安部龍太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
日本の歴史は外圧から影響を受けて社会が変化して、古い政権から変化に適応したものが政権を取る繰り返し。
そして適応とは結局のところお金、経済を握る事。
室町後期から戦国時代にかけて、世界は大航海時代。ポルトガルが種子島に鉄砲を伝えたところから南蛮貿易が活発化。この流れに乗ったのが島津氏、毛利氏、そして信長だった。
当時の鉄砲の鉛の70-80%は輸入、火薬の硝石はすべて輸入。外交能力がないと生き残れなかった。
その中で信長は旧来の領土拡大ではなく、通商権を抑えた。つまり港。
信長は律令制の中央集権国家を構想。そして重商主義の志向。武士から土地を引き剥がす事で戦国時代を終わらせて国を安定さ -
Posted by ブクログ
大河ドラマの影響でなく著書独特の「家康」という人物の描写、物語の進み方に興味を惹かれていた、(六)巻から間が空いたが違和感なく手にとる。
六巻まで物語を読んでみてあまり感じていなかったが、著書においてこれまでの歴史小説と違う構成の仕方が、臨場感や家康の心の機微が伝わる気がした。それは何かというと徹底した家康目線で物語が進んでいく事であった。
歴史小説では、大局的に物語が捉えられ同じ場面でも「家康」の苦悩や想い、戦略や戦術と半目の「秀吉」の苦悩や想い、両者の戦略や戦術、心の動きを表現する事で、互いの駆け引きや物語の進行、解説にも繋がっていた。しかし著書では徹底した家康目線に拘る事で、必ずあるはず -
Posted by ブクログ
誰もが無意識のうちに明治維新を近代化への第一歩と捉えてきた中、その意義を改めて問い直した作品。
主人公は、二本松出身の歴史学者にして実在の人物。父は戊辰戦争に参戦し、敗北した経験を持つ。
主人公は明治以降の教育を受けたため、戊辰戦争に敗北した父をはじめ故郷の人たちを見下し反発する。そして、アメリカに渡り大学教授となる。
しかし、時代は日露戦争後の混乱期。
日本は満州事変に上海事変、首相暗殺、と軍部の暴走がエスカレートする。
そんな時代にあって、主人公は父の書付をもとに明治維新を再検討する。
そして、軍部の暴走の根源は明治維新にあると発見する。
「勝てさえすればどんな不正を働いても構わない」 -
購入済み
太平記にますます深まりそう
佐々木道誉に惹かれ、本書を読んだ。
いつもながら先生の分析力、創造力に舌を巻きながらますます道誉が理解出来、好きになった。
これまで太平記を読んで道誉と正成はこれまでまったく別次元の存在と思っていたが、存外共通するところが多いところに気づき太平記にますます深まってしまいそう。 -
Posted by ブクログ
俗に「判官贔屓」と言う。義経は、力を尽くして働いたにも拘らず、「余りにも正しく努力や成果が評価されない?!」という状況に陥ってしまう。その辺に理解を示す人達は、力を尽くして彼を助けるのだが、その限りでもない人達も多い。
対して、君臨しようとする最高指導者には「トップの孤独」がある。頼朝は、本拠地にした鎌倉辺りとは様子が違う場所で、“文化”が違う世界で育っているという経過、加えて“流人”という面倒な立場の故に「孤独」の中に在ったのだと見受けられる。そういうことが、体制が固まって、地位が高まる程に深まってしまっているというような様子が、本作では見受けられる。
色々な意味で興味深い作品だった!これに