新田次郎のレビュー一覧

  • 八甲田山死の彷徨

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    日露戦争前夜の八甲田山での日本陸軍の遭難事件。あまりにも有名な事件だけれど、ほぼ全滅した連隊とは別に、無事生還した連隊があったことがどこまで世間に知られているのか。第五連隊の準備不足、指揮命令系統の混乱、組織論理の優越から来る非合理的な判断、劣等感から意見の飲み込みなど。現代社会において組織に生きる私たち自身も振り返るべき問いが多々ある。合理的な判断でないと思っているにも関わらず、それにいい諾々と従うことは逆に罪深い。
    また生還した第三十一連隊の徳島大尉の平民への差別意識も甚だしく、加えて、軍隊が駐屯することになった村・集落の負担も相当なものだったろう。寒村で自らの食糧でさえままならないだろう

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    2025年01月03日
  • 冬山の掟

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    短編集で様々な雪山登山の自然を相手に登る恐さを書いている。読みやすいのはもちろんだが人間のエゴは昔も今も変わらずそして自然に対してちっぽけな存在だと充分分からせる内容だった。
    新田作品は集めているがこの本も何回も読み返したい作品で手元にないのが惜しい。

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    2024年12月13日
  • 八甲田山死の彷徨

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    まず、ここまで克明にリアルな表現で書いてくださった著者新田氏に感謝したい。
    この小説に出会わなければ、八甲田山の雪中行軍の悲劇をしらずに生きていただろう。
    人間模様まで聡明にイメージできた。
    新田氏、有難うございます。

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    2024年12月03日
  • 八甲田山死の彷徨

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    八甲田山遭難のあまりの過酷さに食い入るよう読みました。当時の粗末な装備と、知識や情報もない中のでの彷徨は考えるだけで恐ろしい。凍傷で服のボタンが外せずに用も足せず失禁した衣服が凍って凍え死ぬとか想像を絶する。

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    2024年11月06日
  • 槍ヶ岳開山

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    山岳小説であり歴史小説だった。
    当時の登山装備で厨子と仏像を持って槍に上がるというのは、考えられないことだ。念仏行者について深く考えさせられた。
    徳念は最後の最後にちょっと残念。

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    2024年11月02日
  • 八甲田山死の彷徨

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    小説とは言いつつも、史実に即した内容は興味深く読めた。
    指示系統の曖昧さが起こす悲劇は、今の社会も変わらない気がする。

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    2024年10月31日
  • 孤高の人(上)

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    ネタバレ

    ずっと、自分と山と向き合い続ける加藤文太郎の生き様が好きです。
    孤高とはいうものの、孤独であり不器用なのですが、そこが魅力でもあります。
    だから、誰かと共にあろうとするとき、彼には悲しい出来事が決まって起きてしまう。
    唯一、伴侶が出来て、子どもを授かった時に、山から距離を置いたあのときが、彼にとって誰かと幸せを共有できた時間で、それがとても尊いものに感じました。

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    2024年10月20日
  • 富士山頂

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    読み応えたっぷり楽しめた。

    三部からなる。
    富士山への気象観測レーダー建設着信前の気象庁での話、建設途中での出来事、完成後の諸問題などとわかれる。
    現場は山岳だが、内容は国家予算による一大プロジェクトを成し遂げた省庁でのお仕事ドラマだろうか。

    仕事を受けたくでドロドロした対立関係になる会社は分割発注なのかシングルなのかで建設期間も限られた中での指示系統をも鑑みた、統括のとても難しい中での人間ドラマ。

    現場監督のことば、建設に関わった者の名をプレートで残すことで、この仕事の真意は人の数、技術、金、ではなく人の気持ちだ、という最後は人、その人を奮い立たす誠意と覚悟。

    完成を祝う乾杯の席でも

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    2024年10月20日
  • 劔岳〈点の記〉

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    ネタバレ

    唐松岳→白馬岳を縦走した際に読み始めた。
    山岳小説自体初めてだったが、自分も共に登山しているような気持ちになり、とても良い読書体験だった。
    仕事として男として劒岳登頂を完遂させようとする芳太郎さん始めとするメンバーの熱さに、自分の気持ちも熱くなるような思いがした。
    いつかは劒岳の三角点をこの目で観るために登頂したい。

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    2024年09月26日
  • 劔岳〈点の記〉

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    立山の地図と照らし合わせながら、むさぼるように読みました。自分は登山をするのですが、まるで自分が登っているような興奮を与えてくれました。いつか長次郎谷ルートを登ってみたい。

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    2024年09月24日
  • 武田信玄 風の巻

    購入済み

    新田次郎の最高傑作。

    イマドキの歴史小説家さんは、結構大胆にキャラ設定して、割と自由に立ち回るじゃないですか?
    でも、新田次郎が書いていた頃は、実在する歴史上の人物を主人公とする時、歴史文献や史実の確認をしっかりと踏まえた上で書かないと、『キワモノ小説』扱いされるし、地元住民から怒られる様な時代だったんですよ。多少の贔屓目は有りとしてもね。

