安部龍太郎のレビュー一覧
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この時代の武士たちの精神構造をよく知ることができた。物語も簡潔で劇的で深い。この時代の不可解な出来事を理解しようとした時また読み返すことになるだろう。その時この短編集をより深く味わえることになりそうだ。
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1591年、秀吉は、東北仕置きに乗り出す。これに対し、南部氏の一族である九戸政実は敢然と反旗を翻し、九戸城に籠城。わずか3,000の城兵に対し、秀吉が送り込んだのは、15万という破格の大軍。しかし、圧倒的な戦力差がありながら善戦を続けていた九戸軍は、なぜか、わずか数日であっさり和議を受け入れる。そして果敢な抵抗の裏に潜む歴史の大いなる謎とは。。。特徴は、 アテルイや安倍氏、平泉藤原氏など、中央政権から常に圧迫され続けた東北の苦難の歴史を背景に、見事に重ね合わせることで、「奥州の大義」と「自立の誇り」をくっきり浮かび上がらせた事。安部龍太郎作品ならではの史観に溢れた傑作。もちろん5つ星ですよ~
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小田原の北条氏を滅ぼし、天下統一の総仕上げとして奥州北端まで攻め込もうとする秀吉軍。中央に反抗し一揆を起こした土着民を平定するために行われた戦国最大の「奥州仕置き」であるが、秀吉(の歓心を得ようとする三成)の狙いは朝鮮出兵を間近に控え、寒さに強い武士と人足を確保する人攫いだった。この真の狙いを見抜き、奥州北端の九戸城で籠城作戦をとる九戸4兄弟の嫡男、政実。秀吉軍15万に対し、籠城方はたったの3千。伊達や蒲生、井伊、徳川などの連合軍に囲まれながらも知略で対抗する。安部龍太郎さんの小説は初めて。史実に基づきつつ一定のフィクションを織り交ぜた読みやすく、違和感のない内容。東北地方の歴史的背景や価値観が丹念に描かれ、奥州側の立場にめちゃくちゃ共感。「逆らえば滅ぼされ、従えば搾取される」。極端な言い方かもしれないが、北国の人々(南国も)はいつの時代も中央の権力者に搾取されてきた。価値あるものは奪われ、不要なもの、危険なものを押し付けられてきた。この状況が令和の今も残っていることを忘れないでおきたい。
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加賀百万石は伊達ではなかった
信長、秀吉、そして家康の時代を生きぬいて前田家の礎を固めた利家、利長、利常。徳川の時代にも凄まじい暗闘があったという物語だが、それゆえに復興された城郭、今に残る文化に格段の輝きを見い出した。
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納得の力作
作者の洞察力に改めて敬服した。現代史でも真実が闇に塗り込められているなか、この激動の時代を読み解ける出色の歴史小説のひとつでは。やや劇的な色合いもあるが真相にせまった作品で、前田利家、利長の見方も一変した。作品のタイトルに込められた作者の意図もわかった。
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平城京遷都を史実の中にフィクションを織り交ぜながらミステリー仕立ての構成で、とても読みやすく面白かった。
飛鳥から奈良時代への幕開けの時を描いた作品。
主人公は阿倍比羅夫の息子、阿倍宿奈麻呂の弟船人。
船人は架空の人物で実在の人物ではない。
史実の中に架空の人物がうまく入り込みミステリーを作り上げていると思う。
不比等が平城京遷都を急がせただろうことは、何となく知っているし、天智天皇派と天武天皇派に遺恨が残っていたことも何となく知っている。
そこを上手く利用してミステリーになっていると思う。
現在、ちょうど薬師寺や唐招提寺方面から平城宮跡に向かう方向に、その昔大極殿を作る時に使う木材を運ぶために利用したとれる川が流れており、小説を読むとその情景を思い出して感慨深いものがある。
個人的には持統天皇の後、繋ぎの印象の強い元明天皇が生き生きと描かれているところは新鮮だった。
小説には、幼き日の仲麻呂や吉備真備が登場し、やがて成長して遣唐使船に乗るところまで描かれていて、歴史が繋がっていることも実感する。
阿部龍太郎さんの小説は初めて読んだけど、他の小説も読んでみようと思う。
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Posted by ブクログ
2025.10.28
本書の解説は縄田一男。このシリーズは解説がとても良い。読むかどうかは各巻の解説を読めば明らかではないかと思う。
次に小牧・長久手の戦いを始めとする家康と秀吉の戦いはきめ細かく描かれていて、地元に住んでいる者として、距離感なども含め、それぞれの立地や位置関係がしみじみと伝わる。
最後に秀吉の名古屋弁というか尾張言葉の巧みさである。令和の今でも、名古屋の人は名古屋弁、尾張ことばと標準語を使い分けているが、秀吉の描写では、さもありなんという感じがこれも地元民としてリアリティが高い。
以上三点について述べたが、こうした例に示されるようにさまざまな点に目配りが効いている作品だからこそ読みやすく、なおかつ、面白いのだと感じる。 -
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本多正信、正純は歴史の表舞台に立った有名な親子。正信には養子に出した息子、政重がいて、この本の主人公だ。私は正信、正純を相似形として認識していたが、政重を知ることで正信をより深く理解出来たように感じた。正純、政重いずれも父、正信の一面と思えば、正信は陰湿な策謀家という私の評価も不屈の信念の人と変更すべきかもしれない。
それにしても親子三人の絡み合いはなかなか興味深い物語だ。