安部龍太郎のレビュー一覧

  • 戦国秘譚 神々に告ぐ(上)

    Posted by ブクログ

    近衛前久の若き日々の姿を描く。
    従兄弟であり13代将軍足利義輝と共に公武一体での国の建て直し目論む前嗣(前久の若き日の名)
    朝廷の仕来たりや歴史、宗教、あらゆる知識を網羅していないと書けない作品だと思った。

    0
    2010年12月13日
  • 信長燃ゆ(下)

    Posted by ブクログ

    信長と近衛の謀略戦は最終章へ。
    近衛は、明智光秀、細川藤孝、羽柴秀吉に調略の手を伸ばし、伊賀の忍、公家の美女、あらゆる要素を利用し信長を討とうと目論む。この作品中で、近衛、細川、明智が当初足利義輝と共に公武合体の体制で日本を統一しようとしていたという設定がおもしろい。
    新しい国家感の違い(信長:自ら朝廷を凌駕せんとする 近衛:朝廷を中心とした国家を目指す)から事態は本能寺の変へと向かう。



    安部氏の描く信長は、天才的発想と強靭な意志を持ちながらも孤独な姿、心の疲弊に苦しんでいる。合理的な頭脳をもった彼は世の中の理不尽な(と信長には思われる)物事が許しがたく、世の中の体制、常識というものに戦いを挑んでいるようだ。その相手には朝廷も含まれる。なぜ朝廷が、公家が日本を支配するのか。
    このような信長を殺したのは、近衛前久や明智光秀というより、日本的総意のようなものではないかとも思える。

    0
    2010年12月01日
  • 信長燃ゆ(上)

    Posted by ブクログ

    戦国の日本を統一し、西欧国に対抗するため朝廷を超えた存在たらんとする信長。朝廷を守るため暗躍する策士・近衛前久。本能寺の変の原因を信長と朝廷の争いにあると見る筆者の推理眼が冴え渡る。 上巻では二人の息詰まる謀略が展開される。
    信長は日本を新しく生まれ変わらせようと、激動の半生を歩みその実現にあと一歩まで迫っていたが・・・

    0
    2010年11月29日
  • 蒼き信長(下)

    Posted by ブクログ

    信長の若いころは面白い、といわれて読んでみましたが…
    本当に面白いですね。
    この本の信長は実に人間くさくて面白かった。
    濃姫がすごく男前で、かっこよかったです。
    死ぬまでを描いていないのがまた良い。

    0
    2010年06月12日
  • 海神 孫太郎漂流記

    Posted by ブクログ

    冒険漂流もの、としては愉しめたが、時代小説を期待すると物足りない。現地人の蛮族ぶりと、日蘭人の開明ぶりが、ちょっとアンバランス。

    0
    2010年05月09日
  • 天下布武 下 夢どの与一郎

    Posted by ブクログ

    これをベースにして忠興主人公の大河をやればいいのに…!って思った。
    本書での忠興の描かれ方には賛否あるかと思うけれど、これはこれでありなんじゃないかと。

    本能寺を題材にした小説って、兎角日本国内でのことに終始しがちなんだけど、世界をも視野に入れた本能寺っていうのが斬新。
    基本的には夢どの隊の青春群像劇なんだけど、幽斎と前久の腹黒さや裏切りに次ぐ裏切りにドキドキして最後まで飽きさせない。

    DQNな忠興が好きな人にはお勧めできないが、格好いい信長や常識人スキルの高い忠興が好きな人は楽しめると思う。

    0
    2010年04月07日
  • 生きて候 上

    Posted by ブクログ

    本多正信の次男、本多政重を描いた作品です。
    阿部龍太郎の作品は、わかりやすくていいですね。
    史実では自由奔放な人物として何度も主家を変えるのですが、この作品ではその事にはあまり触れずに、関ヶ原合戦の前後を中心に描いています。
    政重は、その後、会津120万石から30万石に減封・移封された米沢藩の、上杉家家老・直江兼続の娘婿となります。
    兼続も、謀将・正信の次男政重を通じて、お家存続のために仕方なく縁組を行なったのでしょう。
    しかし、兼続の娘は病死してしまい、今度は弟・大国実頼の娘を娶らせますが、政重は、減封によって生活に苦しむ米沢家家臣団に気兼ねして、出て行きます。
    最後に、加賀前田家に仕えて、5万石の八家(加賀藩の八家の家老職)筆頭として、子孫は明治まで続きました。

    0
    2009年10月04日
  • 浄土の帝

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2008/12/29 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2019/3/21〜3/26