    そういう意味で、重厚且つじっくりと話が進みますので、気の短い方には不向きかもしれません。でも、それを乗り越えて読み進めていくと、信じられないほどの一体感と云うか《同じ場所にあたかも自分がいる様な》錯覚すら受ける瞬間がやってきます。その時の感動と言ったら…!!
    そういう時に「読

    #感動する #深い #カッコいい

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    2024年09月08日
  • 孤高の人(下)

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    やっと上巻に続き下巻を読み終えた。
    特に山に興味を持っていない私が読み終えるのはかなりきつかった。
    興味があったのは、上巻でも書いたが
    なぜ山に登るのか
    はじめは、ただ汗を流すため
    最終的には
    山そのものの中に自分を再発見する
    困難な立場に追いこまれれば追いこまれるほど
    人間的に成長していく。
    なんとなくわかるような気がします。

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    2024年08月29日
  • 孤高の人(上)

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    以前から気になっていた本で、やっと上巻を読み終えました。夢中になって読む事ができました。
    ただ登山をしたことがない自分にとっては難しかった。
    本の中でなぜ山に登るのか
    汗を書きたいからとか、自己満足とか
    何なのでしょう。
    また本のはじめの方に、やりたいことをやる
    とありましたが、
    大谷翔平のことを思い出し、みんなか二刀流は駄目だという中、ただやってみたかった
    なにか共通するものを感じました。
    では、自分がやりたいものは
    NHKの虎と翼ではないけど、はてと考えてしまいます。
    全くまとまりのない感想でした。

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    2024年08月26日
  • 富士に死す

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    富士山に興味がある今、登る前に知れてよかった。

    霊峰富士、民間信仰が急速に大衆化した「富士講」が始まったのが天正年間。1573〜1592頃
    元禄2年1689年頃からの5代目月行と月心と6代目となると伊兵衛の生涯の話。

    駿河国浅間神社の浅間大菩薩、それまでは木花開耶姫/コノハナサクヤヒメ、を祭神としていたが、神と仏が合体して、浅間大菩薩という宗教対象が生じた

    お鉢周り〜東賽の河原〜銀明水/下がった岩の根からの湧き水=御神水〜大宮口、大日如来の堂〜剣ヶ峰〜親知らず子知らずの岩場〜雷岩〜釈迦ヶ岳、溶岩峰、釈迦の割石の凹部が1675年8/15 案山禅師の入定の場

    仏教では戒律、禅定、智慧の三つ

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    2024年08月11日
  • 孤高の人 5

    購入済み

    もう別フィールド

    表紙の男性。これ、純粋に坂本さんの絵ですよね。そう思ったら原作者の他は坂本さんしか名前を連ねていない。
    4巻の最後あたりから、もう坂本ワールド炸裂という感じでしたが。登山のストーリーをはるかに凌駕している。
    登頂するメンバーが勢揃いしました。K2を目指してトレーニングが始まります。

    #切ない #怖い #深い

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    2024年08月03日
  • 孤高の人 4

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    芸術的な絵

    一巻にあった原作者と作画の坂本さんの他のお名前が1人減っている。あれ?
    夕実との再会。こんなふうに変わってしまったのか。少し悲しいです。ところで山のことはまるでわからないまま読んでいますが、実は先日、ショッキングなニュースがありました。あるテレビタレントさんを何度も山へ引率された登山家がK2で滑落事故に遭い、捜査打ち切りということでした。ちょうどこの巻でK2が描かれており、危険な場所であること、名前の由来等を知ったばかりで驚きました。
    作画の美しさはどんどんレベルアップ、というか坂本先生の世界に引き摺り込まれて行ってます。たった黒と白の世界にどうやってこの色彩を表現できるのか。また妖艶な肉体、

    #怖い #ドキドキハラハラ #ダーク

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    2024年08月03日
  • 孤高の人 2

    購入済み

    引き込まれてしまう

    ヤングジャンプのフェアで一巻をお試しで読みました。作画の素晴らしさやストーリーの力強さに引き込まれて作家の坂本さんの他の作品も合わせて読みました。「イサク」シリーズですが、こちらはあまりの美しさに逆に引いてしまった。残酷で華美で不潔であまりにも美しい。これはもう芸術としか思えませんでした。そしてまた孤高に戻ったら、あれ、案外普通?と感じました。が、だんだん出てくるんです、坂本さんの芸術的な絵が。

    #ドキドキハラハラ #カッコいい

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    2024年08月03日
  • 孤高の人 17

    匿名

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    終わっ・・・た

    気付いたら最終巻だった。
    なんと、頂上まで行けたんだね、打ち切り並みの早さだったけど生きてるならいいや!花ちゃんが幸せならまあいいや!

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    2024年07月21日
  • 孤高の人 16

    匿名

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    わからーーーーん!

    セリフのないページどれだけあった?まるで画集を見てるみたいだ。綺麗だけどストーリーがわからん!
    文太郎の生死は不明!

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    2024年07月21日
  • 孤高の人 15

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    え、なんだ?

    どこか飛ばしたか??よく分からん。
    健村死んで、なんで急に原くん?
    画力すごいんだけど全部雪山だからどこの雪山だかさっぱり。

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    2024年07月21日