新田次郎のレビュー一覧

  • 八甲田山死の彷徨

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    指揮命令系統のあり方、上に立つ者の適正に関する考え方は、現代にも通じるものがある。上位職のミスジャッジが下々の運命を変えてしまうことを、上に立つ者には肝に銘じてもらいたい

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    2026年10月28日
  • 八甲田山死の彷徨

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    軍隊という組織と、上司部下のマネージメントの問題に加え、雪山に対する知識と準備不足がこれほどまでの悲劇を産んだ。
    日露戦争に突入する前の、ある種の人体実験でもあったわけだ。
    時系列的には逆になるが、司馬遼太郎の坂の上の雲の後に本作を読むと、明治から日露戦争への突入する日本の空気感が、なんとはなしに理解できる。

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    2026年10月28日
  • 孤高の人(下)

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    山を一人で歩く。
    足元の土の感触を確かめながら、孤独の中で、ただひたすら前に進んでいく。

    泥臭く、孤独で、それでも生きることに一生懸命な姿が心に残った。

    生きるということは、こういうことなのかもしれない。

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    2026年10月27日
  • 珊瑚

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    『珊瑚』新田次郎著

    五島の本屋てるてるさんにオススメされて読んだけど、ホント良い作品だった!

    作品の時代背景が丁寧に描かれていて、なぜ危険な珊瑚漁に行かなければならなかったのか、珊瑚漁の詳細、取り憑かれる魅力が溢れていて、読み応えが凄まじい。

    この本に出会えて良かったです!

    てるてるさん作のわかりやすいキャプションもらったので本に貼り付けてます

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    2026年10月12日
  • 八甲田山死の彷徨

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    登録は新潮文庫だけど、実際は古書店で買った、昭和46年当時に発行されたもの。時代柄、まだ戦後そこまでたっていないこともあって、描写が戦中を経験したことがなければ書けない文章で、公式記録をもとにしたとしても現代の作家にはこういうものは作れないと思った。
    これはジャンルは小説ということだが、生存者や遺族への取材、公式記録他生存者の記録、現地への取材をしたうえで書かれている。小説とした理由は直接取材し得なかった、亡くなった隊長、将校や兵卒、従軍記者、村人の心理描写を軸に話を進めたからだとおもう。実際にたどった道、どのように遭難したか、会話、生き残ったかは深く取材をしているので、実際はノンフィクションとしてよいと思ったので、じぶんの中ではノンフィクションジャンルで登録をした。
    その時代でなければ・・というのはその心理描写ほか説明書きの中でも~~逆らえるはずがなかった。上官が命じたらそこまで。といった、当時の軍隊や日本の様子を肌で感じていないと書けない生生しい文章だと感じたから。文体は今でも読みやすく、山岳作家の方の文章は結構読みやすいと思っているんだけど、わかりやすい描写、転換もはっきりしていて古典感はまったくなかった。
    行軍をした心理描写があったからか、自分もそこにいるかのような感覚をもちながら読んだ。絶対に経験しないことだからなのか、自分も山に行くからか、こういう遭難の話に惹きつけられるものがあるのはなぜだろう。

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    2026年09月20日
  • 孤高の人(上)

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    山岳小説だけど時代背景の描写が面白く、大正から昭和初期の日本の暗さについて細かに描かれていて読みいってしまった。
    ワクチンない時代の結核の恐ろしさ、主義者(今では風化しつつある社会主義者あるいは共産主義者)の扱われ方、昔の登山装備など歴史の教科書では学べない当時のことがとても興味深かった。
    また、雪崩の事故で有名な剣沢小屋の件も、この本を通して加藤文太郎視点をしることができ大変面白かった。

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    2026年09月12日
  • 八甲田山死の彷徨

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    自然に対しては、決して楽観しては行けないこと。大きな組織のトップの判断の失敗は、多くの犠牲者を出すということ。だから責任が大きい。失敗を修正するのも難しい。

    失敗の教訓を学ぶにはとても良い一冊。

    ここまで、悲惨な結果を出さない様に、常に最悪のケースを考えて決めていこう、と思う様になった。

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    2026年08月22日
  • 八甲田山死の彷徨

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    ネタバレ

    youtubeなどでたびたび遭難事故自体は紹介されていて、興味があって読んでみました。なんかもう、いろいろすごかった。神田大尉が何度やめようと言っても聞かない山田少佐には幾度となく「この頑固おやじめ~」と思ったし、軍人の厳しい上下関係がゆえにこれ以上何も言えない神田大尉が切なかったです。しかし「神田大尉の指揮権を奪うようなことをしなければ…」と悔いながら自決する山田少佐の姿にはジーンと胸にしみるものがありました。また、「この事故と尊い犠牲があったから、精神と鍛練だけでは寒さに勝てないと知って防寒を徹底するようになった。陸軍の犠牲を未然に防いでくれた」と犠牲者を尊ぶ立川中将の言葉にも心を動かされました。無理を承知で書きますが、私もいつか八甲田山に行って、山口少佐の像にお目にかかりたいです。

