• ネットフリックス vs. ディズニー ストリーミングで変わるメディア勢力図
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    世界に遅れた日本が分かる

     日本でも動画配信サービスを手掛けているネットフリックスとディズニーを軸に、アメリカメディアの最新事情が描かれている。両社が発展してきたプロセスも面白いが、何より驚かされるのはアメリカではメディアの再編が進むとともに、サービスが充実してきていることだ。今になってテレビの放送をインターネットでも見られる同時配信で騒いでいる日本がいかに遅れているかが分かる。アメリカはおろか、韓国にもエンターテインメントで後れを取っている日本のエンタメ界の未来を考えるためには必見の書といえる。

    #タメになる

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    2022年02月19日
  • 機龍警察 白骨街道
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    最新作にして最高傑作

     近接戦闘兵器「機甲兵装」が普及した未来を舞台に描かれたシリーズの機龍警察シリーズの最新作。今作では、警視庁特捜部と契約する3人の傭兵が容疑者の引き渡しを受けるため渡ったミャンマーと、特捜部の幹部が訪れた京都で物語が展開する。SF警察小説でありながら、軍が実権を握って少数民族のロヒンギャが弾圧を受けているミャンマー、さまざまな反社会勢力が跋扈する京都の描写は現実に即している。異なる2つの場所で起きる事件はやがて一つの大きな渦となり、ページを繰る手が止まらなくなる。シリーズ最新作にして最高傑作である本書は、「このミステリーがすごい!2021」の国内編3位にランクイン。このミス2021で1位となっ

    #カッコいい #ダーク

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    2022年02月19日
  • 宇垣美里 ファーストフォトエッセイ「風をたべる」
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    心に刺さるエッセイ集

     「女子アナのエッセイなんて」と思う人にこそ読んでほしい。宇垣美里という人間の感受性の強さ、それを文章にする表現力に驚かされるはずだ。どのエッセイも心に刺さるが、生まれ故郷の兵庫県で1995年に起きた阪神大震災について書かれた作品は必見。コロナ禍で心がささくれた人が多い今、必要なことが記されている。

    #泣ける #感動する

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    2022年02月14日
  • 暗殺国家ロシア―消されたジャーナリストを追う―
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    真実を追うことの難しさ

     2021年のノーベル平和賞を受けたロシアのジャーナリスト、ドミトリー・ムラトフ氏が編集長を務める新聞「ノーバヤ・ガゼータ」に密着したドキュメンタリー。メディア統制が強まるロシアで事実を追い求めるが、記者や関係者が相次いで不審死を遂げる。「人間の命」と「真実の追求」という究極の選択を強いられる記者たちの葛藤が伝わってくる力作。身の危険のない日本という安全地帯から、安易な政府批判を続けている自称ジャーナリストたちにこそ読んでほしい。

    #アツい #感動する #カッコいい

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    2022年02月14日
  • 婆娑羅太平記 道誉と正成
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    新たな正成像

     南朝に殉じた忠臣という側面から描かれることが多かった楠木正成。経済的事情から台頭した背景を説き起こし、新たな正成像を提示した。伊勢湾利権から織田家の発展を描いてきた安部龍太郎ならではの分析は興味深い。著者の初期作品で後南朝時代を舞台にした「彷徨える帝」には正成の末裔という設定で、南木正盛という人物が登場する。本書を読んで興味を持った方は、ぜひ「彷徨える帝」も読んでほしい。

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    2019年11月26日