新田次郎のレビュー一覧

  • 八甲田山死の彷徨

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    ネタバレ

    めちゃくちゃ面白かった。すごく読みやすいし,必要な情報だけざくざく入ってくるというか。先に映画を見ていたので,キャスト表を片手に読み進めたのだけど,それがなくても苦なく読み進められた気もする。
    悲劇すぎるのだが,同じようなことはいろんなところで行われてしまっているのではなかろうか,と思う。

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    2025年03月17日
  • 八甲田山死の彷徨

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    何とも救いようのない話だな。日露戦争になったらロシアの海軍が津軽海峡を封鎖するかもしれない。そうなったら、山間部を通って移動するしかなくなるから、冬の八甲田山を踏破する実験をする。その動機は、確かに国防を理由とするもので、だから簡単に非難する事はできないのだが。案内人を雇った徳島大尉の率いる少数精鋭の隊は踏破に成功し、案内人も拒んだ神田大尉の二百十人の隊は百九十九人の死者を出す始末となり。踏破に成功した徳島大尉も、日露戦争で戦死か。何ともやるせない。救いは、当時の新聞が事実をちゃんと報道した事だろうか。

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    2025年03月06日
  • 栄光の岩壁(上)

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    戦後間もない時代にも関わらず、新しい教育制度の下で大学受験に傾倒する高校のやりかたに疑問を呈しているのは興味深い。この時代から、受験戦争と言われた我々の時代を経て、今もなお変わっていない日本の教育制度に対する批判の普遍性を感じる。
    ジョンが雪の中で死んだのが悲しい。
    春雄はつくづく最悪な奴であり、簡単に騙される主人公が腹立たしくもある。

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    2025年01月15日
  • 孤高の人(上)

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    実在の人物、単独行の加藤文太郎の物語。登山に魅せられて、自己研鑽し、冬山の登坂、縦走に他の追随を許さないまでになる。周到な下調べ、訓練は凄味を感じるが、一方で密かに恋心を懐くところが微笑ましい。2025.1.11

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    2025年01月11日
  • 武田信玄 山の巻

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    武田信玄一代記の最終章。上杉謙信や今川義元(または息子氏真)や北条氏康(または息子氏政)との合戦や暗闘を経て目指すは京都。立ち塞がるは徳川家康、織田信長。徳川軍団を軍略で蹴散らすも生命の灯火は微かとなっていたという信玄公の偉大さと無念さが伝わる内容であった。ただし、こいひめ、里見を始め最期まで何人もの女にモテモテで男子の本懐は遂げていると思われる。それでも三条の方とキチンと情を交わす辺りは良かった(史実では何人も子どもを成しているので寧ろ相性が良いと推察される)。
    信長が信玄を恐れていたのは事実だろうし信玄が信長の運の良さを言うのも事実であろう。しかし信玄が上杉や北条と争い今川に食指を動かす中

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    2024年12月26日
  • 武田信玄 火の巻

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    川中島決戦からの駿河侵攻。武田信玄が主役とすると大概の話では息子義信が不出来で勝頼が有能となってるパターンになる気がする。前巻でも2人の力量の差が描写されていたので間違いはないだろう。冷静に考えると自分の妻の実家であり同盟相手の今川義元を死に追いやる工作をしているので道理でいうと信玄の方が悪党なのにそうは見えないところがマジック。それでも本書は義信に対しての理解も示しているといえる。
    本巻はに限った話でもないが武田信玄というと男の寵臣に未練がましい恋文を書いたとされる程に男好き(寧ろ戦国時代は両刀使いが多い)なはずが本書ではその辺は上杉謙信で信玄は女好きという事になっている。勿論女好きだったの

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    2024年12月23日
  • 武田信玄 林の巻

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    風の巻では若気の至りで村上義清に2回ほど大敗し重臣を失いその後計略で勝利するということをしていた。本巻では晴信から信玄に進化する事でそういった勢い任せが減り重厚さが増したように見える。
    桶狭間の裏も信玄が勘兵衛を使って織田側に勝利を導いたというのはやり過ぎな気もするがエンタメとしては正解だろう。
    そして遂に龍虎相打つ第四次川中島決戦!

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    2024年12月20日
  • 武田信玄 風の巻

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    戦国時代を代表する大名武田信玄一代記。風の巻はまだ晴信だった頃のお話。凶悪な信虎を追放、今川家とのダブルスパイ山本勘兵衛登場と始まりから争いが描かれている。当然というか時代小説だと主役以外は悪党か小物に成り下がるのが多いですが本書は割合に穏当な印象。ただ初めは凄い奴扱いされてたのが信玄よりやっぱり格下というパターンが見受けられる。

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    2024年12月19日
  • 縦走路

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    山岳小説らしく、冬季八ヶ岳縦走のシーンはあるが、主題は男女間の三角関係というか四角関係というか恋愛モノである。美人女流登山家・川原田千穂、千穂に恋する山男2人、千穂の旧友かつライバルの香野美根子の4人の話。

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    2024年11月03日
  • 風雪の北鎌尾根・雷鳴

    ネタバレ 購入済み

    山と人生

    山に登るのは人生そのもの、そう思わされました。
    今まで楽しい、気持ちいいから登っていましたが、生きるために・自分の信条のために登る人もいるんだろうなと、今更ながらに考えさせられました。

    #深い

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    2024年10月02日
  • 縦走路

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    ネタバレ

    登山の小説を読みたくて、読んでみた。登山の描写はふんだんにあって良かったが、物語は昭和のメロドラマでなんとも読み心地が悪かった。常識として男より女は劣っていて、地位も格下という枠組が厳然とあり、いかなる登場人物もそこに囚われているように感じてしまう。

