【感想・ネタバレ】信長燃ゆ(上)のレビュー

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Posted by ブクログ 2015年11月17日

この作者の本は三冊目だけれど、初めておもしろかった。

天下人に最も近く、いつも力強く、自分を信じて自信を持って歩み続けたように思える信長を、葛藤を乗り越えて逃げずに踏みとどまった寂しい人物として描きだしているのが印象的。
真面目で、意外に心遣いを示したエピソードも残した信長が確かに、葛藤しないはず...続きを読むがない。考えればわかるはずなのに、つい見逃しがちなこと。人間は一面だけではない。父のやり方に疑問を感じる信忠が、自分も責任を負った時に、その重責に息苦しく感じているのを見抜いた父信長に慕う気持ちを感じた時に、気付かされた。

そして、その信長と恋仲になる晴子。この時代に、子供を産み、閨閥を作ることだけを目的とされることに、信長と出会う事で疑問を感じだし、自分らしく生きる道を模索しだす。
この気持ちもすごく共感できるし、本能寺の変の企てに気付き、信長を救おうと必至になるけなげさも共感できる。私も、晴子と一緒に、信長にときめきました。

面白いと思ったのは、信長が、公家を集めて所蔵の茶の湯の道具を入札制にするのだけれど、それぞれの公家が勝手に気を使い合って、自分の官位にふさわしいものを要望する様子にがっかりしてしまうシーン。信長が当時、いかにいろいろなしがらみから心が自由であったか、そして公家がいかに縛られている生き物かが顕著に現われている。信長の失望を思うと、一人相撲をとっている様な気持ちがしたであろうし、同情を感じる。

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Posted by ブクログ 2015年05月27日

本能寺の変、その黒幕はいったい誰なのか。
諸説あるなかでも、著者なりの仮説があり、
それに則ったうえで、物語が構築されている。

それにしても、近衛前久、とても格好よい。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

安部先生の書く登場人物はどうしてこう、みんな男前でかっこいいのか。信長に対する近衛前久との関係がすごく面白い。朝廷を守る為の孤独な戦いをする前久、神になろうとする信長。どちらも『誰にも理解されなくて上等!』な孤高の生き様がひりひりします。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ふとした興味本位のいたずらで出会ってしまった織田信長と東宮夫人・晴子。信長は晴子に母性を求め、晴子は信長に公家にはない人間性を求め、互いに惹かれあってゆく――・・・。
織田信長に小姓として仕えた「たわけの清麿」が、さるやんごとなきお方からの依頼によって本能寺の変について書き記すという切り口。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

天下統一を目指し、自らが神になろうとする信長に対し、朝廷の臣として対等に渡り合う関白・近衛前久がかっこよすぎ。

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Posted by ブクログ 2014年08月24日

朝廷の陰謀を背景に信長の苦悩を描き出す。
信長に苦悩という言葉は似合わない感じだが、革命者であるゆえその言葉の重みは違うのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2013年05月06日

2015大河の原作(上)。本能寺の変の謎解きものではあるが、主要人物に近衛前久や勧修寺晴子といった朝廷側の人間が登場し、武家と朝廷の対立とそれぞれの思惑が見てとれて新鮮。

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Posted by ブクログ 2013年02月27日

信長は天下を取った後、ヨーロッパに匹敵する国を作ろうとしていた。そのために朝廷との関係を変える必要があったとの話しは興味深いし、本当にそうなら相当孤独であったと思う。信長と公家側の近衛前久との駆け引きや信長の三人の息子との関係も面白い。ただ、誠仁親王の東宮夫人である晴子の信長に対する気持ちには無理を...続きを読む感じる。

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Posted by ブクログ 2012年02月09日

いきなり、信長が死ぬ場面から始まる。この迫力に引き込まれて、車の中で本を読んだら車酔いするタイプなのに、車の中でも必死に読んでしまった。まず、題名がいい!

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Posted by ブクログ 2010年11月29日

戦国の日本を統一し、西欧国に対抗するため朝廷を超えた存在たらんとする信長。朝廷を守るため暗躍する策士・近衛前久。本能寺の変の原因を信長と朝廷の争いにあると見る筆者の推理眼が冴え渡る。 上巻では二人の息詰まる謀略が展開される。
信長は日本を新しく生まれ変わらせようと、激動の半生を歩みその実現にあと一歩...続きを読むまで迫っていたが・・・

