安部龍太郎のレビュー一覧

  • 風の如く 水の如く
    黒田如水の密書をめぐり、本多正純が各大名へ訊問する形で話が進んでゆく。
    しかし、関ヶ原の前あるいは後と場面が錯綜し、読者もまま惑わされてしまう。
    関ヶ原は、家康と三成との戦いというのが歴史の定説であるが、著者はその裏に如水と家康との権謀と策謀の戦いがあったとみる。
    これがフィクションなのか、はたまた...続きを読む
  • 合戦の日本史
    5名の小説家による歴史座談会。山本兼一さんが亡くなられたので、途中から4名になっています。信長・秀吉・家康・幕末がテーマの4回。
    やはり、同じ歴史上の出来事でも、それぞれが着目する点って違うんだな、と当たり前なんだけど新鮮に感じました。それだからこそ、数々の歴史小説を読む意味もあるというものです。ま...続きを読む
  • 等伯(上)
    常に己の信念に忠実に生きてきた長谷川信春(後の等伯)。
    十一歳で武家から染物屋に養子に出されて以降、戦国の激流に翻弄され続けて不遇な時を過ごすも、その都度自身の絵に境地を救われる。
    このままでは終わりたくない。
    いつかあの狩野永徳を越える絵師になる!と常に永徳を意識しながら。

    山本兼一氏の『花鳥の...続きを読む
  • 等伯(下)
    戦国の浮き沈みの厳しい世の中で、ライバルとして張り合う等伯と永徳。

    永徳の等伯に対する妨害は読んでいて呆れる程徹底している。
    家柄といい才能といい、絵師として生まれながらにして恵まれている永徳。
    それなのに、そんなにも等伯の才能が憎いのか。

    永徳と比べ実直で不器用な等伯。
    次々に不遇に見舞われ絶...続きを読む
  • 半島をゆく 第一巻 信長と戦国興亡編
    以前買った雑誌サライに「半島に行く」の連載を見付けた。二度行ったことのある丹後半島だったので、興味を持った。
    さて、その連載が一冊の本となって上梓されたのを新聞広告で知り、購入、
    気楽な歴史紀行と思ってたら、どうしてどうして、面白くて、久しぶりにページを捲る手が止まらない読書となった。
    歴史作家と歴...続きを読む
  • 等伯(上)
    詳しくはないけど、等伯の画、好み。
    華々しい狩野派と同時代のお話。

    義父母の死、能登七尾から京の都へと。

    「あなたは信長に勝ちたいとは思いませんか」

    〜人は理不尽な暴挙に屈することのない気高さを持っていると、自分の生きざまによって知らしめたいのです。〜[日堯の肖像画]

    近衛前久との出会い
    ...続きを読む
  • 等伯(下)
    どちらかというと、こっちの巻のほうが読み進みやすかったかしらん。
    松林図の最大の山場で思い出すのは「ガラスの仮面」の雰囲気かしらw
    観客ともいえる秀吉たちががその場に完全に飲まれる辺りがなんともガラスの仮面で。
    おもしろかった。
  • 下天を謀る(上)
    戦国武将藤堂高虎の物語。上巻は若い頃から豊臣秀長に仕えた頃、徳川家康と天下のために奔走し始めるまで。秀長が庶民一人一人が幸せな暮らしを過ごせるように考える心に打たれ、高虎は家来になり邁進する。その主従愛がとても伝わってくる。しかし、秀長は早くに亡くなってしまい、その継子も暗殺されてお家断絶。高虎は暗...続きを読む
  • 下天を謀る(上)
    戦国時代の武将、藤堂高虎。
    個人的には加藤清正が好きなのだけども、まぁとにもかくにも
    藤堂高虎のことなんとなーくしか知らないし
    まぁ読んでみようかな、と。
    最初の方の小牧長久手の戦いらへんとか
    というか、前半がとにかくダラダラしてて
    これ進むのか?と思いきや半ばに差し掛かったくらいから読むスピードが...続きを読む
  • 浄土の帝
    後白河法皇になる以前の、丁度鳥羽法皇が崩御されて、後白河天皇~後白河上皇時代の保元の乱、平治の乱前後の物語。
    昨今平清盛の評価が昔の悪役のイメージから変わっていく中で、清盛と関係の深かった後白河天皇に興味があったので、この本を読み始めましたが、結構面白いので一気に読めました。

    後白河天皇は歴代天皇...続きを読む
  • 等伯(下)
    絵師として利休などの引立てだけじゃなく周囲の人間関係を丹念に描き、物語に必然性と読むものを引き込む壮絶な人生を疑似体験させてくれます
    意外とこの作家さんは肌にあうかも・・・
  • 等伯(上)
    生き様がすさまじい
    仏画から絵屋になるまでの物語が作家の想像力から生み出されたものなのだから、本って読むのが楽しい!
  • 葉隠物語 (1)
    葉隠をテーマにしつつ、本題は戦国ちょっといい話(どっかで見た文字列)。葉隠のお堅いイメージとは逆の「人情もの」と言っていい内容で、大真面目な画風とのギャップも面白い。
  • 等伯(上)
    やはりこの人の文章読みやすい。会話が多くてスラスラ進むが、会話がうまく書ける人ってなかなかいないような。程よくエンタメ性もあり、通勤時の電車の中だけで4日で読めてしまった。下巻も楽しみ。
  • 等伯(上)
    自分には厳しい割に、例えば、縁が切れた兄、武之丞や宿敵狩野永徳など他の人との関係には甘いところが多々ある人だと思うが、自分に厳しいからこそ、33歳から絵師を目指して狩野永徳と並び桃山時代を代表する絵師になれたんだろうと思う。
  • 下天を謀る(上)
    「冬を待つ城」が面白かったので、同じ作者つながりで読んでみたら、思いの外面白かった。奇をてらったところはないが、読んでいて清々しく、気持ちの晴れる本だ。
  • 等伯(下)
    利休や秀吉、一向宗の面々等時代を彩る人物が次々に現れる。 長谷川等伯について何も知らなかったと気付かされた。一気に読ませる本。戦国の絵師は、波乱万丈。
  • 等伯(上)
    日本史を学習すると長谷川等伯の名が出てくる。しかし、その詳細は、知らなかった。時代に翻弄されながらも時代の寵児となる様子が分かってきた。
  • 等伯(上)
    松林屏風図を見て感銘を受けたので
    とりあず 直木賞受賞の本作を読んでみた。

    戦国時代の不安定な世の中に振り回させれ
    命を危険にさらされながら筆一本で生計を立て
    地位を気づいていった等伯。
    前半は 七尾を追われ、 大坂にでるあたり
    絵書きとしての 修練の日々。

    よく見る事 人柄に迫るということなど...続きを読む
  • 等伯(上)
    ボストン美術館展 観て、等伯の作品に感動した。彼の生い立ちを知って想像とかなり違ったが、別の意味で興味が増した。2015年1月の国立博物館の展覧会には、是非行こうと思う。