新田次郎のレビュー一覧
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ネタバレ孤高が至高。
上巻の最初にオチをネタバレされている手法なので、「主人公が初めてパーティを組んで山登りをすることにより死ぬ」とわかっていた。だから、幸せそうな生活を送っていればいるほど、この人は死んでしまうんだな、と頭の片隅に引っかかり、そのギャップが切ない。読み進めれば読み進めるほど、その時が着々と迫ってきてしまい、先が読みたいけど、死んでしまうんだよな、戸惑う。
その時に繋がる山登りの話が出てきたとき、ああ、そういうふうに最期に繋がっていくのね、、と、ようやくわたしたちは死の状況の詳細がわかる。
死んでしまうとわかっていたこともあり、途中からずっと宮村くんにムカつきながら読んだ。
孤高の山男を家庭の人にした花子さんや登志子ちゃんにはあんまりムカつかなかったけど、宮村くんにはムカついたのは、それがやはり死に繋がっているとわかっていたからか?
宮村くんがああなってしまったのは園子さんの所為→園子さんに出会わせたのは自分だから責任がある、という風にいやに責任感があるのは、昔の人ならではなのかな。
楽しい山登りの描写は、上巻の方が豊富で、下巻は厳しい山登り。
フィクションだと思って読んでいたんだけど、フィクションじゃなかったことが最後にわかった。
ヒマラヤで単独行している姿、読んでみたかった。 -
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ネタバレ火の巻は駿河上陸と今川家・北条家との戦い。
「義信逆心」は戦国時代らしいお話しだったなぁ。義信とんでもないことやらかしてる!と思いつつ、信玄の優しさが出ちゃってて読めば読むほど不思議な人だなぁと思う。虎...?
義信の性格はどうしようもないにせよ、他の兄弟が愛されているのを目の当たりにしてたらそりゃ反逆心も芽生えるよな。しかも母である三条氏も徹底的に嫌われて...。だからこそ「御先陣を賜る」がとても切なかった。
いつも通り徹底的に策は講じているものの、相次いで戦を仕掛ける姿にやはり信玄らしくない、という感じはした。信玄と信長、お互いにお互いを脅威と思っているなんてこの時は知る由もなかっただろう...。 -
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ネタバレ名前しか覚えてない武田信玄の本を手に取ることになるとは、歴史小説の中毒性はすごい...。
信虎を追放して国主となった晴信が信濃国を取りに行く話。「甲斐の虎」と名高いから凶暴な人なんだろうと思っていたけど、意外と分別のある人なんだなという印象を受けた(発熱している時以外は)。
あと無闇矢鱈に攻めず、死なずに済むならその方法を積極的に選ぶ戦術に利口な人だな〜と思った。当たり前だけど、当たり前じゃない時代だろうから。
新田次郎が諏訪出身ということもあって、可能な限り史実に基づいた内容でありながらどことなく心が入っている書き方が好きだなと思った。
次は上杉謙信やら織田信長やらが登場するっぽい。楽しみすぎる。
最後に、あとがきの後ろにあった地図は最初に載せてもらえると助かる。Google map片手に読んでたから笑 -
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ノンフィクションではあるが、登場人物の名前は変えている。
日立銅山が銅を生産し出してからの公害への対応について、被害を受けた入四間村が日立を相手取って賠償交渉や被害軽減策の検討を申し入れていった経緯などが書かれている。
大煙突をたてるまでには、いろんな紆余曲折があり、細かく描かれており興味深かった。
最終的には、156メートルの大煙突をたてるのであるが、頂点に達したのは大正3年12月20日であった。
日立鉱山史によると、