    2年半ぶりの安部作品。保元・平治の乱、という名前は武士の台頭と絡ませて教わるが、どのようないきさつであったか、についてはほとんど知らなかった。本作品は、後白河天皇を主人公にその顛末が描かれている。あまり他の作品で読んだことのない歴史的事件であったので、大変面白く読めた。

    0
    2019年03月26日
  • 戦国秘譚 神々に告ぐ(上)

    Posted by ブクログ

    新規購入ではなく、積読状態のもの。2007/11/20~24。山形への往復で。ありそうで無かった(知らないだけか?)織田信長出現直前の時代を取り上げた作品。足利義輝が朽木谷に逃れており、三好家に京、畿内を牛耳られているなか、奮闘する公家、近衛前継を主人公とし、松永久秀を敵役にしている。当時の天皇家や公家の窮状も良く描かれている。

    0
    2010年03月30日
  • 海神 孫太郎漂流記

    Posted by ブクログ

    新規購入ではなく、積読状態のもの。2007/7/15~7/22。乗り込んだ船が嵐にあって南の島に流れ着いた孫太郎。仲間との苦難の日々が孫太郎を成長させる。ようやく帰国の途につけたとき、孫太郎のとった行動は! 井上靖の「おろしや国酔夢譚」を思い起こさせる漂流もの。安部龍太郎の新機軸と思わせる作品。もっと早く読めばよかった。

    0
    2010年03月24日
  • 信長燃ゆ(上)

    Posted by ブクログ

    2007/3/4購入。買い逃していた
    2010/2/8~2/14

    この信長燃ゆは、安部氏の三部作「関ヶ原連判状」、「神々に告ぐ」の最終作。信長という希代の傑物を相手に守旧派である近衛前久がどのように皇室や既得権益を守ったか、が描かれる。
     何故、信長の野望は本能寺で光秀の謀反によりついえたのか?数々の作品がこのテーマを扱ってきたが、安部氏流の解釈に基づく作品が本作。物語は本能寺の変の35年後、信長に小姓として仕えていたたわけの清麿が本能寺の変について記録を残して欲しいと依頼されるところから始まる。史実をもとに想像の翼をはためかせて、安部氏の想像は、これこそが歴史の真実と思わせるところまで昇華しているのではないか。
     タイムマシンに乗って一回だけ歴史に立ち会えるとしたら、本能寺の変の前後か、坂本龍馬暗殺の前後か悩ましいところではあるが、その真相はいずれにしても日本の歴史を考える上でとても興味深い。

    0
    2010年02月15日
  • 生きて候 上

    Posted by ブクログ

    各章のタイトルになってる詩やセリフに痺れる!登場人物は、文句なしにかっこいい主人公の本多政重より脇役達がよかった。特に父親の本多正信が好き

    0
    2009年10月04日
  • 銀嶺のかなた(二) 新しい国

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前田利家、利勝(利長)親子を描く歴史小説の2巻目。

    賤ケ岳の戦いから利家の死と関が原前夜の加賀征伐騒動までが描かれています。
    前巻のお市の方と家康が実の夫婦で勝家とはカモフラージュ夫婦だったという珍説につづいて、秀吉が死ぬまで聡明であったという珍説が披露されています。
    一つは秀頼が自分の子でないと知っていながら織田の血筋に政権を返す考えがあったというもの。
    もう一つは関白職と将軍職を分けるという利長の考えを受け入れていたというもの。
    さすがに死ぬ間際には耄碌しちゃいますが、5奉行、5大老の体制は行政と政治の分離としてとらえることもできますね。
    とにかく利長が優秀で、利家も安心して旅立ったと思います。
    次回が最終巻でどんな珍説が飛び出すやら楽しみです。

    0
    2026年08月29日
  • 銀嶺のかなた(一) 利家と利長

    Posted by ブクログ

    1~3巻とも、どれも面白かった。

    1巻。前田利家が「おやじ」である柴田勝家を見限って秀吉につく。自らも父親として息子に接する。二重の親子関係を軸にしながら、信長と外国勢力とのやりや本能寺の変、秀吉の策略などなどがからんでいく。ミクロもマクロも大変面白い。

    2巻。2代目の嫡男利長。信長のそばに仕えていわば英才教育を受けた。家康から秀忠への時代にあって、徳川家からの疑いの目を向けられながらも、理想の国造りを目指す。本作品をユニークたらしめているのは、この利長の造形ではないかな。

    3巻。3代目の利常(利長の異母弟)。秀忠から家光の時代にあって、ここでも前田家の二重の親子関係が描かれながらも、何とか家をつないでいく。3巻は、さほど有名な事件があるわけでもなので、ややだるくはなった。とはいえ、全体としては一気にいけた。

