【感想・ネタバレ】薩摩燃ゆのレビュー

あらすじ

主命に背くならば腹を斬れ――。薩摩藩の下級武士に生まれた調所広郷は、多年の功を認められ、藩主の側用人を務めるようになっていた。七十七万石の権勢を誇っていた薩摩藩も、かつての藩主・重豪の失策によって、いまでは五百万両という莫大な借金を抱えている。財政改革主任に抜擢された広郷は、非合法も厭わぬ強引な手腕で藩の立て直しに挑む。明治維新のきっかけを作り上げた傑物の、燃えたぎるような一生を描いた歴史巨編。

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Posted by ブクログ

薩摩藩主・島津重豪の命令によって無謀とも言える財政改革を始めた調所笑左衛門広郷の話。西郷隆盛の話を読んだ時に悪名高き家老として登場したので興味があった。

西郷や奄美大島の人々からしたら、島を黒糖地獄に追い込んだとんでもない悪人である。しかしながら笑三衛門の立場を知ると、ワンマン経営者から無理難題を押し付けられて不正改ざん行為を日々やらされている有能な部下のような哀れさを感じた。一度足を踏み入れてしまえば、二度と這い上がれない蟻地獄のようである。読んでいると、もうこれはマトモな死に方をしないんじゃないかと確信した…。

幕末の琉球貿易や裏取引である唐物抜荷の実態、そこから上がる膨大な利益を投資しての薩摩藩の軍事力強化、片や幕政の衰退化などを知ることができた。

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2024年07月19日

Posted by ブクログ

先月終わりに鹿児島に行く予定があったので、直前でこの文庫を買い持参しましたが、少々時間がかかってしまい、結局昨日読み終えました(笑)。

薩摩藩の繁栄には、調所広郷という1人の家老がいたんですね。あまりの真っ直ぐさ、執念、信念、バイタリティに、言葉を失うぐらい圧倒させられました。そして先月訪れた仙巌園、至る所で眺めた桜島を思い出し、広郷も同じ風景を見ていたんだろうな、最期に浮かんだのはどこから見た桜島だったのカナ?と、胸がいっぱいになりました。
最期は江戸ではなく、故郷薩摩の地で迎えさせてあげたかったです。

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2024年04月20日

Posted by ブクログ

歴史上の人物の評価というのは、見る人によって雲泥の差があるものだけど、この調所広郷という人は、その最たるものだろう。目的のためには、かなりひどい手段を使っているから、嫌われるのは仕方ないけど、この人のおかげで明治維新が成ったわけだから、偉大な人には違いない。

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2024年03月05日

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