安部龍太郎のレビュー一覧
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ネタバレ語り手の朝河貫一という人物は知らない。
歴史小説を読むたびに自分の不勉強を呪う。
戊辰戦争を生き延びた元二本松藩士の息子である貫一氏は、後にイェール大学の教授になる人物である。
戊辰戦争だけでなく明治維新を語るときに、薩長側からの視点なのか、旧幕府側からの視点で語られるのかで、全く逆の物語になる。
新政府軍の手段を選ばない姿勢が、満州事変や上海事変を起こし、そこには義がないと見る歴史学者の貫一。
手段を選ばず、勝てば何をしてもかまわない、と言う考え方は、現在における大国の覇権主義とかわらず、唾棄すべき思想であるが、その正義を声に出さない日本がある。
と、現状のわが国を憂うような内容である。
フ -
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ネタバレ長谷川等伯という安土桃山時代から江戸初期に活躍した画家の伝記小説。上下2冊の長編小説ですが、一気に読み進むことが出来ました。
恥ずかしながら私は、この本を読むまで長谷川等伯を知りませんでした。同時代活躍した狩野永徳は知っていましたが。こういう本を読んで、今まで自分の知らなかった有名人を知るのは楽しいですね。
さて、この本の終盤の山場に出てくる「松林図屏風」ですが、東京国立博物館の新春特別公開で、実物を見ることが出来ました。感激です!!
椅子に座って暫く「松林図屏風」を観てみました。しかし、その屏風から光と陰は感じることは出来ましたが、残念ながら私には、風までは感じることが出来ませんでした -
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当時世界情勢の中の日本の状況と国内世論で戦争反対を叫ぶことは相当困難だったと想像する。
唯一と言って良いマスメディアが戦争を煽っていた中、一般市民に戦争を避ける判断はできるはずがないと思われる。
そこで重要なのは学者、政治家、軍人といった当時のエリートが国際関係を正しく判断して戦争を避けつつ国益を損なわない舵取りをすべきだったがそれに失敗したのが破滅に至った原因。
本書で触れられている南京虐殺のくだりは知れて良かった。敵は便衣兵であることの恐怖は計り知れない。一般人であろうがやらなければやられる恐怖、女子供でも密告されて後で標的になるかも知れない恐怖、自分が軍に入れば同じことをやらざるを得な -
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いい本を読んだ。
読後、何かに打ちのめされたかのようにしばらく放心状態になった。こんなにも迫力を感じることは久しい。
著者の安部龍太郎はこの本で第147回直木賞を受賞。
筆力が凄いと思う。
長谷川等伯、安土桃山時代から江戸時代にかけて活躍した絵師。
33歳で絵師を目指し能登から上洛し、苦難の道を経て、狩野派と肩を並べるほどの絵師になる。
小説のクライマックス、日本水墨画の最高傑作「松林図」を身命を賭して描く場面が圧巻。
この時代、歴史は激動の時。絵師も多かれ少なかれときの人により歴史の影響を受ける。
故郷、七尾の家が七人衆の手のものに襲われ、養父母が自決に追い込まれる。上洛する途上、比叡 -
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鎌倉時代末期の津軽「安藤氏の乱」を描いた作品。中盤までは津軽・陸奥における各勢力図や経済体系が丁寧に描かれる。中盤から終盤にかけては室町期に向けた倒幕の動きが重なり、時代が動いていく。
面白いけど冗長的というのが正直な感想。どのエピソードも面白く、盛り込みたい気持ちは分かるが、枝葉のエピソードの長さのせいで本筋がぶれてしまうのを度々感じた。例えば、イタクニップとの戦い。彼を追い込むが逃げられてしまうところで、急に熊との戦いが始まる。この経験がイアンパヌとの絆や季兼の覚悟に繋がるので必要性は理解するも次の展開を早くという気持ちが先行してしまう。都のシーンもしかり。最終盤でどんどん新しい人物が