新田次郎のレビュー一覧

  • 武田信玄 山の巻

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    武田信玄の西上作戦が描かれている。
    三方ヶ原の戦いは武田軍が一気に徳川軍を蹴散らしたイメージだったけど、徳川軍をおびき寄せる作戦を立てて実行したこと、それが時間との戦いであったこと等、面白かった。
    信玄ほどの武将も病には勝てず。進軍していると思わせて信玄の体のために古府中に連れて帰ろうとした重臣たち、側室たちの心中はいかばかりか。

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    2020年12月18日
  • 劔岳〈点の記〉

    購入済み

    剣岳に興味があり、読んでみることにしました。
    フィクションとノンフィクション織り交ぜてあるので、
    かなり真実味を感じつつ読み進められました。

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    2020年09月26日
  • 孤高の人(下)

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    単独登山の信念が結婚と幸せな家庭で揺れ動く様が読んでいて何とも言えない。
    読み終わって何とも言えない寂しさに包まれた。

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    2020年09月06日
  • 孤高の人(上)

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    厳格な性格と思いながら読み進むと、えれえこった、えれえこったと言いながら登山する加藤氏に心が奪われる。
    地図遊びや孤独な心情が自分の心にも入ってくる。

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    2020年09月06日
  • 武田信玄 風の巻

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    甲斐の虎、武田信玄(晴信)の若き日々。父との軋轢に悩み苦しんだ末に、自分を押し潰す父を跳ね除ける晴信の雄飛が清々しい序章。晴信が父を追放する駆け引きは手に汗にぎるほどスリリング。史実を調べ尽くした上で、人間を軸にドラマチックに読ませる新田次郎の小説ならでは。

    厳しく育てられた晴信の猛々しさと知性、凛とした佇まいが目に浮かび、主人公の虜になってしまう。読み終わる頃には、これからの晴信の成長と野望をともに歩みたい、とどっぷりハマってしまう面白さ。

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    2020年09月03日
  • 武田信玄 山の巻

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    すごく面白かった。ますます信玄が好きになった。

    ・父、信虎追放の経緯
    ・山本勘助が間者という事
    ・川中島や三方ヶ原の戦いの見解
    ・長男、義信の離反の解明
     
    は創作

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    2020年08月31日
  • アラスカ物語

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    ネタバレ


    「ある町の高い煙突」を読んで以来
    すっかり新田次郎ファンになってしまった

    緻密な取材と、骨太な文体で
    the昭和な感じが良い

    数ある著作の中で、本書を選んだ理由は

    日本では殆ど知られてないけど
    アラスカでは、今でも超有名人である
    日系1世 フランク安田の物語だというトコ

    以前に読んだ
    「Mr.トルネード 藤田哲也 世界の空を救った男」もそうだけど
    世界で活躍した日本人を知るのは
    ワクワクする


    フランク安田(日本名;安田恭輔)は
    明治元年、宮城県石巻町の医師
    安田静娯の三男として生まれる

    代々、医業を営んでいた安田家は裕福で
    三男の恭輔は、祖父に溺愛されて育った

    乱暴者で

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    2020年08月27日
  • ある町の高い煙突

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    久しぶりの新田次郎作品。かつて日本で起こった銅精錬の煙害事件の実話を基にして昨年映画化。日立グループ社員は全員読むべきである。一農村と企業とが誠意を持って公害に立ち向かった歴史。近年あの煙突は取り壊されたが、日立市の歴史象徴だったことがよくわかる。

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    2020年08月16日
  • ある町の高い煙突

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    煙害問題解決の象徴ともいうべき「大煙突」。環境問題解決の先駆者というだけでなく、当時「世界一の高さ」「日本人だけで建設」というオプション肩書まで付いてるから市民の大煙突愛もハンパない。でも自分は田中正造愛がハンバないし、足尾銅山鉱毒事件がどうしても重なってしまい、手放しで美談化できない。正の歴史と負の歴史。どちらも煙害。史実を知れば知るほど深みにはまっていく。

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    2020年05月04日
  • アラスカ物語

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    米国沿岸警備船のキャビンボーイとして渡米し、海獣の乱獲によって飢餓に瀕していた海岸エスキモーを率いて民族移動を達成し、ビーバー村を設立。フランク安田こと安田恭輔。東北での腕白な子供時代の安田恭輔とアラスカでジャパニーズモーゼと謳われたというフランク安田の数奇な人生を新田次郎が綴った小説。

    100年以上経ち、移動のし易さという意味で世界は小さくなったように感じるが、人の人生の奥行きも小さくなってはいないか?

