あらすじ
戦後80年。この国の『影』と『罪』。
権謀術算が渦巻いた日米開戦の真相!
「知の巨人」と「歴史小説の雄」が
日本が破滅へと向かった分水嶺に迫る!
本書は満州事変から真珠湾攻撃までが舞台。
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Posted by ブクログ
当時世界情勢の中の日本の状況と国内世論で戦争反対を叫ぶことは相当困難だったと想像する。
唯一と言って良いマスメディアが戦争を煽っていた中、一般市民に戦争を避ける判断はできるはずがないと思われる。
そこで重要なのは学者、政治家、軍人といった当時のエリートが国際関係を正しく判断して戦争を避けつつ国益を損なわない舵取りをすべきだったがそれに失敗したのが破滅に至った原因。
本書で触れられている南京虐殺のくだりは知れて良かった。敵は便衣兵であることの恐怖は計り知れない。一般人であろうがやらなければやられる恐怖、女子供でも密告されて後で標的になるかも知れない恐怖、自分が軍に入れば同じことをやらざるを得ない。下士官以下の兵は加害者であり被害者であった、そして当時の中国の一般市民が1番の被害者であったことは間違いない。
戦争の1番の被害者はいつも一般市民、この事は絶対忘れてはならず、昨今の勇ましいテレビやネットメディアでの勇ましい言説に不安を覚える。