新田次郎のレビュー一覧

  • 山が見ていた

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    新田次郎『山が見ていた』文春文庫。

    15編を収録した新田次郎の初期のミステリー短編集。大昔に読んだ記憶があるが、新装版が刊行されたので再読。松本清張の短編にも似た風合いの短編が目立つが、ミステリーとしての切れ味は松本清張ほどではない。

    新田次郎の小説は、ラジオドラマ『アラスカ物語』や映画『八甲田山』を観たのを契機に少しずつ読み始めた。その後は山岳小説の『強力伝』『孤高の人』なども読むようになった。本作もその流れで読んだことは覚えているが、細かい内容まで記憶していなかった。

    『山靴』。趣味と家庭の両天秤に悩む婿。結末にはゾッとする。婿に入った夫が友人と二人で冬山登山を計画するが、夫を危険な

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    2021年12月15日
  • 新装版 風の遺産

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    人妻と独身山男のお話
    その他関係者が登山などで絡み
    各人の思いが語られながら展開してゆく
    雪山登山での天候悪化はやばめでした
    まだ携帯電話もない、それどころか
    家電話もまだといった時代のようでした

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    2021年11月21日
  • ヤマケイ文庫 新田次郎 続・山の歳時記

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    全集未収録作品を集めた新田次郎のエッセイ。テーマは雑多だがごった煮ならではの魅力。

    故郷信濃、富士、ヤマを想う。旅と取材、ヨーロッパ・アルプスを歩く、創作を巡って、日々の随想

    理系の人らしい客観的視点が独特なエッセイが多い。日課の散歩コースが土地勘のある所だったのが嬉しい。

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    2021年11月19日
  • 孤高の人(下)

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    登山を一般人のものにした加藤文太郎の最期。実話から脚色された終わり方なので、最後は物語として楽しみました。

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    2021年10月04日
  • 芙蓉の人

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    明治の男の気概と意志を感じる。
    明治の女性の凛とした強さを感じる。
    あの当時の科学技術の水準も低く、材料や機材も素朴な時代の中で、富士山頂に観測小屋を私財を投じて建立し、しかも冬季観察を企てようという誰も考えもしなかったことを祈願し、実行した野中到。
    日本どころか世界的にも類例の無い壮挙であり、当時の民衆も熱狂したという。
    野中到の物語は何度か小説化されたようだが、野中到の影に隠れていた妻の千代子に光を当てたのが新田次郎のこの名作である。
    新田次郎自身がかって気象庁職員であり、富士山測候所に数百日勤務していた経験に裏付けされた冬の富士山の描写は凄みがあり、まるでその場にいるかのような気にさせる

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    2021年09月13日
  • 武田信玄 火の巻

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    2021.58

    4巻中、3巻目、完!
    勝頼に継ぐことが決まり、北条攻め!

    ラストどうなるか楽しみだなぁー!

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    2021年09月07日
  • 強力伝・孤島

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    短編集で構成されている。
    各話それぞれ情景が想像できるくらい描かれていて印象深い。

    面白かったのは非常に辛い場面や深刻な場面で、変な行動取る主人公の場面がたまに出て来るところ。

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    2021年08月06日
  • アラスカ物語

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    2〜3回読んだはずだが、始めと終わりしか頭に残っていない。でも好きな本。最初に読んだのは18の時で入院してた時だったか。
    フランク安田は日本を出てから日本に帰ることはなかった。「おれは日本に帰らないでよかった」は、あまりにも深い郷愁の裏返しか。でも最後の最期に日本に帰れたのだと思う。このラストがとにかく心に残る。

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    2021年07月14日
  • 武田信玄 林の巻

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    2021.34

    川中島決着!
    山本勘助死亡。
    大河ドラマの風林火山はここまでだったので、続きが楽しみだー!

