安部龍太郎のレビュー一覧

  • ふりさけ見れば 下
    阿倍仲麻呂がこんなにも玄宗皇帝の下で重要な位置にあったとは知らなかったので、勉強になるとともに、帰るに帰れなかった事情を思うと同情する。だが日本人で科挙に受かって出世していくその才能と運は凄い!
    この小説はその上仲麻呂スパイ説を取っていて、日本の記載されている歴史書を探すというミッションとその内容も...続きを読む
  • 関ケ原連判状 下巻
    2024.01.29
    昼休みに読み継いでようやく完結。この本そのものより、これを読んでいた時に自分が置かれていた状況にこそ特筆すべきものがある。
  • ふりさけ見れば 上
    玄宗皇帝の時代、楊貴妃や安禄山を中心に据えた物語は多いが、遣唐使阿倍仲麻呂や吉備真備の視点で書かれる事で激動の唐の時代を少し斜めから眺めたような冷静な語り口になっている。そして妻や子への強い感情が迸る場面は、大衆小説の感がある。
    また日本国の成り立ちに関する情報を得るという使命のため日本に帰れず苦悩...続きを読む
  • ふりさけ見れば 上
    奈良時代中期、聖武天皇の時代。阿倍仲麻呂に吉備真備、名前しか知らなかったが、奈良の都に唐の長安の宮廷で繰り広げられる大活劇!と云ってもアクションじゃないけどね。ムチャクチャ厚い本だし、文章も読み応えあるが、どんどん引き込まれていく。そうか、玉環って楊貴妃のことなのね。いやあ、陰謀渦巻くわ
  • ふりさけ見れば 下
    阿倍仲麻呂という人物について、百人一首ぐらいしか知らなかったが、唐にてここまでの地位に登り詰めたからには、凡人にはおよそ想像のつかない苦難を乗り越えてのことだったと思う。
    その意味で、本書のようなストーリーは説得力があり、感情移入することが出来た。奈良時代にも興味が湧いてきた。
  • ふりさけ見れば 上
    奈良時代について、予備知識はあまりないが、当時の日本の立ち位置を考えると、なるほどと思えるストーリー。戦国モノや幕末モノとは一味違う面白さがある。
  • 維新の肖像
    朝河貫一の作中作。明治維新から繋がる第二次世界大戦の日本の暗部を炙り出す。伊藤博文亡き後の日露戦争以後の日本の迷走から日中戦争へと軍部の暴走と国民の無関心に対して切り込んでいる点が素晴らしい。現代まで生き残る長州閥の暴走を改めて思い起こさせた。
  • 対決!日本史3  維新から日清戦争篇
    歴史の学び直し中ではありますが、特に今回の「維新から日清戦争」の流れなどを把握できていないというか知らないくらいだったので読んでいてとても勉強になりました。ふたりの知識と見識の深さに驚かされるばかりです。
    あとがきで佐藤さんが述べられていましたが、安部さんの吉田松陰観には「そういう見方、捉え方もある...続きを読む
  • 信長はなぜ葬られたのか 世界史の中の本能寺の変
    戦国時代の作品を多数書いている著者の歴史ものエッセイ。信長がなぜ本能寺の変で殺されたのか、背後にどのような真相が隠されているのか、という点を様々な資料を基に論じていく。キリシタン大名が暗躍していた等既存の歴史観では語られていなかった話が多く紹介され、非常に興味深かった。
  • ふりさけ見れば 下
    阿倍仲麻呂の人生を縦軸に、日中の歴史を横軸に、スケールの大きな歴史小説となっている。また、阿倍仲麻呂の歴史背景として、唐の玄宗皇帝巡る数々の事件が描かれるのではなく、まさに歴史の当事者・主人公の1人として、描かれている。
    何故阿倍仲麻呂は日本に帰らなかったのか?日本の起源にかかる謎も提議される。歴史...続きを読む
  • ふりさけ見れば 上
    『血の日本史』以来かな? 安倍龍太郎。(全然読んでないやん!)
    歴史で習った人物や漢文で習った漢詩がゾロゾロ。読み進めながら頭に浮かぶ映像は、なぜか『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』。
    さてさて仲麻呂の運命や如何に。下巻が楽しみです。
  • 徳川家康の大坂城包囲網 関ケ原合戦から大坂の陣までの十五年
    後世からは徳川家康は関ヶ原の合戦に勝利して天下人になったと見られるが、関ヶ原を戦った東軍の主力は福島正則や黒田長政ら豊臣系大名であった。豊臣秀頼は依然として西国大名らの君主であり、二重公儀体制であった。大坂の陣に至るまでに家康は着実に大阪城の包囲を進めていた。NHK大河ドラマ『どうする家康』予習にな...続きを読む
  • ふりさけ見れば 上
    「ふりさけ見れば(上)」(安部龍太郎)を読んだ。