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    2026年08月08日
  • ある町の高い煙突

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    山を覆う杉の木は当たり前にそこにあったのだと思っていた

    はい、新田次郎さんの傑作小説『ある町の高い煙突』です
    これは鉱山の煙害(公害)を世界一高い煙突を建てることで無くすという企業と住民がある意味力を合わせた稀有な”勇気と忍耐”の物語なんよ

    もうがっつり地元なので、”ある町”でもなんでもないんですがね
    なんていうか、知った地名が出てくるだけで、その場所が明確に頭の中に思い浮かぶだけで、なんだか嬉しくなっちゃいます

    あーあそこはね
    煙溜まるよなーとかね

    そして大煙突な
    ほんとに大煙突だったのよ
    いやもう大々々々々々煙突だったね
    残念ながら平成五年におよそ三分の一を残して倒壊してしまったんだけど、わいも見に行って、なんか悲しかったのを覚えているよ
    なんかもうひとつの歴史が終わった〜みたいなね

    地元に住んでいるからこそ味わえる読書もある
    これからも茨城県を題材にした本、どんどん読んでいくで〜

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    2026年07月30日
  • 芙蓉の人

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    富士山頂で冬を越す。

    想像しただけで「そんなことできるの?」と思ってしまう。

    明治の時代にそれに挑んだ野中夫妻、特に妻の野中千代子さんについての小説。

    現代の女性像とは違い、封建的な時代だった当時、親族や世間の目を省みずに夫を助けるために富士山に登った千代子さんの姿は、とてもかっこよく映った。

    結果的に千代子さんがいたことで夫の到さんは大いに助けられ、後年「あれは千代子がいたからできたこと」と言ったそうだ。

    前例がなくとも信念を持ってやり通すことの美徳を感じる。

    また、新田次郎さんは『剱岳 点の記』以来2冊目だが、本当に自然の過酷さがリアルに描かれていてゾッとする。

    こうした山に関する本が好きでよく読むが、決して美しいばかりではなく、簡単に人の命を奪い去る残酷さを持っているのも山の一面だ。

    大きな自然の前で吹き飛ばされそうになる小さな人間の戦い。

    それが山の小説を読んでいて怖さとワクワクを感じる所以なのかもしれない。

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    2026年07月13日
  • 孤高の人(下)

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    自分はにわか登山好きですが、登山を愛する人は必ず読んだ方がいいと思います。
    大正から昭和にかけての大登山家、加藤文太郎の登山へ想いや葛藤、日頃の社会人生活、結婚生活、最後に待ち受ける死まで、1人の漢を描き切っています。
    自分は正直途中までフィクションだと思って読んでいました。
    途中から実在した人物だと知り、事実は小説よりも奇なりはこのことだなと思いました。
    クライマックスに向けて、読んでいて切なくなりますが、それでも読んで良かったと思える一冊です。

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    2026年05月08日
  • 孤高の人(上)

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    自分はにわか登山好きですが、登山を愛する人は必ず読んだ方がいいと思います。
    大正から昭和にかけての大登山家、加藤文太郎の登山へ想いや葛藤、日頃の社会人生活、結婚生活、最後に待ち受ける死まで、1人の漢を描き切っています。
    自分は正直途中までフィクションだと思って読んでいました。
    途中から実在した人物だと知り、事実は小説よりも奇なりはこのことだなと思いました。
    クライマックスに向けて、読んでいて切なくなりますが、それでも読んで良かったと思える一冊です。

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    2026年05月08日
  • 武田信玄 山の巻

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    武田信玄の一生を事細かく記載されています。
    最初の2巻は信玄がまだ若く、有名な戦とかは出てきませんが(マニアな方は否定されるかもしれませんが)、後半にかけてグッと面白くなります。
    若い頃は戦とか女しか頭になかったり、大胆に見えて緻密に計算して戦に臨んだりと、武田信玄も人間像を上手く描いています。
    最後の山の巻は、病気でなければ信長だって攻略できたと思ってしまい、「もう終わってしまうのか、まだ終わらないでくれ」と思ってしまうほど、武田信玄の想いが詰まっています。

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    2026年05月06日
  • 武田信玄 火の巻

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    武田信玄の一生を事細かく記載されています。
    最初の2巻は信玄がまだ若く、有名な戦とかは出てきませんが(マニアな方は否定されるかもしれませんが)、後半にかけてグッと面白くなります。
    若い頃は戦とか女しか頭になかったり、大胆に見えて緻密に計算して戦に臨んだりと、武田信玄も人間像を上手く描いています。
    最後の山の巻は、病気でなければ信長だって攻略できたと思ってしまい、「もう終わってしまうのか、まだ終わらないでくれ」と思ってしまうほど、武田信玄の想いが詰まっています。