(この間、労役人夫、男三二、三八九人、女四、四五一人、計三六、八四〇人。足場丸太三ー、六五〇本。総経費実に一五二、二一八円也。しかもここに特筆すべきは、当時、日本に於ける著名の煙突はすべて先進欧米諸国人の設計と指揮の下に建設されていたのに対し、独りこの鉄筋コンクリートの大煙突だけは、日立鉱山工作課の設計により、日本人の指導の下に完成されたものである)と書かれている。
最後にチャールス・オールセンという日本にいた技術士と再開するのだが、その再開シーンは頭に思い浮かぶように感動的だ -
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P16・17の、部長が命令しないところが、すごくズルくて笑ってしまった。
命をかけて行け、という実質命令なのに、死んだ際の責任はとらない、という態度なのではないのか、と思った。
プライド・誇りを持つということは、その人の姿勢を正し、良き判断や行動をとる原動力になることも多い。
反面、負けたくないとか、知らぬ間に人を見下してしまいそうになったりと、マイナスに働くことも、多々ある。
測量隊と山岳会、どちらが先に剱岳に登るか、といった競争は、見ている分には面白い。
しかし、本質はただの見栄にすぎない。
先に山岳会が登頂したとしても、別にいいはずなのだ。
逆にそっちのほうが有難いはずなのに。
三角点を設置して正確な測量をすることが、一番大切なことなのだから。
こういったところに、人間の欲をバンバン感じる。
最終的には、お役所仕事の「見栄」によって、剱岳登頂の苦労を正当に理解してもらえなかった。
なんだか皮肉というか、「見栄」というものの浅はかさを山につきつけられ戒められてしまったかのような、読後感を得た。
測量官の仕事の過酷さは、想像を絶する。
少しでも山に登ったことのある人ならば、その苦労がいかなるものかを想像し、青ざめるだろう。
今では当たり前のように存在している「地図」の貴重さを感じた思いがした。
これから先、三角点の元に立った時、かつてその場に建てられたであろう覘標を想像することになるのかもしれない。
そして、ここの覘標は、どこの三角点から観測されたのだろう、なんて、あたりを見渡して推測してみるのも面白いかもしれない。
実際の柴崎さんは、小説とはだいぶちがった方だったようだ。
長次郎との関係も、とても悪かったらしい。
山岳会との競争もなかったという推測もあり、やはり、小説は小説で、別の世界。
現実も、それはそれで、人間臭くてドライで、面白い。 -
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武田信玄一代記の最終章。上杉謙信や今川義元(または息子氏真)や北条氏康(または息子氏政)との合戦や暗闘を経て目指すは京都。立ち塞がるは徳川家康、織田信長。徳川軍団を軍略で蹴散らすも生命の灯火は微かとなっていたという信玄公の偉大さと無念さが伝わる内容であった。ただし、こいひめ、里見を始め最期まで何人もの女にモテモテで男子の本懐は遂げていると思われる。それでも三条の方とキチンと情を交わす辺りは良かった(史実では何人も子どもを成しているので寧ろ相性が良いと推察される)。
信長が信玄を恐れていたのは事実だろうし信玄が信長の運の良さを言うのも事実であろう。しかし信玄が上杉や北条と争い今川に食指を動かす中で今川義元の首を取っても駿河方面より東は捨てて京都を目指した信長の戦略の方が的確であるように見える。 -
Posted by ブクログ
川中島決戦からの駿河侵攻。武田信玄が主役とすると大概の話では息子義信が不出来で勝頼が有能となってるパターンになる気がする。前巻でも2人の力量の差が描写されていたので間違いはないだろう。冷静に考えると自分の妻の実家であり同盟相手の今川義元を死に追いやる工作をしているので道理でいうと信玄の方が悪党なのにそうは見えないところがマジック。それでも本書は義信に対しての理解も示しているといえる。
本巻はに限った話でもないが武田信玄というと男の寵臣に未練がましい恋文を書いたとされる程に男好き(寧ろ戦国時代は両刀使いが多い)なはずが本書ではその辺は上杉謙信で信玄は女好きという事になっている。勿論女好きだったのは確かだろうが次から次へと女をモノにしていくような描写に島耕作シリーズに通じるものがある。