新田次郎のレビュー一覧

  • 孤高の人(下)

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    ネタバレ

    孤高が至高。

    上巻の最初にオチをネタバレされている手法なので、「主人公が初めてパーティを組んで山登りをすることにより死ぬ」とわかっていた。だから、幸せそうな生活を送っていればいるほど、この人は死んでしまうんだな、と頭の片隅に引っかかり、そのギャップが切ない。読み進めれば読み進めるほど、その時が着々と迫ってきてしまい、先が読みたいけど、死んでしまうんだよな、戸惑う。
    その時に繋がる山登りの話が出てきたとき、ああ、そういうふうに最期に繋がっていくのね、、と、ようやくわたしたちは死の状況の詳細がわかる。

    死んでしまうとわかっていたこともあり、途中からずっと宮村くんにムカつきながら読んだ。
    孤高の

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    2025年11月27日
  • 孤高の人(上)

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    主人公、加藤文太郎は実在の人物のようだ。

    「そこに山があるから」
    ヒマラヤ征服を夢とする彼の自問自答。その答えが正解なのか、信じれるものは自分のみと単独行で葛藤する。

    途中、第一章前を読み返しおおよその結末を想像できた。孤高の人がなぜ?
    きっと文太郎はそんな浅はかな想像は超えてくるに違いない。

    では下巻で。

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    2025年11月09日
  • 聖職の碑

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    教育としての登山、今ほど管理されていない山に登る危険、起きてしまった事故。遭難事故が主題じゃなくて、事故後、それぞれの立場で主張し進んでいく。凄い人間ドラマ。

    後書きが取材譚で、まあまあの長さ、これも含めて一冊の小説だった。

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    2025年10月31日
  • 孤高の人(上)

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    加藤文太郎の単独登山物語。
    冬山登山の描写は臨場感溢れる。
    後半も楽しみだが、冒頭で文太郎が若くして亡くなるって書いてあるのがマイナス点かなぁ。

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    2025年10月18日
  • 孤高の人(上)

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    単独行動の加藤文太郎、前半生といった感じ。大正から昭和にかけ、当時の装備と常識では考えられないような事をやってのけた。山の事は分からないけど、今でも随分常識とかけ離れた事なんじゃないだろうか。

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    2025年10月05日
  • 武田信玄 火の巻

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    ネタバレ

    火の巻は駿河上陸と今川家・北条家との戦い。

    「義信逆心」は戦国時代らしいお話しだったなぁ。義信とんでもないことやらかしてる!と思いつつ、信玄の優しさが出ちゃってて読めば読むほど不思議な人だなぁと思う。虎...?
    義信の性格はどうしようもないにせよ、他の兄弟が愛されているのを目の当たりにしてたらそりゃ反逆心も芽生えるよな。しかも母である三条氏も徹底的に嫌われて...。だからこそ「御先陣を賜る」がとても切なかった。

    いつも通り徹底的に策は講じているものの、相次いで戦を仕掛ける姿にやはり信玄らしくない、という感じはした。信玄と信長、お互いにお互いを脅威と思っているなんてこの時は知る由もなかっただ

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    2025年10月04日
  • 武田信玄 風の巻

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    ネタバレ

    名前しか覚えてない武田信玄の本を手に取ることになるとは、歴史小説の中毒性はすごい...。

    信虎を追放して国主となった晴信が信濃国を取りに行く話。「甲斐の虎」と名高いから凶暴な人なんだろうと思っていたけど、意外と分別のある人なんだなという印象を受けた(発熱している時以外は)。
    あと無闇矢鱈に攻めず、死なずに済むならその方法を積極的に選ぶ戦術に利口な人だな〜と思った。当たり前だけど、当たり前じゃない時代だろうから。

    新田次郎が諏訪出身ということもあって、可能な限り史実に基づいた内容でありながらどことなく心が入っている書き方が好きだなと思った。

    次は上杉謙信やら織田信長やらが登場するっぽい。楽

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    2025年09月27日
  • 劔岳〈点の記〉

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    やっと読む機会がありました。
    そして、もうすぐ、剱岳、カニのたてばいい、横ばい、詣らせて頂きます。
    晴れたらいいなぁ。

    映画が受賞した時、命懸けのキャスト、スタッフの一丸っぷりに、圧倒されてました。

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    2025年08月21日
  • 芙蓉の人

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    明治28年。私財を投げうって富士山頂気象観測所をつくり、そこで冬季気象観測をする野中到。そして夫を支えるため、あとを追って富士山頂に登る千代子。しかし厳冬期の富士山頂は厳しく、体調を崩す二人。生命の危機が訪れる。

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    2025年06月09日
  • ある町の高い煙突

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    ネタバレ

    地元茨城が舞台だからと勧められて読んだ本。明治の恋愛観はほんと窮屈だなあ、自分の外交官の夢諦めて村のために尽力する主人公は立派だなあと。呪いかけて恋人死んだ時に大喜びする祖母にブチギレない主人公なんなん?って感じでした。

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    2025年05月25日
  • ある町の高い煙突

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    ノンフィクションではあるが、登場人物の名前は変えている。

    日立銅山が銅を生産し出してからの公害への対応について、被害を受けた入四間村が日立を相手取って賠償交渉や被害軽減策の検討を申し入れていった経緯などが書かれている。

    大煙突をたてるまでには、いろんな紆余曲折があり、細かく描かれており興味深かった。

    最終的には、156メートルの大煙突をたてるのであるが、頂点に達したのは大正3年12月20日であった。
    日立鉱山史によると、
    (この間、労役人夫、男三二、三八九人、女四、四五一人、計三六、八四〇人。足場丸太三ー、六五〇本。総経費実に一五二、二一八円也。しかもここに特筆すべきは、当時、日本に於け

