安部龍太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2007/3/4購入。買い逃していた
2010/2/14~2/16
この信長燃ゆは、安部氏の三部作「関ヶ原連判状」、「神々に告ぐ」の最終作。信長という希代の傑物を相手に守旧派である近衛前久がどのように皇室や既得権益を守ったか、が描かれる。
何故、信長の野望は本能寺で光秀の謀反によりついえたのか?数々の作品がこのテーマを扱ってきたが、安部氏流の解釈に基づく作品が本作。物語は本能寺の変の35年後、信長に小姓として仕えていたたわけの清麿が本能寺の変について記録を残して欲しいと依頼されるところから始まる。史実をもとに想像の翼をはためかせて、安部氏の想像は、これこそが歴史の真実と思わせるところまで昇 -
Posted by ブクログ
新規購入ではなく、積読状態のもの。
2010/7/26~7/29
宇喜多秀家の新参衆として関ヶ原の戦いに挑む政重。戦の後は、秀家の助命、豊臣家の再興を願って、己を捨てて奔走する。義に生きる男の生き様は素晴らしい。タイトルは父・正信の書き付けの裏表紙にある「花ありて熱き時代は過ぎにけり ただゆくりなく生きて候」による。
本多といえば正信、正純親子が有名だが、こんな次男が居たとは。金沢には、本作で登場する大槍、敦盛のモデルとなった槍が「藩老本多蔵品館」にあるという。金沢を訪れるチャンスがあれば是非、行ってみたい。
しかし、最後の竹蔵のその後にはびっくりした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ長谷川等伯という安土桃山時代から江戸初期に活躍した画家の伝記小説。上下2冊の長編小説ですが、一気に読み進むことが出来ました。
恥ずかしながら私は、この本を読むまで長谷川等伯を知りませんでした。同時代活躍した狩野永徳は知っていましたが。こういう本を読んで、今まで自分の知らなかった有名人を知るのは楽しいですね。
さて、この本の終盤の山場に出てくる「松林図屏風」ですが、東京国立博物館の新春特別公開で、実物を見ることが出来ました。感激です!!
椅子に座って暫く「松林図屏風」を観てみました。しかし、その屏風から光と陰は感じることは出来ましたが、残念ながら私には、風までは感じることが出来ませんでした -
Posted by ブクログ
当時世界情勢の中の日本の状況と国内世論で戦争反対を叫ぶことは相当困難だったと想像する。
唯一と言って良いマスメディアが戦争を煽っていた中、一般市民に戦争を避ける判断はできるはずがないと思われる。
そこで重要なのは学者、政治家、軍人といった当時のエリートが国際関係を正しく判断して戦争を避けつつ国益を損なわない舵取りをすべきだったがそれに失敗したのが破滅に至った原因。
本書で触れられている南京虐殺のくだりは知れて良かった。敵は便衣兵であることの恐怖は計り知れない。一般人であろうがやらなければやられる恐怖、女子供でも密告されて後で標的になるかも知れない恐怖、自分が軍に入れば同じことをやらざるを得な