安部龍太郎のレビュー一覧

  • ふりさけ見れば 下
    いやあ、下巻はますます面白かった。「ふりさけみれば」しか知らなかった阿倍仲麻呂に名前しか知らなかった吉備真備。すごいじゃない。楊貴妃の最後はこんなんやったんや、それも知らんかった。あと、奈良の西大寺に行って知った孝謙/称徳天皇、怪僧として知られる道教、近江高島に行って知った恵美押勝に、名前だけだけど...続きを読む
  • 家康(七) 秀吉との和睦
    秀吉との和睦という副題がぴったりの内容。家康は、秀吉が信長を裏切り、全く異なる世界を作ろうとしていると思っていたが、秀吉は信長の夢見た律令制に従った統治制度を志していて、同じ理想を持つことを知り、少しずつ敵対心が溶けて、恭順への姿勢に変わっていった。
  • 家康(六) 小牧・長久手の戦い
    徳川軍の強さ、秀吉の執念、大正大地震による衝突の回避などが印象に残る。終始、家康の信長へのブレない忠義、それに基づく秀吉への対抗が本巻の通奏するテーマである。
  • ふりさけ見れば 下
    「ふりさけ見れば(下)」(安部龍太郎)を読んだ。

    うわーい!
    これは久しぶりに胸熱(死語?)ですわ。

    阿倍仲麻呂と吉備真備という二大巨星の波乱の生涯と貫かれた信念の物語。

    綺麗にまとめましたね。
    安部龍太郎、恐るべし。

    お勧めです。
  • 家康(七) 秀吉との和睦
    大河ドラマの影響でなく著書独特の「家康」という人物の描写、物語の進み方に興味を惹かれていた、(六)巻から間が空いたが違和感なく手にとる。
    六巻まで物語を読んでみてあまり感じていなかったが、著書においてこれまでの歴史小説と違う構成の仕方が、臨場感や家康の心の機微が伝わる気がした。それは何かというと徹底...続きを読む
  • 迷宮の月(新潮文庫)
    遣唐使の苦労について描かれており、歴史に触れることができる。まだ奈良の飛鳥に都がある時代であり、日本と中国の横の歴史を感じることが出来ました。舞台は主に中国でしたが、同時代の他の地域についても知りたくなりました。
  • 蝦夷太平記 十三の海鳴り
    戦の場面が数多く出てきたのに、主人公が一度も刀を使わなかったのには、驚いた。鎌倉時代の末という戦乱の時代に、こうゆう武将もいたというのは驚きだった。
  • 迷宮の月(新潮文庫)
    日本における『天皇』という存在。
    それがいかにして守られてきたのかを知ることの出来る本作品。
    粟田真人率いる遣唐使が唐に渡り為してきたことが今の日本国、そして天皇を守ってきたのだと感じます。
    過去から学び未来を創っていく、そうした考えはこの時代も今の時代も変えてはいけないものなのだと教えてもらえる、...続きを読む
  • 迷宮の月(新潮文庫)
    日本の未来を自分が切り拓くんだという粟田真人の覚悟が伝わってきた。
    痺れました。めちゃくちゃ良かったです。
  • 維新の肖像
    誰もが無意識のうちに明治維新を近代化への第一歩と捉えてきた中、その意義を改めて問い直した作品。

    主人公は、二本松出身の歴史学者にして実在の人物。父は戊辰戦争に参戦し、敗北した経験を持つ。
    主人公は明治以降の教育を受けたため、戊辰戦争に敗北した父をはじめ故郷の人たちを見下し反発する。そして、アメリカ...続きを読む
  • 対決!日本史2 幕末から維新篇
    前作に続いて多くの学びが得られる対談。
    自分の知識や理解不足の為に吸収できることが限られてしまうことに忸怩たる思いが募る。書物からもっと多くの学びを得ていきたいと考えさせた。
  • 蒼き信長(下)

    信秀、信長の半生に興味はつきな

    「信長公記」は何度か読み信長の一生に感動している。羽生道英氏著作「小説織田三代記」等々で公記に記載されていないことを体系的に知り理解が深まった。しかし、信長の前半生以前について空白の部分、納得のいかない部分もさらに増えた。
     私は、天下統一の基盤となる信長の父、信秀が成したこと、それに続く信長の尾張...続きを読む
  • 婆娑羅太平記 道誉と正成
    南北朝期について教科書に毛が生えたくらいの知識しかなかったけれど、非常に面白く読みました。「天皇」とは、物流の利権、など、読み返してもう少し自分のうちにおとし込みたい。
  • 婆娑羅太平記 道誉と正成

    太平記にますます深まりそう

    佐々木道誉に惹かれ、本書を読んだ。
    いつもながら先生の分析力、創造力に舌を巻きながらますます道誉が理解出来、好きになった。
    これまで太平記を読んで道誉と正成はこれまでまったく別次元の存在と思っていたが、存外共通するところが多いところに気づき太平記にますます深まってしまいそう。
  • 天馬、翔ける 源義経 下
    俗に「判官贔屓」と言う。義経は、力を尽くして働いたにも拘らず、「余りにも正しく努力や成果が評価されない?!」という状況に陥ってしまう。その辺に理解を示す人達は、力を尽くして彼を助けるのだが、その限りでもない人達も多い。
    対して、君臨しようとする最高指導者には「トップの孤独」がある。頼朝は、本拠地にし...続きを読む
  • 天馬、翔ける 源義経 中
    平家との戦いが進む中、古くからの地盤を有するでもない義経が有能な家臣を従がえて勇戦することが叶ったのは、どういうことであったか?鎌倉幕府による全国支配の仕組みが築かれて行く過程はどういうことであったか?そういうようなことが、本書の物語を通じて色々と判るという面白さも在る。
    「戦いの時代」を描く物語と...続きを読む
  • 天馬、翔ける 源義経 上
    本作は、題名も示すように、「翔ける天馬」のように源平合戦の時代に勇躍した源義経の物語である。と同時に、それ以前の時代とは「一線を画す」という体制である鎌倉幕府による支配を成立させて行く、兄の源頼朝の物語という側面も大きいと思う。
  • 彷徨える帝(下)
    たしかに、単なる伝奇小説でも歴史小説でもない。足利将軍家、南朝方との争いに、独自の世界観をもち、堂々と描き切っている。
    あまり馴染みのない後南朝時代。皇室のありかた、後醍醐帝、楠木正成など、歴史の影、隙間に触れる事ができました。
    素晴らしい。
  • 宗麟の海
    題名の『宗麟の海』の「宗麟」とは、戦国大名の大友宗麟である。現在の大分県である豊後国を本拠地としていた。そして大分駅の辺りには、「旅の者よ!我が領国を観たか!」とでも言い出しそうな雰囲気を漂わせる大友宗麟の銅像が在った。
    加えて題名の「海」であるが、これは大友宗麟の人生が「海」と共に在ったかもしれな...続きを読む
  • 対決! 日本史 戦国から鎖国篇

    久しぶりに面白い本に出会えた

    私は若いときバスガイドをしていて長崎は修学旅行のコースでしたので、鎖国やキリシタンの事を学んでいたので、この本は凄く読みごたえがありました。ぜひほかの時代も対決して欲しい。特に南九州には神和があるので、古事記、日本書紀を読みといて欲しいです。楽しみにしています