安部龍太郎のレビュー一覧

  • 対決!日本史2 幕末から維新篇

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    佐藤)松沢裕作、通俗道徳が生まれたあとには必ず新宗教が生まれる。、、


    安部)明治維新の「罪」の部分が、昭和二十年の敗戦を招いた。…直接の原因だとさえ思うのです。238
    徳川家康は「エゴイズムを、最大限制御して抑えていく体制を作らなければ」

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    2025年10月19日
  • 銀嶺のかなた(二) 新しい国

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    ネタバレ

    第2巻「新しい国」は、前田利家が賤ヶ岳の戦い後に秀吉に従い北陸の支配を深めていくところから、家督を継いだ前田利長が、豊臣秀頼の傅役を辞して家康に接近していく関ヶ原前夜まで。
    秀吉は茶々との子秀頼が自身の子でないことを知っていたが織田家の血を引く者に天下を返したいと思っていた、前田利家の進言を容れて豊臣家を関白家と将軍家の機能に分けようとした、などの大胆な説をとる。

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    2025年10月05日
  • ふりさけ見れば 上

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    人間という奴は、自分の思い通りになるほど単純にはできていない。善と悪、条理と不条理の間でたゆたう振り子だ。

    あなたは完璧であろうとするから、いつも自分を責めておられます。でも完璧でありたいと願うのは、誰からも責められたくないからではありませんか

    人は弱い。それゆえ制度によって補わなければならないと、韓非子の師である敬孔はとなえている

    「唐の民はまず自分ありきだ。広大な国で王朝が次々に代わったせいかもしれぬが、国のため
    公のために尽くすという思いが弱い。だが、我が国の民は帝のおおせとあれば自ら鍋を持って駆け付け、このように立派な都を造ってくれる」「そのちがいは、どこから生まれたのでございま

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    2025年07月14日
  • 戦国の山城をゆく 信長や秀吉に滅ぼされた世界

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    歴史小説家の著者が、戦国時代の様々な山城や城跡を訪ね歩く歴史探訪エッセイ。
    特に、信長や秀吉に滅ぼされた戦国武士が依拠する城が対象で、中世と近世の分水嶺を見極めるのが著者の思いのようだ。
    巻末には、関連年表が記載されており、その当時の歴史の流れを俯瞰するのに便利である。

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    2025年04月24日
  • ふりさけ見れば 上

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    奈良時代のグローバル人材、阿部仲麻呂が奮闘するサスペンス仕立ての歴史小説。

    タイトルはもちろん、百人一首にも収められている有名な和歌
    「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」
    に由来する。

    新聞連載時に読んでいたので、筋や結末は知っているが、それでも作品世界にぐいぐい引き込む筆致はさすが。
    登場人物のキャラが視覚的に立ち上がってくる。

    しかし、岡山県の真備町に神社まで建てて祭っている吉備真備をこんなふう(酒好き、女好き)に描いてしまって大丈夫か?

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    2025年04月23日
  • レオン氏郷

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    蒲生氏郷の本は意外と少なくて飛びついたものの、経歴をなぞる年表のような文章が続き、途中で一度飽きてしまった。
    会津に行ってからは読み応えが出てきたが、もう終盤…。
    全体的に人柄があまり描かれておらず、翻弄されて終わっている印象。家臣思いのエピソードも出てこず、彼の魅力って何だっけ?と思ってしまう。

    世界史的なグローバルな視野と、キリシタンという立場、商業の動きなど当時の社会が垣間見える舞台描写は興味深かった。

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    2025年02月23日
  • 銀嶺のかなた(二) 新しい国

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    利長のことが知りたいと読み始めたが、この巻では父利家との親子関係、そして利長の沈着冷静さ、頭脳のきれ、後継として申し分なしの様子が描かれている。
    利家もその点に関しては満足して旅立っただろう。惜しむらくは 利長に後継ぎがいないこと。
    この後 利長はどうするのか。第三巻待ち。

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    2025年02月21日
  • 信長になれなかった男たち 戦国武将外伝