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    2026年05月06日
  • 武田信玄 林の巻

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    武田信玄の一生を事細かく記載されています。
    最初の2巻は信玄がまだ若く、有名な戦とかは出てきませんが(マニアな方は否定されるかもしれませんが)、後半にかけてグッと面白くなります。
    若い頃は戦とか女しか頭になかったり、大胆に見えて緻密に計算して戦に臨んだりと、武田信玄も人間像を上手く描いています。
    最後の山の巻は、病気でなければ信長だって攻略できたと思ってしまい、「もう終わってしまうのか、まだ終わらないでくれ」と思ってしまうほど、武田信玄の想いが詰まっています。

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    2026年05月06日
  • 武田信玄 風の巻

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    武田信玄の一生を事細かく記載されています。
    最初の2巻は信玄がまだ若く、有名な戦とかは出てきませんが(マニアな方は否定されるかもしれませんが)、後半にかけてグッと面白くなります。
    若い頃は戦とか女しか頭になかったり、大胆に見えて緻密に計算して戦に臨んだりと、武田信玄も人間像を上手く描いています。
    最後の山の巻は、病気でなければ信長だって攻略できたと思ってしまい、「もう終わってしまうのか、まだ終わらないでくれ」と思ってしまうほど、武田信玄の想いが詰まっています。

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    2026年05月06日
  • アラスカ物語

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    読点の打ち方などのちょっとした違和感はあったが、ストーリー自体が面白く、夢中になって読んだ。主人公の意志や精神の強さと、崇高な自己奉仕精神に圧倒された。

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    2026年05月02日
  • アラスカ物語

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    いやー、感動した。過去1年で読んだ本で一番良かったかもしれない。
    明治時代に東北の名家に生まれ、アラスカに渡ってエスキモーたちを率いたフランク安田の人生を取材し、それをもとに書かれた、ノンフィクションに近い小説である。
    フランク安田は身動きできなくなった船の助けを呼ぶために一人何十マイルの旅に出て、たまたまエスキモーに助けられた。それをきっかけにエスキモーたちと暮らしていくことになる。エスキモーは鯨やアザラシなどを獲って生きている。白人たちの乱獲で海獣がいなくなり村は飢餓に襲われ、疫病もあり絶滅しそうになった。村人を助けるべく、また旅に出て、インディアンに会い、ゴールドラッシュに乗じてエスキモーたちを移住させる。
    過酷な環境での生活や人種差別を乗り越えながらも、エスキモーの妻とともに現地に根付き、エスキモーの生活基盤を整えて、村づくりをした彼の生き様に頭が下がる思いだ。フランク安田は実在した人で、著者の新田次郎はアラスカや安田の生家に取材に行き本書を書き上げたとあとがきにある。この取材が昭和40年代で、安田氏の子孫に直接話を聞けたようだ。著者の使命感を感じる。
    生涯日本に帰ることはなかったようだが、彼の故郷を思う気持ちを想像して胸が痛む。こういう人がいたことを知れて良かった。

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    2026年04月30日
  • 八甲田山死の彷徨

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    ネタバレ

    真冬に読んではいけない。
    なぜなら、凍える寒さが真に迫ってくるから。そのくらい冬山遭難の描写は凄まじい。
    モデルとなっているこの最悪の冬山遭難事故は明らかに人災である。ひとつひとつの見積もりの甘さや、個人の行き違いなどがあったために起こった悲劇であるが、本当は避けられたのではないか。などと思ってしまう。

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    2026年03月09日
  • 富士山頂

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    富士山頂に気象レーダを建設する
    という大事業を成し遂げる
    気象庁測器課葛木章一の物語
    昭和38年から39年ごろのお話
    山頂に物資を運ぶことから
    建築過程の苦労
    雪のない短時間での作業
    そして国への予算のお伺い
    業者はどこにするのか
    さまざまな人間関係も絡み合ってはいるが
    とにかく山頂の気候との
    兼ね合いから早く進めないと
    どうにもならない
    苦悩する葛木
    新田次郎の代表的な作品であり、
    本人の実体験でもあるようです

    大変興味深く読んだ
    プロジェクトXの第一回放送でも
    取り上げられていたらしい
    人の努力は計り知れない
    今、人間がこうして暮らしているのも
    こんな努力が数え切れないほど
    あるからなのですね

    現実だけでなく人と人との
    関わりや、政治的な問題なども
    考えさせられる
    良い作品を読めた
    富士山頂に立ってみたい
    とも思う


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    2026年02月22日