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    2021年06月10日
  • 孤高の人(下)

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    ネタバレ

    下巻では山行記録よりも人間模様が更に浮き彫りにされていく。ちょっとびっくりする様な下宿のお隣さん界隈の繋がりが見えたりするけど、何より宮村健の豹変っぷりが恐ろしい。

    加藤氏はと言うとまるで人が変わったかの様に良い方に向かう。良き配偶者に出会えたからこそ。
    でも、加藤氏が幸せになればなるほど、不安が募るのは上巻での出だしがあるから。

    園子が去って安心したかと思えば、もっと太刀の悪いのが宮村…。なぜ自殺願望がある人は、誰かを伴おうとするのだろう。その自殺願望に宮村自身気が付いていなかったかもしれないが、明らかに異常である。

    ヒマラヤ貯金するも、きっとヒマラヤには行けずに終わるんだろうなと言う

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    2021年02月14日
  • 孤高の人(上)

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    ネタバレ

    今や登山には色々な技術が駆使されたウェアやギアが揃っているが、昭和4年という時代の、限られた素材を創意工夫して雪山に臨んでいる加藤氏の姿はただただ尊敬に値する。
    自分も山登りをするが、加藤氏の様に石を背負って通勤し、甘納豆とら揚げた小魚で長く動ける様に体を慣らし…と日々の鍛錬から怠らない、加藤氏と同じ努力は中々出来るものではない。
    山は上流のもの…と言う時代背景も私には新しいが、そんな時代があったのかと変化後の今に感謝したくなる。
    それにしても影村のようなヤツはどの時代にもいるんだな。

    これだけ褒めてはいるけれど、やはり実際に加藤氏に会ったとしたら言葉少なに引きつった笑みを浮かべる姿に親近感

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    2021年02月14日
  • 冬山の掟

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    冬の山が舞台の怖い短編集。
    厳しい冬山の描写が克明で頭の中にはっきりとしたイメージがわき、それが怖さを浮きだたせる。
    最後の解説に山の事故の多くは、人間関係が絡んで起こる、と書かれていた。
    かといって知識も装備もない場合、一人で登れば大丈夫というわけではない。
    山のことを恐れ、謙虚になり、最大限の準備をして登り、人と一緒に行く場合は、どんなことが起こっても最終的には自分の判断を信じることができないと自分の命は守れないのだろう。

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    2021年02月08日
  • ある町の高い煙突

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    現存する日立の大煙突をモデルにした作品。
    周辺住民と企業が互いに理解し合い、合理的に公害問題へ取り組んでいく姿勢は現代でも見習うべき形であると感じた。

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    2021年01月14日
  • 孤高の人(下)

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    ネタバレ

    家族を持ったからこそ出た優しさなのか、単独行の加藤が単独ではない登山で生き絶えるやるせなさ。面白かったです。

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    2021年01月09日
  • 栄光の岩壁(下)

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    圧巻。登攀のリアリティは作者のどんな体験に基づくと描けるのだろうか。このリアリティさがあってはじめてこの小説の醍醐味が浮かび上がってくる。他の小説も読みたい

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    2021年01月09日
  • 武田信玄 風の巻

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    2020.65
    一年に一人したい、ライフジャーニー読書。
    今年は武田信玄!(コロナショックなどから四冊中、一冊しか読み終わらず!)
    信玄の青年期。

    「人は斬れても、人の心は斬れまい」

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    2020年12月27日
  • 銀嶺の人(下)

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    女性二人の個性がきちんと描かれていて、
    読後感がとても良い。
    特に前半の、それぞれが若かったころは、
    文体も展開も生き生きとしていて良い。
    あえて言えば、後半、主人公も年を取ってきたあとが、
    やや物足りないかな。
    しょうがないか。

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    2020年11月04日
  • 武田信玄 山の巻

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    最終巻の中心は西上作戦。

    正直、不要ではないかと思う話も少なくなかったが、三方ヶ原の戦いと信玄の最期の描写は読み応えがあった。

    物語は新田の自説によって締めくくられている。

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    2020年08月07日
  • 武田信玄 山の巻

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    再読2020.8.7~
    2020.9.1完了
    何度読んでも涙してしまう。最期の話。
    なにが悲しいって信玄のあくなき西上への執念ではなく、これから始まる武田家の凋落の一途。
    たくさんの大将が討ち死にすることを思うと涙を禁じ得ない。

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    2020年09月01日
  • 武田信玄 火の巻

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    前半は義信事件、中盤以降は駿河侵攻と北条との戦いが話の中心。

    武田信玄というととかく川中島にスポットが当てられるが、実際には川中島後と言うよりも晩年の西上作戦の方が重要だったのかもしれない。

    本巻はその布石となっている。

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    2020年07月26日