安部龍太郎のレビュー一覧
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佐々木道誉に惹かれ、本書を読んだ。
いつもながら先生の分析力、創造力に舌を巻きながらますます道誉が理解出来、好きになった。
これまで太平記を読んで道誉と正成はこれまでまったく別次元の存在と思っていたが、存外共通するところが多いところに気づき太平記にますます深まってしまいそう。higehige -
俗に「判官贔屓」と言う。義経は、力を尽くして働いたにも拘らず、「余りにも正しく努力や成果が評価されない?!」という状況に陥ってしまう。その辺に理解を示す人達は、力を尽くして彼を助けるのだが、その限りでもない人達も多い。
対して、君臨しようとする最高指導者には「トップの孤独」がある。頼朝は、本拠地にし...続きを読むPosted by ブクログ -
平家との戦いが進む中、古くからの地盤を有するでもない義経が有能な家臣を従がえて勇戦することが叶ったのは、どういうことであったか?鎌倉幕府による全国支配の仕組みが築かれて行く過程はどういうことであったか?そういうようなことが、本書の物語を通じて色々と判るという面白さも在る。
「戦いの時代」を描く物語と...続きを読むPosted by ブクログ -
本作は、題名も示すように、「翔ける天馬」のように源平合戦の時代に勇躍した源義経の物語である。と同時に、それ以前の時代とは「一線を画す」という体制である鎌倉幕府による支配を成立させて行く、兄の源頼朝の物語という側面も大きいと思う。Posted by ブクログ
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私は若いときバスガイドをしていて長崎は修学旅行のコースでしたので、鎖国やキリシタンの事を学んでいたので、この本は凄く読みごたえがありました。ぜひほかの時代も対決して欲しい。特に南九州には神和があるので、古事記、日本書紀を読みといて欲しいです。楽しみにしていますご供養
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歴史小説に挑んで30年の著者が新史料をもとに書き下ろした「本能寺の変」の最先端解釈。信長の最期の言葉「是非におよばず」の真意とは・・・?Posted by ブクログ
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敵対する陣営に在る者同士として出会う道誉と正成は、やがて手を携え、そして袂を分かって行くが…その両者を軸に描かれる『太平記』の世界が非常に面白い!少し夢中になった…
鎌倉幕府の時代の末期、建武新政、そして室町幕府が起こる南北朝時代の始まりというような時期は戦乱が相次いだ。そういう時代の群像を代表する...続きを読むPosted by ブクログ -
「神々に告ぐ(上)」(安倍龍太郎)を読んだ。
『近衛前嗣』がいかなる人物なのか全くの白紙状態のまま読み始めたのだけれど、これはまたなんとも興味深い公家さんだ。戦国の世をどう生きていくのかこの先が楽しみ。
なお、前嗣の前に立ちはだかる『松永久秀』は私の妻がご贔屓の武将なのである。Posted by ブクログ -
「神々に告ぐ(下)」(安倍龍太郎)を読んだ。
正親町天皇即位の礼に向かっての緊迫感が凄まじい。
『近衛前嗣』と『松永久秀』二人を軸に信長や長尾景虎をも巻き込み物語は未曾有の高みへと駆け上るのである。
いやー面白かった。
もっと安倍龍太郎作品読まねばなるまいPosted by ブクログ -
いろいろ知らないことが多く、勉強になる本。戦国時代のキリスタンの影響力が印象的です。あと、作家の想像力が感じられて、素直にすごいなあと思いました。Posted by ブクログ
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どうして、長尾景虎や斎藤義龍、織田信長らが足利義輝の号令により、
上洛を試みたのか、その背景がストンと落ちてきた。
松永久秀と織田信長の関係性もきわめて印象的に描かれていて、
巷間で指摘されるところの、織田信長は松永久秀を特別扱いにしている、という点についても、
よくよく呑み込めるようになっている...続きを読むPosted by ブクログ