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    2025年04月28日
  • 劔岳〈点の記〉

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    P16・17の、部長が命令しないところが、すごくズルくて笑ってしまった。
    命をかけて行け、という実質命令なのに、死んだ際の責任はとらない、という態度なのではないのか、と思った。

    プライド・誇りを持つということは、その人の姿勢を正し、良き判断や行動をとる原動力になることも多い。
    反面、負けたくないとか、知らぬ間に人を見下してしまいそうになったりと、マイナスに働くことも、多々ある。
    測量隊と山岳会、どちらが先に剱岳に登るか、といった競争は、見ている分には面白い。
    しかし、本質はただの見栄にすぎない。
    先に山岳会が登頂したとしても、別にいいはずなのだ。
    逆にそっちのほうが有難いはずなのに。
    三角点

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    2025年04月16日
  • 八甲田山死の彷徨

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    ネタバレ

    めちゃくちゃ面白かった。すごく読みやすいし,必要な情報だけざくざく入ってくるというか。先に映画を見ていたので,キャスト表を片手に読み進めたのだけど,それがなくても苦なく読み進められた気もする。
    悲劇すぎるのだが,同じようなことはいろんなところで行われてしまっているのではなかろうか,と思う。

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    2025年03月17日
  • 八甲田山死の彷徨

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    何とも救いようのない話だな。日露戦争になったらロシアの海軍が津軽海峡を封鎖するかもしれない。そうなったら、山間部を通って移動するしかなくなるから、冬の八甲田山を踏破する実験をする。その動機は、確かに国防を理由とするもので、だから簡単に非難する事はできないのだが。案内人を雇った徳島大尉の率いる少数精鋭の隊は踏破に成功し、案内人も拒んだ神田大尉の二百十人の隊は百九十九人の死者を出す始末となり。踏破に成功した徳島大尉も、日露戦争で戦死か。何ともやるせない。救いは、当時の新聞が事実をちゃんと報道した事だろうか。

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    2025年03月06日
  • 栄光の岩壁(上)

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    戦後間もない時代にも関わらず、新しい教育制度の下で大学受験に傾倒する高校のやりかたに疑問を呈しているのは興味深い。この時代から、受験戦争と言われた我々の時代を経て、今もなお変わっていない日本の教育制度に対する批判の普遍性を感じる。
    ジョンが雪の中で死んだのが悲しい。
    春雄はつくづく最悪な奴であり、簡単に騙される主人公が腹立たしくもある。

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    2025年01月15日
  • 孤高の人(上)

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    実在の人物、単独行の加藤文太郎の物語。登山に魅せられて、自己研鑽し、冬山の登坂、縦走に他の追随を許さないまでになる。周到な下調べ、訓練は凄味を感じるが、一方で密かに恋心を懐くところが微笑ましい。2025.1.11

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    2025年01月11日
  • 武田信玄 山の巻

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    武田信玄一代記の最終章。上杉謙信や今川義元(または息子氏真)や北条氏康(または息子氏政)との合戦や暗闘を経て目指すは京都。立ち塞がるは徳川家康、織田信長。徳川軍団を軍略で蹴散らすも生命の灯火は微かとなっていたという信玄公の偉大さと無念さが伝わる内容であった。ただし、こいひめ、里見を始め最期まで何人もの女にモテモテで男子の本懐は遂げていると思われる。それでも三条の方とキチンと情を交わす辺りは良かった(史実では何人も子どもを成しているので寧ろ相性が良いと推察される)。
    信長が信玄を恐れていたのは事実だろうし信玄が信長の運の良さを言うのも事実であろう。しかし信玄が上杉や北条と争い今川に食指を動かす中

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    2024年12月26日
  • 武田信玄 火の巻

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    川中島決戦からの駿河侵攻。武田信玄が主役とすると大概の話では息子義信が不出来で勝頼が有能となってるパターンになる気がする。前巻でも2人の力量の差が描写されていたので間違いはないだろう。冷静に考えると自分の妻の実家であり同盟相手の今川義元を死に追いやる工作をしているので道理でいうと信玄の方が悪党なのにそうは見えないところがマジック。それでも本書は義信に対しての理解も示しているといえる。
    本巻はに限った話でもないが武田信玄というと男の寵臣に未練がましい恋文を書いたとされる程に男好き(寧ろ戦国時代は両刀使いが多い)なはずが本書ではその辺は上杉謙信で信玄は女好きという事になっている。勿論女好きだったの

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    2024年12月23日
  • 武田信玄 林の巻

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    風の巻では若気の至りで村上義清に2回ほど大敗し重臣を失いその後計略で勝利するということをしていた。本巻では晴信から信玄に進化する事でそういった勢い任せが減り重厚さが増したように見える。
    桶狭間の裏も信玄が勘兵衛を使って織田側に勝利を導いたというのはやり過ぎな気もするがエンタメとしては正解だろう。
    そして遂に龍虎相打つ第四次川中島決戦!

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    2024年12月20日
  • 武田信玄 風の巻

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    戦国時代を代表する大名武田信玄一代記。風の巻はまだ晴信だった頃のお話。凶悪な信虎を追放、今川家とのダブルスパイ山本勘兵衛登場と始まりから争いが描かれている。当然というか時代小説だと主役以外は悪党か小物に成り下がるのが多いですが本書は割合に穏当な印象。ただ初めは凄い奴扱いされてたのが信玄よりやっぱり格下というパターンが見受けられる。

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    2024年12月19日