    阿倍仲麻呂、吉備真備、玄宗皇帝、楊貴妃、安禄山、etc……。
    (名前は聞いたことあるけどあまり詳しいことは知らない人達)
    《物事を知らなすぎるにも程があるだろ!》って、自分でも思います。

    史実がどうなっているのかはわかりませんが、骨太の歴史小説で...続きを読む
  • ふりさけ見れば 下
    『ふりさけ見れば』 安部 龍太郎 著

     阿倍仲麻呂とその生涯の友である吉備真備を軸に、中国側からは、玄宗皇帝・楊貴妃・安禄山・鑑真・王維・李白、日本側からは、天智~称徳天皇・藤原不比等・藤原仲麻呂と、「VIVANT」並みの豪華キャストで展開。

     白村江の戦いで日本が唐・新羅軍に敗れ、日本が唐に冊...続きを読む
  • 対決! 日本史 戦国から鎖国篇
    歴史の学び直しの一環として読んだけれど単純に面白かった。何故かこのシリーズを最新の4巻目から読んでしまったけど、この第1巻の方が最後まで学ぶだけでなく楽しく読むことができた。
    作中で安部さん、佐藤さんが語られているように「日本史」「世界史」として分けるのではなく、ひとつの繋がりのある「歴史」として学...続きを読む
  • 生きて候 下
    ここまで真っ直ぐな気性かつ強い忠誠心を持つ武士なのにあまり有名でない以上は、きっと途中で無念の死を遂げるに違いないと思っていましたが、タイトルに相応しく最後まで平和を目指して生き続けたようですね。
    少し長過ぎるきらいはあり、また本多、前田、島津などの姓を持つ人の識別が混乱しがちだったものの、とても面...続きを読む
  • 五峰の鷹
    主人公の三島清十郎は西日本各地と明国を股にかけた貿易で政治力を発揮していく。鉄砲伝来直後、天下統一に向けて各地の武将が鎬を削る時代。火縄銃そのものの製造は勿論のこと、兵器として運用するために重要な鉛や硝石をどのようにして得るか、商品を買い付けをする銀をどう抑えるかなど、貿易の描写に力点が置かれている...続きを読む
  • 平城京
    現在、日経で連載中の「ふりさけ見れば」ともリンクする話。「ふりさけ見れば」に出てくる安倍仲麻呂や吉備真備が少年のころ、平城京を作るために、その反対勢力と戦う主人公・安倍船人(安倍仲麻呂の叔父)の物語。ミステリーの要素もありながら、当時の生活の様子や難波津の様子が描かれており当時にタイムスリップしたよ...続きを読む
  • 迷宮の月(新潮文庫)
    日本という国家が段々と形作られていく、その過程において「天皇」というブランドが何を意味するか
    朝廷はなぜ中華システムの一端に組み込まれることを拒絶し、あくまで独立した1つの民族として中国と対等に接しようとするのか
    そして天皇と皇帝、日本と中国の板挟みになりながらもあくまで任務に忠実であろうとする粟田...続きを読む
  • 等伯(上)
    こんな分厚い上下本、読めるかなと心配だったが、なんのことはない一気に読み通した。とても面白い。当時の歴史と美術を少し知っておくとより楽しめる。