安部龍太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
信長の政治思想は中央集権、公地公民、重商主義であり、秀吉はそれを踏襲したが朝鮮出征という暴走を行い、家康に至って地方分権と農本主義に落ちついたという歴史認識が興味分かかった。
安部氏のいう歴史的な教養、①歴史についての情報量、②歴地と対峙した経験、③そこから生まれる発想力の三本柱の意味は、本書を読み進むにあたって歴史小説を書くだけではなく、現代社会を生きる上で、必要なものだと感じた。
日本史なんだけど、現代の韓国や当時の朝鮮、その背後にある中国との関係や世界としてのスペイン、ポルトガルの存在など、従来の日本史的な知識で足りないところが縦横に語られていて感心した。そうだよなぁ。鉄砲によって天下を統一ったって、どうやってその鉄砲や火薬を手に入れたのか。そこまで考えていかなければ、歴史について考えることはできないだろう。そして、そういうことを考えることによって、より大きな背景を知ることができる。
茶の湯がキリスト教の聖餐に近いというのも、ちょっとクスっと思える話だった。
最後は、日本は農本主義と地方分権に進むべきじゃないか、という現代の話でまとめられて、あれこれ刺激的にだったね。2巻も出ているから、そちらも読みたいな。 -
Posted by ブクログ
狩野派のこちらへ迫ってくる画風と、長谷川派の奥へ奥へ誘われる画風の対比。人生の対比。
粘り強く自分には厳しいのに、夕姫と兄に弱い、めちゃめちゃ弱い。そこ、ダメ夫・ダメ親父に見える。息子の久蔵、出来すぎた息子!早くに亡くなってしまって…。業の深さ故に、自分に厳しく心も研鑽して松林図屏風に行き着いたこと。
等伯の、松林図屏風はレプリカを見たことがあるだけだけれど、引き込まれるような、分け入っていけそうな、しんとした包容、空気を感じた。今度本物も見たい。涅槃図などもググりながら読んだ。
清子さんの「すみません、業が深くて」に深い愛情と信頼を感じる。