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Posted by ブクログ 2010年02月15日

2007/3/4購入。買い逃していた
2010/2/8~2/14

この信長燃ゆは、安部氏の三部作「関ヶ原連判状」、「神々に告ぐ」の最終作。信長という希代の傑物を相手に守旧派である近衛前久がどのように皇室や既得権益を守ったか、が描かれる。
 何故、信長の野望は本能寺で光秀の謀反によりついえたのか?数...続きを読む々の作品がこのテーマを扱ってきたが、安部氏流の解釈に基づく作品が本作。物語は本能寺の変の35年後、信長に小姓として仕えていたたわけの清麿が本能寺の変について記録を残して欲しいと依頼されるところから始まる。史実をもとに想像の翼をはためかせて、安部氏の想像は、これこそが歴史の真実と思わせるところまで昇華しているのではないか。
 タイムマシンに乗って一回だけ歴史に立ち会えるとしたら、本能寺の変の前後か、坂本龍馬暗殺の前後か悩ましいところではあるが、その真相はいずれにしても日本の歴史を考える上でとても興味深い。

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Posted by ブクログ 2023年04月23日

読んだ本 信長燃ゆ 阿部龍太郎 20230422

 日経新聞の「ふりさけ見れば」を読んでいて、面白かったので買ってみました。正直新聞小説だと、前後のつながりとか登場人物がよくわかんなくなってきてしまうんですが、それを含めても、遣唐使を通じて唐や日本の王朝を描いた物語は魅力的でした。史実の上にかぶせ...続きを読むる物語が、いいんでしょうね。
 ちなみに、織田信長の周辺の人物を題材にした小説って、織田信忠や松永久秀なんかを主人公にしても、結局その人の目を通した信長って話になっちゃって、主人公の人物像が見えてこないことが多いなって感じてました。信長以外の資料って当たり前だけど少ないからなんでしょうね。
 この「信長燃ゆ」は、信長が主人公(なのかな?近衛前久のような気もしますが)なのに、とにかく織田信長周辺の人の人物像がはっきりしてるのがいいです。史実に載せる物語がしっかりしてるってことなんだと思います。それでいて、神になろうとした織田信長の最新の説も取り入れたりしていて。
 しかし、歴史小説、時代小説って、結末がわかってるのに、なんでこんなに面白いんですかね。意識しないと、ずっと歴史小説ばかり読んじゃうんですよね。

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Posted by ブクログ 2022年05月12日

実に面白かった。
信長の大きな構想=合理化を進めて日本を世界に伍していける国に=と、近衛前久の保守主義=あくまで天皇を中心に先例重視を=との対立は実に説得力があるし、だからこそやはり、信長は一代でしかあり得なかった(本能寺の変がなくとも、信長の路線は続かなかった)と納得がいく。簡潔な文章も魅力的。歴...続きを読む史小説なのに、とても現代的なものとして、非常に近いものとして感じられた。名品。

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Posted by ブクログ 2013年02月25日

全2巻。
本能寺の変の真実を追った物語。

うーん。
この著者は高い評価を結構目にするけど、
個人的にはあんまりだわ。

著者お得意の、朝廷に踏み込んだ歴史の解釈と、
最近の研究で明らかになった事実から、
説得力ある物語が繰り広げられる。

ものの。
少しこじつけに聞こえてしまう
ぐいぐいな論理や解...続きを読む説がうるさく、
いまいちのめり込めず。

また、加藤廣著「信長の棺」と同じように
後世、第三者が当時を記すという形式を取っているものの、
この設定が後半ほぼ忘れられて機能していない。

最初こそワクワクしたが、
著者が物語をわすれ、自説に熱くなっていき、
自分は置いてかれた感があった。

でも、
信長の目指した所には説得力があって
ほーって感じ。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

全2巻(上巻\700 下巻\780)

あたし、 「本能寺の変」が明智光秀個人の “怨恨”から引き起こされた事変だとは
 思っていないの・・・だからこの本とても楽しく読めたの。
 ・・・でも言っていいかしら・・・読み終わって最初に感じたのは、中途半端に途中でほっぽり投げ出された感じだったわ。なんて言...続きを読むうの、投げっ放しジャーマン食らったって感じ・・・現実に食らったことはないんだけどね・・・
あっ、それは別にタイトルと違って『信長燃えてない』からじゃないわよ。だって、もともとこの本は、<さるやんごとなきお方>から「本能寺の変」を書き残してもらいたいといわれ依頼された<たわけの清麿>が書き残したもの、っていう設定でしょ、龍先生?<さるやんごとなきお方>って誰?「本能寺の変」が近づけば近づくほど<清麿>の存在が消えていき、最後はどこに行ってしまったのかしら・・・ま、まさか<清麿>燃ゆ?!

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