安部龍太郎のレビュー一覧

  • 家康(七) 秀吉との和睦

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    2025.10.28
    本書の解説は縄田一男。このシリーズは解説がとても良い。読むかどうかは各巻の解説を読めば明らかではないかと思う。
    次に小牧・長久手の戦いを始めとする家康と秀吉の戦いはきめ細かく描かれていて、地元に住んでいる者として、距離感なども含め、それぞれの立地や位置関係がしみじみと伝わる。
    最後に秀吉の名古屋弁というか尾張言葉の巧みさである。令和の今でも、名古屋の人は名古屋弁、尾張ことばと標準語を使い分けているが、秀吉の描写では、さもありなんという感じがこれも地元民としてリアリティが高い。
    以上三点について述べたが、こうした例に示されるようにさまざまな点に目配りが効いている作品だからこ

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    2025年10月28日
  • 家康(八) 明国征服計画

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    2025.10.27
    秀吉の朝鮮渡海はさせてしまったほうが家康にとってはよかったのではと思うが、日本の民の負担を思えば、そこまで戦線拡大をせずにすみ、国力を損なわずにすんだと思う。

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    2025年10月27日
  • 家康(六) 小牧・長久手の戦い

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    2025.10.27
    信長編はここまで。長寿であった家康の「働き盛り」の中年期。
    ふと思うが、家康の覇業がなったのは健康長寿がその大きな理由のひとつだと思うが、健康長寿の理由が何かを示した作品には出会っていない。これだけストレスフルな毎日でどうやって身体と心の健康を保っていたのか誰か教えてほしい。

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    2025年10月27日
  • 家康(五) 本能寺の変

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    2025.10.27
    解説は歴史学者の藤田達生
    解説にある「警世の句」があふれているのも安部家康の特徴

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    2025年10月27日
  • 家康(一) 信長との同盟

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    2025.10.23
    本書の解説は沢田瞳子。骨太な歴史観を横糸に織り込んだ、戦国時代とは何かを問う一大歴史絵巻とのこと。同感

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    2025年10月23日
  • 家康(二) 三方ヶ原の戦い

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    2025.10.23
    本書の解説は細谷正允。家康は螺旋的な人物。時間の経過とともに螺旋階段を昇るように上へ上へ、と記している。同感。

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    2025年10月23日
  • 家康(三) 長篠の戦い

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    2025.10.23
    本書の解説は熊谷達也。この解説も秀逸。家康がかっこよくない。という指摘が的を得ている。

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    2025年10月23日
  • 生きて候 本多正信の次男・政重の武辺 下

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    本多正信、正純は歴史の表舞台に立った有名な親子。正信には養子に出した息子、政重がいて、この本の主人公だ。私は正信、正純を相似形として認識していたが、政重を知ることで正信をより深く理解出来たように感じた。正純、政重いずれも父、正信の一面と思えば、正信は陰湿な策謀家という私の評価も不屈の信念の人と変更すべきかもしれない。
    それにしても親子三人の絡み合いはなかなか興味深い物語だ。

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    2025年04月13日
  • 生きて候 本多正信の次男・政重の武辺 下

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    政重のかっこいい生き方を知れてよかった。政重のように義を貫き、時代に沿った生き方をしたい。宇喜多秀家もかっこいい。ちょっと前に涅槃読んで直家のことは知ってたけど秀家についてももっと知りたい。正純はなんでこうなった。

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    2025年03月07日
  • 生きて候 本多正信の次男・政重の武辺 上

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    どうする家康で正信を知ったばかりだが、こんなに義のある次男がいたとは。下巻ではどう生きるのか楽しみ。

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    2025年02月28日
  • 銀嶺のかなた(一) 利家と利長

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    前田利家について名前を知ってるくらいでその息子については全然知らなかったが、信長や勝家、秀吉との関係や立ち位置が知れて面白かった。各所で話の正当性を過去の文書から引用していて分かりやすかった。

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    2025年02月01日
  • 灯台を読む

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    日本財団「海と灯台プロジェクト」から生まれた紀行。近年の流行作家門井慶喜、澤田瞳子、阿部智里、川越宗一、永井紗耶子、安部龍太郎。それぞれある地域の灯台を3カ所訪れ時空を超えて想いに馳せる。
    映画「喜びも悲しみも幾歳月」の世界は遠い過去。無人化さらにGPSの普及により灯台は役目を終えつつある。
    とはいえ灯台の立つ場所は古代からの交通の要衝。異国との貿易の出発点、文化が交わる場所でもあった。

    地域の海の記憶を辿り、新たな海洋体験を 灯台とともに

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    2024年12月05日
  • 灯台を読む

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    ネタバレ

    GPSの進歩により、灯台がその役割を終えていっているという事実を初めて知った。
    「海と灯台プロジェクト」協力のもと、灯台が存在することの意義を、その土地のあらましや歴史、灯台を守ってきた人々にスポットライトを当てることで言語化した、6名の作家さんによる紀行文。