    女は女らしく、男は男らしく。その枠組から逸脱したいカッコいい女と、やや堕落した不良な女の争い。カッコいい女も後半は、いつの間にか完全に男に世話を焼かれる存在となっていて、がっかりした。

    男たちの純粋さといい、女たちの小悪魔ぶりといい、まさに男の幻想のような小説だと思った。しかし、当時は実際にこんなもんだったのか?
    結論は女に山はわからない

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    2024年08月18日
  • 劔岳〈点の記〉

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    映画にもなり、山好きとしては読んでおこうかと手に取る。浅田次郎氏は私の中で当たり外れが大きいのだが、本作は楽しく読めた。

    山岳信仰対象で足を踏み入れてはならない山となっている劔岳頂点に測量のため三角点を設置すべく、未踏の山を目指す話。事実ベースの小説。

    ロシア戦争直後の時代背景とともに、前人未到とされている山を目指す苦労、意気込み、チーム連携が読んでいて楽しい。

    劔岳登ってみたいな、というか調べたら百名山のひとつか、いつか登らねばな。山の装備の進歩のありがたさも感じる。

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    2024年07月30日
  • 劔岳〈点の記〉

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    山を降りた柴﨑はどうなったのだろう?
    陸地測量部での処遇は?
    葉津よとの夫婦仲は?
    読後、書かれていないそんなことが気になった。

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    2024年07月21日
  • 強力伝・孤島

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    新田次郎といえば、八甲田山死の彷徨。
    この短編集は、1995年直木賞を受賞した「強力伝」
    他、初期の6編が収録されています。
    「八甲田山」は、明治35年の青森歩兵隊の雪中訓練の悲劇。冬の山、雪の恐怖、風の凄まじさ。雪の際限ない恐ろしさの臨場感があります。
    これが、後の八甲田山死の彷徨に繋がるんですね。
    「強力伝」は、ほぼデビュー作とのこと。
    新田次郎さんは、気象学者で気象庁の技官だったそうです。
    富士山頂観測所に勤務していた時の体験で、モデルになった人物も紹介されていました。
    当時、山へ荷物を運び案内を仕事としていたのが強力。彼らの仕事に対する真摯な態度や信頼していた様子が伺われます。
    ただ、

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    2024年02月15日
  • 栄光の岩壁(下)

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    今とは価値観が違うのでモタモタしてるように感じたり、騙されたり、でもそれが人間らしさなんだろうなと思いながら読みました。
    脚色はもちろんあるでしようけど、実在の人物の話というのがよかった。

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    2024年01月05日
  • 孤愁〈サウダーデ〉

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    時代は明治から大正。
    ポルトガル人で、元軍人、外交官のモラエス氏の日本での半生を描いた歴史小説。
    彼は、母国ポルトガルに戻ることなく、徳島で終いの人生を迎える。

    当時、日本に来た外国人の渡航記を読んでも気が付くことだが、この小説でもラモエス氏の客観的な外からの視点で、当時の日本の生活、文化、日本人に触れられており、とても興味深い。(多くがポジティブな捉え方)
    日本人女性も妻、愛人を通じて褒め称えているのだが、その関係には悲劇が付きまとう。

    実際の彼の書物を読むと、より直接的に当時の日本について知ることができるのかもしれない。

    ちなみに、本著は、新田次郎が連載を開始したものがベースとなり、

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    2023年09月17日
  • 芙蓉の人

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    明治時代、富士山頂に通年観測できる気象観測所を作った人とその妻の話。
    当時はできないと思われてたこと。想像を絶する大変さとしか言いようがない。

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    2023年09月17日
  • 劔岳〈点の記〉

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    映画版で。
    なぜ陸軍に測量部があったのかと疑問を抱きつつ、剱岳という自然の広大なスケールが画面に映し出される。

    小説ではなく、映画で見てしまったからか、「過酷なロケだったんだろうな」という思いが先行してしまい、物語そのものをあまり味わうことができなかった。

    いつか小説を読まねば。それまでは積読。

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    2023年09月04日
  • 劔岳〈点の記〉

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    明治時代、日本国土唯一の地形図空白地帯
    奥州山地の地形図作成のために奮闘する男たちの物語

    ひたすらに山の描写が美しく、険しい
    ひたすらに地形図作成のために山を巡る描写がハード
    読んでいるだけで疲れる
    登山描写も疲れるが、テントで休んでいても疲れる
    雨にやられて、風にやられて、雪のうえで僅かな装備で体を休める
    ・・・とても休まらない。(^^ゞ

    地形図作成(仕事)のためにここまで情熱をもてるのか
    読んでいて羨ましく思えた

    黒部ダム建設当時の古い映像に断崖絶壁を機材を担いで歩いている人たちがいて戦慄したのを覚えている。
    まさに命を賭して国土事業が成してある今の生活

    あって当たり前の物も先人た

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    2023年07月18日
  • アイガー北壁・気象遭難

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    あー疲れた。
    という感想が出る本はなかなかない。
    遭難したり、道に迷ったり、仲間を失ったり、困らされたり、落ちたり、滑ったり、亡くなったり。
    そんな心臓に悪い山岳短編を十四編も読んだら、もう山に登りたくないというか、たっぷり登ってきたような気になれた。アルプスも行ったし。
    アイガー北壁を読みたくて借りたけれど、満足。
    新田次郎さんの他の作品も読んでいこう。

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    2023年06月02日