安部龍太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
足利の亡霊…本来であれば将軍職ことに着くこともできたはずなのかもしれない細川幽斎。ただ本当の説なのかは知るはずもない。武人と呼べずに文人の足掻きとはどうも男らしさを感じられない。武力を持っての交渉ではなく、この話の中での幽斎の交渉術というのは好きになれない。
すべての身内であれ、中心であっても己の利のために捨てられる。本当にこの時代を代表する文化人であると言えるのだろうか?
「関ヶ原連判状」
安部龍太郎先生の作品は好きだが、やはり細川家は好きになれない。常に時代の覇者をを天秤にかけ生き抜く姿は立派なのかもしれないが、その行動に武を感じることがない。危なくなったら調停を利用して保身を図り、 -
Posted by ブクログ
主人公の政重が、それほどかっこよくない。
上巻は、架空設定と思われる女性が登場してくる。この女性とのロミオとジュリエット的な恋愛にあまりときめかず。だからか、上巻は少し退屈。
下巻で、関ヶ原が始まると、ドキドキして、読むスピードが速まった。
それよりかっこよく描かれているのが、宇喜田秀家。
純粋で一本気で、かっこいい。それに妻の豪姫との間に交わされる愛情も素敵。
三成が関ヶ原で敗北に向かう様子は誰の本で見ても、かわいそうで、泣けてくる。今回の三成は、豊臣家からも見捨てられ、たくさんの虚偽を一人で飲みこんで、同情を禁じ得ない。小柄さを強調しており、頼りない三成の姿が痛々しく、また性格がかわい