安部龍太郎のレビュー一覧
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粟田真人が遣唐使として長安に行って、唐と国交を回復する話し。その前に白村江で唐と戦っているは、則天武后が支配しているはで相当大変なミッション。しかも表面的には対等な関係という難題も付いてくる。しかしこの頃の長安は本当に国際都市だな。日本もここに書かれている通り、百済や帰化人などかなり国際的な世界だったんだろう。島国だから変化はゆっくりだろうけど、外国との関係はいつの時代も切り離せない問題なんだなと改めて思った。きっと今に時代と同じような感じで権力争いがあって内部にも色んな問題を抱えて走っていたんだろう。まあ結果オーライという事で良かった。しかしこの辺りの時代は天皇を中心とした国を作ろうとしてや
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本書にて倉橋政重という武将の存在を初めて知りました。
安倍氏の視点で読む限り、政重の地位や権力を求めず義理と民衆の安寧を重んじる生き方はこの時代には珍しく清々しい。
一方で秀吉の朝鮮主兵はどの本を読んでも救いのない愚挙であり、それまでのサクセスストーリーの末期を汚すものですね。家康は天下泰平を求める理想は素晴らしいもののそこに至るまでの政略はえげつないし、信長は非武装民への容赦ない攻撃は許し難い。三英傑と後世まで称えられているものの、いずれも長所と短所の差があまりにも大き過ぎて好きになれないなぁ。
本書に戻ると、政重がどのように生きてゆくのか後半が楽しみです。 -
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司馬遼太郎氏は長年「街道をゆく」を記したが、街道が整備された江戸時代以前は海運が物流の中心だった。「半島は陸のどん詰まりだが海の玄関口」ということで「半島をゆく」と題して各地の半島を訪れている。
本書に収録されているのは、知多半島、薩摩半島、能登半島、沼隈半島、伊豆半島、志摩半島。
本能寺の変の背景にもふれている。2014年6月に「石谷家文書」の中に斎藤利三宛の長宗我部元親の書状が発見される。長年親密な関係だった長宗我部氏が、目前に迫った信長の攻撃で危機的状況に追い込まれた。長宗我部氏を支持する光秀と、阿波を支配していた三好氏と通じる秀吉の派閥抗争があった。光秀は自らの派閥解体の危機に瀕した -
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読んだ本 信長燃ゆ 安部龍太郎 20230428
何故、明智光秀は本能寺の変に及んだか。
その謎を解くというよりは、そこに至るまでの信長という人間の思想の変遷を描いた小説でした。
何故、明智光秀を本能寺の変に及ばせたか。ってことです。
NHKの歴史探偵か何かで、安土城で神になろうとした信長の史跡が紹介されてましたが、そういった土台に乗って、物語が構築されてるんですね。そう言えば、解説に安部龍太郎が出てたような気がします。
陰謀には、秀吉も関与しているってことで。確かに、秀吉の中国大返しなんか、あんな奇跡的なことが起きるわけない。って素直に思っちゃいますよね。ここだけでも、もう一本小説 -
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読んだ本 信長燃ゆ 阿部龍太郎 20230422
日経新聞の「ふりさけ見れば」を読んでいて、面白かったので買ってみました。正直新聞小説だと、前後のつながりとか登場人物がよくわかんなくなってきてしまうんですが、それを含めても、遣唐使を通じて唐や日本の王朝を描いた物語は魅力的でした。史実の上にかぶせる物語が、いいんでしょうね。
ちなみに、織田信長の周辺の人物を題材にした小説って、織田信忠や松永久秀なんかを主人公にしても、結局その人の目を通した信長って話になっちゃって、主人公の人物像が見えてこないことが多いなって感じてました。信長以外の資料って当たり前だけど少ないからなんでしょうね。
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