新田次郎のレビュー一覧
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武田信玄一代記の最終章。上杉謙信や今川義元(または息子氏真)や北条氏康(または息子氏政)との合戦や暗闘を経て目指すは京都。立ち塞がるは徳川家康、織田信長。徳川軍団を軍略で蹴散らすも生命の灯火は微かとなっていたという信玄公の偉大さと無念さが伝わる内容であった。ただし、こいひめ、里見を始め最期まで何人もの女にモテモテで男子の本懐は遂げていると思われる。それでも三条の方とキチンと情を交わす辺りは良かった(史実では何人も子どもを成しているので寧ろ相性が良いと推察される)。
信長が信玄を恐れていたのは事実だろうし信玄が信長の運の良さを言うのも事実であろう。しかし信玄が上杉や北条と争い今川に食指を動かす中 -
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川中島決戦からの駿河侵攻。武田信玄が主役とすると大概の話では息子義信が不出来で勝頼が有能となってるパターンになる気がする。前巻でも2人の力量の差が描写されていたので間違いはないだろう。冷静に考えると自分の妻の実家であり同盟相手の今川義元を死に追いやる工作をしているので道理でいうと信玄の方が悪党なのにそうは見えないところがマジック。それでも本書は義信に対しての理解も示しているといえる。
本巻はに限った話でもないが武田信玄というと男の寵臣に未練がましい恋文を書いたとされる程に男好き(寧ろ戦国時代は両刀使いが多い)なはずが本書ではその辺は上杉謙信で信玄は女好きという事になっている。勿論女好きだったの -
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ネタバレ登山の小説を読みたくて、読んでみた。登山の描写はふんだんにあって良かったが、物語は昭和のメロドラマでなんとも読み心地が悪かった。常識として男より女は劣っていて、地位も格下という枠組が厳然とあり、いかなる登場人物もそこに囚われているように感じてしまう。
女は女らしく、男は男らしく。その枠組から逸脱したいカッコいい女と、やや堕落した不良な女の争い。カッコいい女も後半は、いつの間にか完全に男に世話を焼かれる存在となっていて、がっかりした。
男たちの純粋さといい、女たちの小悪魔ぶりといい、まさに男の幻想のような小説だと思った。しかし、当時は実際にこんなもんだったのか?
結論は女に山はわからない
女 -
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新田次郎といえば、八甲田山死の彷徨。
この短編集は、1995年直木賞を受賞した「強力伝」
他、初期の6編が収録されています。
「八甲田山」は、明治35年の青森歩兵隊の雪中訓練の悲劇。冬の山、雪の恐怖、風の凄まじさ。雪の際限ない恐ろしさの臨場感があります。
これが、後の八甲田山死の彷徨に繋がるんですね。
「強力伝」は、ほぼデビュー作とのこと。
新田次郎さんは、気象学者で気象庁の技官だったそうです。
富士山頂観測所に勤務していた時の体験で、モデルになった人物も紹介されていました。
当時、山へ荷物を運び案内を仕事としていたのが強力。彼らの仕事に対する真摯な態度や信頼していた様子が伺われます。
ただ、 -
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時代は明治から大正。
ポルトガル人で、元軍人、外交官のモラエス氏の日本での半生を描いた歴史小説。
彼は、母国ポルトガルに戻ることなく、徳島で終いの人生を迎える。
当時、日本に来た外国人の渡航記を読んでも気が付くことだが、この小説でもラモエス氏の客観的な外からの視点で、当時の日本の生活、文化、日本人に触れられており、とても興味深い。(多くがポジティブな捉え方)
日本人女性も妻、愛人を通じて褒め称えているのだが、その関係には悲劇が付きまとう。
実際の彼の書物を読むと、より直接的に当時の日本について知ることができるのかもしれない。
ちなみに、本著は、新田次郎が連載を開始したものがベースとなり、 -
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明治時代、日本国土唯一の地形図空白地帯
奥州山地の地形図作成のために奮闘する男たちの物語
ひたすらに山の描写が美しく、険しい
ひたすらに地形図作成のために山を巡る描写がハード
読んでいるだけで疲れる
登山描写も疲れるが、テントで休んでいても疲れる
雨にやられて、風にやられて、雪のうえで僅かな装備で体を休める
・・・とても休まらない。(^^ゞ
地形図作成(仕事)のためにここまで情熱をもてるのか
読んでいて羨ましく思えた
黒部ダム建設当時の古い映像に断崖絶壁を機材を担いで歩いている人たちがいて戦慄したのを覚えている。
まさに命を賭して国土事業が成してある今の生活
あって当たり前の物も先人た