安部龍太郎のレビュー一覧
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下巻では秀吉の天下になり権力を握ったゆえの傲慢パワーに振り回される庶民達。利休と交遊していた長谷川信春は、利休から等伯と名乗るよう遺言を進言される。利休に切腹を命じた秀吉、死者を冒涜する扱いをした石田三成に京都の庶民は怒り爆発で秀吉を蔑む短歌を貼り付けたり嫌われまくり。等伯は後世の者が見る利休の肖像画を描く。下巻では長谷川等伯の愚直な生き様に頭悪い奴だな〜とイライラさせられる展開になるが周りが助けてくれるのも絵の天才たる所以なのか。狩野永徳との対決、等伯以上の天才絵師だった息子の死、それを乗り越え松林図屏風の完成、爺さんになって徳川の時代になり、徳川家専属絵師に召し抱えられ江戸に行く。本の表紙
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中山義秀文学賞受賞作。
大昔読んだ山岡宗八「源頼朝」以来の「頼朝・義経伝」。
平家打倒後、兄「源頼朝」は武士中心の天下創建へ、弟「義経」は後白河法皇・朝廷中心の国へ。この国を治めるのは朝廷か武家の棟梁か。
頼朝はよく言われている猜疑心の強い性格に描かれているが、主人公の義経は天才的武将ではあるが自分勝手な性格になっているので感情移入が少しし難いが、美化された義経とは違い、頼朝に忌み嫌われた理由が納得できる。
切々たる義経の心情を表したものと思っていた有名な「腰越状」の中身が「義経犯すところなく咎を蒙る。功ありて誤りなしといへども御勘気を蒙る」なんて書いたらそれは頼朝怒るわ。
頼朝を信長ばりの新