    戦国乱世が終ったあとも、さまざまな暗闘があった。前田家、加賀百万石は、何代にもわたって徳川家から守り抜いたものだ。北陸の、とくに立山連峰の景色が頭に浮かぶ人には、ぐっとくるだろう。1巻と2巻は★4つ、3巻は★3つかな。

    徳川家康とお市の方との関係など、随所にユニーク「安部史観」が登場する。どこまで正しいのかは分からない。司馬史観に染まった身としては、「家康に甘すぎないか?」との印象は残った。

    また、「徳川家による平和に賛同するものの、そのためにこそ、健全に徳川家に物申すべし」とする前田家の一貫した姿勢は、現在の日本の政党政治を映したものだろう。自民党政治が健全に作動するためにも、自民党一強ではないけないのだ、特定の首相一強ではいけないのだ、という。

    0
    2026年08月29日
  • ふりさけ見れば 下

    Posted by ブクログ

    日経新聞連載って感じがする。
    中年以降の男性読者をメインにしているのかなと。
    濡れ場多め。
    人物は生き生きと描写されていると思う。吉備真備が良かったな。むしろこちらが主役かなと思うくらい。個人的には。

    0
    2026年07月13日
  • 銀嶺のかなた(二) 新しい国

    Posted by ブクログ

    今作も安部さんらしい話が続きます。

    前作に続き、勝家とお市に婚姻関係はなく、秀吉が2人は結婚していると嘘を広める。また、利家はあくまで勝家とともに行動を共にしようとするが、秀吉に説得されて軍門に下る。しかし、秀吉からもともと同腹だったことにしたいといわれるなど。そのほかにもいろいろ。

    司馬さんは歴史を悪意を持って見ないと何かで書いていたけど、安部さんは意外とそういう感じで推理を働かせていく感じ。

    歴史は勝者の歴史といわれることから都合の悪いことは闇に葬られていくわけなので、意外と歴史は安部さんの推理道理なのかもしれませんが。とはいえ、なかなか素直に読むことができなかったのが本音です。

    0
    2026年07月13日
  • 銀嶺のかなた(一) 利家と利長

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    加賀前田家の初代利家と二代利長(利勝)が主人公の歴史小説。

    一巻目は柴田勝家が中心となった北陸攻略から賤ケ岳の戦い前夜まで。
    奇をてらわず、歴史ものの王道かと思いきや、勝家とお市は結婚しておらず、お市は徳川家康と結婚していたという説にびっくりです。
    おそらく秀吉を悪役とするため、今後の徳川家と前田家のつながりのため、この説を取ったのかと思います。
    こうなると家康側の心情も見てみたい気がしますが、そこは前田家視点で説明されるのでしょうね。
    次巻以降も読んでいきたいと思います。

    0
    2026年06月21日
  • シルクロード 仏の道をゆく

    Posted by ブクログ

    遣唐使を主人公とした小説を構想をしていた取材旅行の記録。この構想を経て日経新聞連載の「ふりさけ見れば」という歴史小説が執筆された。
    2部構成で、第1部が西安を出発して蘭州、敦煌へ至る河西回廊、第2部はタリム盆地の東の入口であるハミから西の入口であるカシュガル、ウルムチを訪れている。
    宮本輝氏が「ひとたびはポプラに臥す」で車で走破した行程と同じ道を辿り、同じく鳩摩羅什に想いを馳せる。
    些細なことだが、文とその写真の掲載ページがずれて読みづらい箇所が多かった。

    0
    2026年06月05日
  • 関ヶ原連判状 下巻

    Posted by ブクログ

    親父が読んでたから読んだけど
    脇役から見る天下分け目の時代は面白かった。
    朝廷からの視点とか考えたこと無かった。っていうか、朝廷とかそういやあったな。ぐらいの感覚だった。

    0
    2026年03月23日
  • 下天を謀る(下)

    Posted by ブクログ

    上下巻とおして比較的面白く読めたと思う。戦国武将の中で戦術、治政、築城、外交、さらには時世に乗ることも含めて全ての分野に秀でたゼネラリストの代表である主人公高虎を良く描いたものと思う。譜代の家臣以上に家康の密謀に入り込んだものかなぁと盛り過ぎと思う描写もあるが、豊臣から徳川に移行する時代のキーマンであったことは間違い無いと思う。著者の作品はどちらかと言うと合戦描写は淡白で少し物足りない傾向にある印象を持っているが、本作品では大阪の陣の局地戦は非常に躍動感満載に描かれていて、引き込まれて読んだ。

    0
    2026年02月11日