【感想・ネタバレ】風の如く 水の如くのレビュー

あらすじ

関ヶ原合戦が終わった。天下分け目の大戦に勝利した東軍徳川方では恩賞問題に苦悩していた。黒田如水(官兵衛)に謀反の疑いあり! そんな訴えがあり、徳川家康は本多正純に真偽の究明を命じた。如水と石田三成との間に密約は存在したのか。東西決戦の絵図をひいたのは何者なのか。黒田如水・長政ら父子の情をからめ、関ヶ原合戦に秘められた謎の方程式を、鮮やかに解き明かした傑作長編。

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Posted by ブクログ

黒田如水を水とすれば、徳川家康は風。
関ヶ原の戦いの裏で九州平定に黒田如水が動いたという史実を最近知った。

大河ドラマにもなるというので、強く関心を持って、如水を取り上げた作品を読み進めるうちに出会った一冊。

天下分け目の合戦に際し、多くの人がそれぞれの想いを胸に、多種多様な動きをしたが、全てを見通してた男がいた。

またその時歴史を動かした人々の中に、天下の二兵衛と呼ばれた竹中半兵衛、黒田官兵衛の息子達が重要な役割を果たしていたとの事。

なんだか浪漫を感じる。

戦国時代を勝ち抜き260年にも及ぶ江戸時代を築いた家康の凄さを感じてしまった。

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2013年12月05日

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読んだ本 風の如く水の如く 安部龍太郎 20240612

 長らく歴史小説、時代小説ばかり読んでた時期があって、司馬遼太郎、山岡荘八、吉川英治、池波正太郎。人物や出来事に焦点を当てて、それぞれの歴史観、解釈を楽しんでました。
 安部龍太郎の場合、設定が大胆なので歴史小説の範疇を超えて時代小説って感じがするんですが、段々とこれが事実のように感じていく。記録に残った事実は皆に知られてるけど、記録に残ってない事実も当然ある訳で、それは作家の想像力が埋めていくって意味では立派な歴史小説なんだよな。
 黒田如水は、関ケ原の合戦が行われてる時に九州を席巻して、どさくさ紛れに天下を狙ってたってのは周知の事実だけど、その陰謀が関ヶ原にまで及んでたってお話。それを論功行賞中の合戦後間もない時期に本田正純が陰謀を暴こうと黒田長政や竹中重門なんかを訊問していく。この罪を暴こうと訊問していく形式ってのが新鮮で、戦国小説っぽくないんだけど、登場人物が戦国好きに刺さってくるんですよね。
 登場人物の人物像なんかイメージから離れてないし、関ケ原なんかも知ってる通り展開していく。なんだけどひとつひとつの意味が新しく付加されてて新しい歴史観になってます。それぞれの親子や、ラストのユダが誰かってシーンなんか小説としても唸らせられます。

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2024年06月12日

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官兵衛を関ヶ原に深く関与させ、父と子というテーマで話を捉えることもできる。場面がよく変わるので時系列の把握に手間取ったが、推理小説風の歴史小説は斬新で楽しめた。まるっとするっとお見通しの家康様恐るべし

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2022年09月24日

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黒田如水の密書をめぐり、本多正純が各大名へ訊問する形で話が進んでゆく。
しかし、関ヶ原の前あるいは後と場面が錯綜し、読者もまま惑わされてしまう。
関ヶ原は、家康と三成との戦いというのが歴史の定説であるが、著者はその裏に如水と家康との権謀と策謀の戦いがあったとみる。
これがフィクションなのか、はたまた小説家の想像力によって描き出された歴史の裏面史なのか。
確かに、関ヶ原の戦いの最中、如水は九州の各地を次々と制圧していった。これは史実であるが、その裏にこれ程の策謀があったのだろうか。
如水の密書にいう「三方」とは、誰と誰のことだろうか。後半明かされるその人物の名前には、読者は皆”エッ”との声を上げてしまうかも。
歴史ミステリーファンにとっては、たまらない瞬間といってもいいか。
さらに、秀忠が関ヶ原に遅参したのは信州真田の抵抗によるものではなく、家康からの指示でその場にとどまり、ある勢力の進発に備えたためだとか。
歴史には何が隠されているかわからない、面白いな~。
家康と如水との虚々実々の戦い、「家康は風、如水は水」この例えもなんとなく納得できるなあ。

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2017年09月29日

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関が原の合戦にまつわる数多くの武将たちの攻防、謀略は非常に複雑怪奇でついていくにも苦労した。その表裏を論功の評価調査を通じて解きほぐしていく流れはスリリング、でもこのストーリーの面白さは様々な父と子の関係だ。本田正純と正信、黒田長政と如水、細川忠興と幽斎、前田利長と利家、竹中重門と半兵衛、徳川家康と秀康、等々。さらに歴史小説を読んだらまた帰ってこよう。

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2014年05月31日

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ネタバレ

関ヶ原の裏での黒田如水の陰謀を本多正純が暴くという内容だが、関ヶ原に至るまでの駆け引きが実際にそうだったのかもと思わせる内容であり、読みごたえがあった。

ただ、「風のごとく、水のごとく」というタイトルは、家康が風で如水が水として本文中で言及されていることに由来するタイトルなのだが、正直これらのたとえの意味はあまりすとんと落ちてこなかった。

どう考えても、化け物のような徳川家康(及び本多正信)と黒田如水との間の、狸のごとく、狐のごとくの騙し合いが実態ではないかと感じた。

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2014年01月18日

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司馬遼太郎の「播磨灘物語」が晩年の如水を描き切れていなかった。本作品の関ヶ原の合戦における家康と三成を相手とした第三極として立ち振舞いは満足させるものであった。

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2013年12月23日

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関ヶ原の前後に繰り広げられる陰謀の数々を解き明かす物語。
もし少しでも誰かの思惑が違っていれば歴史が変わったかもしれない微妙な駆引きというところまでは面白いが、頻繁に時間が変わるので読んでいて混乱する。もう少し章立てを工夫するともっと読み易かったのにと思う。

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2020年03月28日

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関ヶ原後に家康の近習である本多正忠が、黒田官兵衛の謀反の疑いを調査する話。家康が天下を取ったらキリシタンを認めないであろうと思い、ならば西軍と東軍が争い疲弊した勝者を滅ぼし天下を取ろうとしたキリシタン大名黒田官兵衛の最後の野心は、わずか一日で東軍圧勝に終わり不発に終わる。そこまでの水面下の謀略策略は凄まじい。なぜ軍師はそこまで先見の明を持っているのか凡人には理解できないな。

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2014年09月21日

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映画化したら玄人好みの話になりそう。本多正純を主人公として、関が原を巡る如水と家康の伏線の張り合いを、戦後の論功行賞のための尋問を通して解く。如水ならさもありなん...と後世まで思わせるのがすごい。

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2014年09月03日

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ネタバレ

設定自体は面白いけど、官兵衛の策が明らかになる過程がややだらだらとして新鮮な驚きみたいなものはあまりなかった。



主人公は本多正純で、結局官兵衛の策を見抜いた上、西軍+東軍のほとんどが味方じゃない状況で戦を一日で制した家康すごすぎるだろという話だったので、すごく徳川寄りな話なんじゃないか、という気がしました。

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2014年01月18日

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関ヶ原の戦いで東軍・西軍の他に第3局があったとの仮説。確かに戦後の領地分配に偏りがあることは、気になっていたが・・・。

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2013年11月28日

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