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    一流だが頂点に立てなかった武将列伝になるのか読み物として面白い。信長=天下人とすると本書登場の三好長慶は天下人といえる。何を持って天下人とするかだろうけど全日本という意味では豊臣秀吉、徳川家康の2人だろう。別件だがこの2人が生きている間は信長に絶対に手を出さなかった(反抗はしている)ところに信長は大した事ない説に違和感がある。
    浅井長政辺りは実際に信長を倒していたら歴史がどう変化したのか気になるところではある。

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    2025年02月17日
  • 銀嶺のかなた(一) 利家と利長

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    何年か前 北陸を旅した時 高岡で時間があったので何気なく駅近の国宝の寺“瑞龍寺”を訪ねたことがあった。

    山門をくぐった途端 四周を回廊で囲まれた仏殿、法堂、禅堂、大庫裏が。厳粛で整然と建つ伽藍に圧倒され惹きつけられた。京都、奈良の寺院と全く違う雰囲気だった。回廊の小窓の障子の白さが目に染みた。

    その時初めてこの寺院が 加賀二代藩主前田利長の菩提寺だと知った。

    その時から前田利長とは?と気になっていた。
    利家と利長のことが描かれた新書、安部龍太郎が新たに発見した史実も,と言うことで読み始めた。

    一巻めは 利家が能登一国を任せられてから賤が岳の戦いまで。著者らしい緻密に資料を駆使して描かれ

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    2025年02月17日
  • 銀嶺のかなた(一) 利家と利長

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    前田利家・利長の視点の戦国時代
    本能寺の変前後の時代
    柴田勝家のもとにいたことや北陸にいたことで時代に乗り切れなかったのは不運
    しかしながら、秀吉との才覚や能力の差は歴然であり、若い頃から同僚であったことから忸怩たる気持ちの表現はとてもいい

    北陸というエリアにスポットがあたっているので、そんなことがあったのかと新しい情報が盛りだくさん

    ど真ん中の歴史小説もいいけど、歴史の流れのなかでニッチな部分を描く歴史小説は知識欲を満足させてくれます

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    2025年01月26日
  • 灯台を読む

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    日本に約3000基ある灯台の役割や多様な価値について知ってもらおうという趣旨で進められている「海と灯台プロジェクト」。主体は一般社団法人・海洋文化創造フォーラムで共催が日本財団と海上保安庁である。そのプロジェクトの一環として企画されたのが、灯台が果たしてきた地域固有の役割や機能、存在価値を物語化して知らしめようという取り組み。本書はそれに基づき19基の灯台を6人の著名な作家が分担して現地取材し、紀行文集として取りまとめたもの。
    灯台の建築技術や歴史、地域との関わりについて様々な観点から語られ、読み進めるうちに少しずつ灯台への関心が高まってくる。
    しかし、門外漢の私には歴史作家や描写力のある作家

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    2024年11月27日
  • 対決!日本史2 幕末から維新篇

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    明治維新は功罪両方ある。
    維新のおかげで短期間で近代化を成し遂げ欧米列強の植民地にされなかったが、他方、日本はアジア諸国を植民地にする帝国主義政策を取り、行きついた先は太平洋戦争の敗北という悲惨な結果だった。
    現在ウクライナやパレスチナでは戦争が終わらず、自国中心主義が世界を覆っている。
    そんな中で日本はどうあるべきか。周りの空気やメディアに流されずに自分の頭で考えてみたい。

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    2024年09月16日
  • 佐和山炎上

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     室町から幕末までの短編7作。良作もあるが、全体を通して強く惹かれた話はなかった。その中でも、『伏見城恋歌』『佐和山炎上』が良かった。
     前者は、木下勝俊と京極竜子との恋を描いた作品。秀吉の妻となり恋心を忍ぶしかなかった竜子が勝俊の恋歌への返歌を細川幽斎に託し、それを知らない勝俊が心惹かれるという設定が奥ゆかしい。
     後者は石田三成の息子・八郎と側近・八十島庄次郎の友情物語。死地を前に庄次郎を信じて待つ八郎に、中国の故事・『戦国策』の「曾参の母」(息子の無実を信じていた母でも何度も疑われた結果、杼を投じて懼れ、墻を踰えて走れり(機織りをやめて飛び出して行った)。ここから人を信じるのは難しいこと