    2020.3.29

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    2020年03月29日
  • 孤高の人(上)

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     山岳小説の代表作とも言える作品です。昭和初期に活躍した単独行の加藤文太郎、その凄さはもちろんですが、新田次郎の山の描写がそれはそれは見事で、まるで詩を詠んでいるようです。
     加藤文太郎が辿った山道には、私が歩いた所もあり、その情景を懐かしく思い描くことができました。そして文太郎の心境がダイレクトに伝わって来て、感情移入しながら読み進めている自分がいました。まだまだ上巻、これから下巻でどんな展開になるか楽しみです。

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    2022年07月29日
  • 強力伝・孤島

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    短編集。八甲田山、凍傷などどれも冬を題材としており冬休みに読むのにとっても適していた。それぞれの主人公の固執、執着が伝わってくる内容であった。あとがきに記載されているように筆者はきらびやかな記述はないがシンプルな表現で文章を作成しており大変勉強になった。物語のラストもあっさりと記載されており、内容の理解に2回、3回と読み直しが必要であった。

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    2020年01月03日
  • 冬山の掟

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    冬山で遭難する系の短編小説集。男女の色恋に起因する話とかが多い。解説も、戦後にスポーツとしてポピュラーになっていく登山というものを捉えていて面白い。

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    2019年09月02日
  • 芙蓉の人

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    途中から読むのが辛くなるほど壮絶で過酷。
    でも読まずにはいられない熱量があった。

    ちなみに、
    あとがきや解説ってあまり面白く感じないことが
    自分の場合殆どなんだけど、この本はあとがきまで
    読んで完結したって感じました。

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    2019年07月18日
  • アラスカ物語

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    後世に語り継ぎたい日本人の偉人である。
    新田の綿密な取材と筆力あふれる大作。昔ながらの気質ながらやりとげる意思のある人物が魅力。女性も頼もしくてよろしい。失われた美徳を見るのはいいことだ。

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    2019年04月19日
  • ある町の高い煙突

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    日立グループとのお取引があり、小平記念館をご案内頂いた際に映画化されると紹介された。自らはまず選ばないタイトルと表紙の本。でも読んでみたら本当に感動しました。馬に乗って学校に通うなど時代背景が今とずいぶん違うが、読んでるうちにその時代と場所に自然と入り込めます。恋愛小説としても面白かったです。

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    2019年04月14日
  • 芙蓉の人

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    意義深く、偉大な仕事に打ち込めること。
    その想いに寄り添ってくれる人がいること。

    この二つ、自分の人生に出逢えれさえすれば。
    その人は大成功したと言えるんだと、思いました。

    ありきたりですが。
    一人で戦うのはある意味簡単で。
    自分に続く二人目を得れること。
    この二人目の熱さで。
    翻って己の人生が決まるんですね。

    この本ではそれが妻でした。
    それが相棒でも友人でも敵でも。
    一人ではない人生になれること。
    そのもの自体が、大事な気がしました!

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    2019年03月26日
  • 孤高の人(上)

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    パーティーを組んで登るのが常識とされていた山へ単独行で向かい、数々の山嶺を踏破した加藤文太郎のノンフィクション的小説。
    なぜ山に登るのか、他の追随を許さない卓越した登山者である彼もまたその疑問を懐に抱えていた。答えは出ず、山に登り続けることでしか見付けられないのだと考える。
    単独行を続けながらも人を恋しいと思い、けれどどうしても他者と打ち解けられない加藤の心の葛藤に人間味を感じる。
    槍ヶ岳付近で星を見た時の叙述に、登山の魅力の一端が垣間見えた気がした。
    「いま彼の見ている星は平面上の星ではなかった。星は彼を囲繞していた。星の中に彼はいた~~」

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    2019年03月15日
  • 芙蓉の人

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    ネタバレ

    私費を投じて気象観測の道を切り開いた男と、支えた女。粗筋を知っていたが、明治の夫婦の並なみならぬ覚悟に胸うたれる。しかし、現代ならばマスコミやネットで…と思わないでもない。凄まじい冬山の猛威に挑み、夢半ばで倒れた無念さに涙溢れる。

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    2019年02月26日
  • 孤高の人(上)

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    知人の紹介で読み始めた本。
    神戸の山々が出てきて、関西の登山好きは読んでて嬉しい。
    しかし後半の冬山がメインになってきてからは、スリルと修行僧の様な主人公にとまどう。
    読んで目的を理解している人すらこうなのだから、実際に会社とかで彼を見てただろうは人にはほんと珍妙だっただろう。
    というか、理解できず恐怖や排斥心があっても不思議でない。
    実際には山を登る人は、陽気な口達者な人も多いけど、こういう無口で孤独を愛する人もいるなあ、としみじみ思う。

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    2019年01月24日