剣で信頼し合っているからこそ、時にぶつかり合うことも出来るしその後もきちんと折り合える。
仕事そのものは過酷だし、働き方改革なんてなんのそのという環境ではあるけれど、こういう環境だからこそ頑張っていけるのだろうなと思える。
相楽がどんどん良い人になっていて、嬉しいような淋しいような。
一方で桜井君がどんどん頼もしくなっているし、彼を安心して見守っている村雨がお父さんみたいで良い。
退官前の大先輩に対しても試合では容赦ない黒木も彼らしくて良い。
そして速水は相変わらずの署内パトロール。彼の痛快さはいつも楽しい。
須田の独特の視点も事件を導いているし、水野もしっかり人を観ている。
謙虚な安積も皆に信頼されていて、何かと頼られて署内の揉め事収拾や取説読む読まない捜査までやっているのが面白い。