    作品を読みながら旅行気分に浸れるので愉しい。作家のみなさんが灯台の中の螺旋階段を登り、灯台室に入られる場面のわくわく感が伝わってきた。フルネルライトを初めて検索したが、見事なライトであった。

    灯台の父と呼ばれるイギリス人のブラントンさんという方が、菜種油で火を灯す木造の灯明台が主な海の道標だった日本に、西洋式の灯台をもたらした。また

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    2024年11月18日
  • 対決!日本史3  維新から日清戦争篇

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    明治維新は封建社会から一気に近代化した成功物語として認識していたが、功罪を冷静に判断すべきとの視点はその通り。
    第二次世界大戦を否定的に評価する事は一般的だが、明治維新から日清戦争に至る政治で既に帝国主義的思想で体制が作られたとの話は言われてみればその通りだ。実は吉田松陰の思想にもあるとは驚き。

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    2024年08月04日
  • 迷宮の月(新潮文庫)

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    白村江の戦い以降断絶されていた日本と唐の国交回復に命を懸けた人達の物語。
    主人公の粟田真人(あわたのまひと)を始めとした遣唐使一行に立ちはだかるのは未開拓の航路、GPSの無い航海、唐の気候、疫病、日本国内での勢力争い、そして唐の皇帝…
    様々な困難に立ち向かう強さを見せつつも、娘に宛てた日記から垣間見える人間らしい弱さとのギャップが真人のキャラを際立たせている。
    スマホも電気も無かった時代でも人間はここまで頑張れるんだ!という気持ちにさせる人間ドラマでありながら、中国、日本、朝鮮の歴史も学べる良書。エンタメとしても学びとしても大満足の一冊であった。

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    2024年07月28日
  • 薩摩燃ゆ

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    薩摩藩主・島津重豪の命令によって無謀とも言える財政改革を始めた調所笑左衛門広郷の話。西郷隆盛の話を読んだ時に悪名高き家老として登場したので興味があった。

    西郷や奄美大島の人々からしたら、島を黒糖地獄に追い込んだとんでもない悪人である。しかしながら笑三衛門の立場を知ると、ワンマン経営者から無理難題を押し付けられて不正改ざん行為を日々やらされている有能な部下のような哀れさを感じた。一度足を踏み入れてしまえば、二度と這い上がれない蟻地獄のようである。読んでいると、もうこれはマトモな死に方をしないんじゃないかと確信した…。

    幕末の琉球貿易や裏取引である唐物抜荷の実態、そこから上がる膨大な利益を投資

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    2024年07月19日
  • 対決! 日本史 戦国から鎖国篇

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    日本の歴史は外圧から影響を受けて社会が変化して、古い政権から変化に適応したものが政権を取る繰り返し。
    そして適応とは結局のところお金、経済を握る事。

    室町後期から戦国時代にかけて、世界は大航海時代。ポルトガルが種子島に鉄砲を伝えたところから南蛮貿易が活発化。この流れに乗ったのが島津氏、毛利氏、そして信長だった。 

    当時の鉄砲の鉛の70-80%は輸入、火薬の硝石はすべて輸入。外交能力がないと生き残れなかった。

    その中で信長は旧来の領土拡大ではなく、通商権を抑えた。つまり港。

    信長は律令制の中央集権国家を構想。そして重商主義の志向。武士から土地を引き剥がす事で戦国時代を終わらせて国を安定さ

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    2024年07月07日
  • ふりさけ見れば 下

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    いやあ、下巻はますます面白かった。「ふりさけみれば」しか知らなかった阿倍仲麻呂に名前しか知らなかった吉備真備。すごいじゃない。楊貴妃の最後はこんなんやったんや、それも知らんかった。あと、奈良の西大寺に行って知った孝謙/称徳天皇、怪僧として知られる道教、近江高島に行って知った恵美押勝に、名前だけだけど後の桓武天皇も出てきてワクワクした。いや、奈良時代、おもろいやん!

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    2024年01月20日
  • ふりさけ見れば 下

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    遣唐使と日本古代史を繋ぐ傑作 下巻 面白い!
    阿倍仲麻呂と吉備真備に関する史実を基に、奈良時代の日本が唐との関りのなかでどう発展してきたのか、ダイナミックなストーリーに仕立て上げている。時代考証も丹念に行っている様で、この本に書かれていることが事実であったとしても納得できてしまう。
    それにしても三千年の歴史を持つ中国という国の大きさ、恐ろしさを改めて感じさせられた。

    井上靖の「天平の甍」と同時代を描いており、合せて読むことでさらに深く楽しめる。

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    2025年12月03日
  • ふりさけ見れば 上

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    遣唐使と日本古代史を繋ぐ傑作 面白い!
    阿倍仲麻呂と吉備真備に関する史実を基に、奈良時代の日本が唐との関りのなかでどう発展してきたのか、ダイナミックなストーリーに仕立て上げている。時代考証も丹念に行っている様で、この本に書かれていることが事実であったとしても納得できてしまう。
    それにしても三千年の歴史を持つ中国という国の大きさ、恐ろしさを改めて感じさせられた。

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    2025年12月03日