あらすじ
遣唐大使の命に背き罰を受けていた阿倍船人は、突如兄から重大任務を命じられる。立ち退き交渉、政敵との闘い……。数多の困難を乗り越え、青年は任務を完遂できるのか。直木賞作家が描く、渾身の歴史長編!
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Posted by ブクログ
平城京遷都を史実の中にフィクションを織り交ぜながらミステリー仕立ての構成で、とても読みやすく面白かった。
飛鳥から奈良時代への幕開けの時を描いた作品。
主人公は阿倍比羅夫の息子、阿倍宿奈麻呂の弟船人。
船人は架空の人物で実在の人物ではない。
史実の中に架空の人物がうまく入り込みミステリーを作り上げていると思う。
不比等が平城京遷都を急がせただろうことは、何となく知っているし、天智天皇派と天武天皇派に遺恨が残っていたことも何となく知っている。
そこを上手く利用してミステリーになっていると思う。
現在、ちょうど薬師寺や唐招提寺方面から平城宮跡に向かう方向に、その昔大極殿を作る時に使う木材を運ぶために利用したとれる川が流れており、小説を読むとその情景を思い出して感慨深いものがある。
個人的には持統天皇の後、繋ぎの印象の強い元明天皇が生き生きと描かれているところは新鮮だった。
小説には、幼き日の仲麻呂や吉備真備が登場し、やがて成長して遣唐使船に乗るところまで描かれていて、歴史が繋がっていることも実感する。
阿部龍太郎さんの小説は初めて読んだけど、他の小説も読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
かつて遣唐使として活躍した阿倍船人が平城京を造るために奔走する物語。同著者の「迷宮の月」に続く話である。
白村江の戦い、壬申の乱といった聞いたことはあるけどイマイチ何なのか分かってない史実を織り交ぜ、遷都を妨害する黒幕の正体を追う船人の奮闘がドラマチックに描かれている。
巻末解説にもある通り、テクノクラート×ミステリとして楽しめる一冊。
地理や建造物に関する説明が随所にあり、より風景のイメージが湧きやすいが、人によっては疲れてしまうかもしれない。だが、細かいところは読み飛ばしてしまっても物語として十分楽しめる。
Posted by ブクログ
現在、日経で連載中の「ふりさけ見れば」ともリンクする話。「ふりさけ見れば」に出てくる安倍仲麻呂や吉備真備が少年のころ、平城京を作るために、その反対勢力と戦う主人公・安倍船人(安倍仲麻呂の叔父)の物語。ミステリーの要素もありながら、当時の生活の様子や難波津の様子が描かれており当時にタイムスリップしたような気持ちで楽しめた。
Posted by ブクログ
平城京を作るとは、どれだけ大変な事なんだろうと読み進めていくと
ミステリ感てんこ盛りの結末です。
当時の天皇派閥の争いが、ずっと続いてるのですね。
Posted by ブクログ
短期間に平城京を造営し遷都を実現しようとする藤原不比等、その命を受けた主人公阿倍船人と言われてさて、となる時代の物語。白村江の戦いから日本の歴史を思い起こせるか、歴史の教科書からの繋がりだけではややこしい権力争いが巻き起こるこの物語を読み切るには厳しかった。歴史の教科書でミステリーの醍醐味を感じるのは難しい。
Posted by ブクログ
歴史小説というよりも、古代史を題材とした娯楽サスペンスに近い。期待とは少し違いました。
ただ、不比等が遷都を急いだことや平城京の大極殿を藤原宮の大極殿をバラして運んで組み立てたとのこと。