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    2024年07月29日
  • おんなの城

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    安部氏がこれまで取り上げてきた歴史上の出来事を、それに関わってきた女性の立場に視点を変えて綴った中編集。手柄とか名誉に明け暮れる男と対照的に、人の幸せに重きを置く女性の視点で史実を語る試みが興味深い。
    最後の「希望の城」では黒田如水を称賛する雰囲気があるのですが、私には「策士策に溺れる」をまさに体現しているとしか思えない。この感覚の違いが残念ながら作品全体の印象を悪くしてしまった。

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    2024年07月07日
  • 士道太平記 義貞の旗

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    歴史上の人物として比較的メジャーであるものの、これを主人公とした作品はおそらく少なく、現に私も吉川英治の太平記で読んだ時に登場したことぐらいと思う。著者の作品は合戦描写があまり入ってこない印象があったが、本作品は結構な合戦場面の厚みがあり私的な良点であったが、義貞没する6ヶ月前のところで物語りが終わっているのが残念で、せっかくだから、戦死を遂げるところまで、描き切って欲しいと思った。勝敗が二転三転する終盤の合戦シーンが上手く描かれているだけに惜しまれるが、史伝ではあまり格好のつく死に方でなかったやに記憶していたので、本作品で描く義貞像に合わなかったのから手前で終わらせたか?とも思った。

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    2024年06月25日
  • 下天を謀る(上)

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    浅井、豊臣、徳川と主君を変えながらも、戦国時代をしたたかに生き抜いた藤堂高虎にフォーカスした時代小説。NHK大河ドラマにもできそうな作品である。
    ブラック企業に配属されても、自力で脱出し、最適な働き場を見つけよ、というメッセージになる。つまり「下天」を自らの力で「謀る」わけだ。
    すごくいい着眼点で、文体もいいんだけれども、照葉という女性との関係などがすこし無理がある感じ。「信長燃ゆ」ほどの快作ではないと感じた。

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    2024年05月29日
  • 生きて候 本多正信の次男・政重の武辺 下

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    僕は、本多政重という人のことを、この作品で初めて知った。本多正信は、食えないジジイ、というイメージだったけど、その人の息子に.こんな「義」の人がいたなんて、奇跡というか歴史の皮肉というか、面白いと思った。

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    2024年05月22日
  • 対決! 日本史 戦国から鎖国篇

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    この頃、新規市場開拓の意図か佐藤の創価リスペクトが著しく、会員のなかの知識層は「創価学会は大石寺と訣別して世界宗教となった」という語を好んでいる。だが、ある創価の人は「日蓮大聖人は御本仏として経文によって日本はさておき仏教の滅びるのを予見し諫暁したのであって『何らかの情報を得て、蒙古の侵攻を予測して幕閣に警告した』との見方は不遜と言っていた。

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    2024年06月07日
  • ふりさけ見れば 下

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    ネタバレ

    阿倍仲麻呂と吉備真備を主人公にした歴史小説の下巻。

    史実に基づいているので、安禄山の乱と恵美押勝の乱が時期的に近いことも勉強になりました。
    何より、安禄山の乱についてしっかり経緯が理解できたことが収穫です。
    ただ、阿倍仲麻呂が唐に残った理由がイマイチで、その部分がせっかくの歴史ミステリーなのに残念でした。
    他の創作部分、特に仲麻呂や真備の唐での家族関係は上手に作られていると思いました。
    藤原北家を中心とした貴族文化が安定していた平安時代のもとになる奈良時代は激動なので視点によって正邪が入れ替わったりするから面白いです。

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    2024年03月10日
  • 人生を豊かにする 歴史・時代小説教室

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    平凡
     特殊といふのではなくて、ごく一般的な書きかたの紹介本。めあたらしさはなく、なんだか要領を得ない気分になる。

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    2024年03月08日