新田次郎のレビュー一覧

  • 縦走路

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    ネタバレ

    登山の小説を読みたくて、読んでみた。登山の描写はふんだんにあって良かったが、物語は昭和のメロドラマでなんとも読み心地が悪かった。常識として男より女は劣っていて、地位も格下という枠組が厳然とあり、いかなる登場人物もそこに囚われているように感じてしまう。

    女は女らしく、男は男らしく。その枠組から逸脱したいカッコいい女と、やや堕落した不良な女の争い。カッコいい女も後半は、いつの間にか完全に男に世話を焼かれる存在となっていて、がっかりした。

    男たちの純粋さといい、女たちの小悪魔ぶりといい、まさに男の幻想のような小説だと思った。しかし、当時は実際にこんなもんだったのか?
    結論は女に山はわからない
    女に山男はわからない。
    お粗末。

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    2024年08月18日
  • 劔岳〈点の記〉

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    映画にもなり、山好きとしては読んでおこうかと手に取る。浅田次郎氏は私の中で当たり外れが大きいのだが、本作は楽しく読めた。

    山岳信仰対象で足を踏み入れてはならない山となっている劔岳頂点に測量のため三角点を設置すべく、未踏の山を目指す話。事実ベースの小説。

    ロシア戦争直後の時代背景とともに、前人未到とされている山を目指す苦労、意気込み、チーム連携が読んでいて楽しい。

    劔岳登ってみたいな、というか調べたら百名山のひとつか、いつか登らねばな。山の装備の進歩のありがたさも感じる。

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    2024年07月30日
  • 劔岳〈点の記〉

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    山を降りた柴﨑はどうなったのだろう?
    陸地測量部での処遇は?
    葉津よとの夫婦仲は?
    読後、書かれていないそんなことが気になった。

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    2024年07月21日
  • 強力伝・孤島

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    新田次郎といえば、八甲田山死の彷徨。
    この短編集は、1995年直木賞を受賞した「強力伝」
    他、初期の6編が収録されています。
    「八甲田山」は、明治35年の青森歩兵隊の雪中訓練の悲劇。冬の山、雪の恐怖、風の凄まじさ。雪の際限ない恐ろしさの臨場感があります。
    これが、後の八甲田山死の彷徨に繋がるんですね。
    「強力伝」は、ほぼデビュー作とのこと。
    新田次郎さんは、気象学者で気象庁の技官だったそうです。
    富士山頂観測所に勤務していた時の体験で、モデルになった人物も紹介されていました。
    当時、山へ荷物を運び案内を仕事としていたのが強力。彼らの仕事に対する真摯な態度や信頼していた様子が伺われます。
    ただ、この小説は、それだけでなく、強力という仕事に責任と自尊心を持ち過ぎた一人の男性が、無理な仕事で身体を痛める様子が辛い。

    他の作品も 雪山を経験して風の計測を仕事として 現場に携わってきた作者の臨場感ある短編集です。

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    2024年02月15日
  • 栄光の岩壁(下)

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    今とは価値観が違うのでモタモタしてるように感じたり、騙されたり、でもそれが人間らしさなんだろうなと思いながら読みました。
    脚色はもちろんあるでしようけど、実在の人物の話というのがよかった。

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    2024年01月05日
  • 孤愁〈サウダーデ〉

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    時代は明治から大正。
    ポルトガル人で、元軍人、外交官のモラエス氏の日本での半生を描いた歴史小説。
    彼は、母国ポルトガルに戻ることなく、徳島で終いの人生を迎える。

    当時、日本に来た外国人の渡航記を読んでも気が付くことだが、この小説でもラモエス氏の客観的な外からの視点で、当時の日本の生活、文化、日本人に触れられており、とても興味深い。(多くがポジティブな捉え方)
    日本人女性も妻、愛人を通じて褒め称えているのだが、その関係には悲劇が付きまとう。

    実際の彼の書物を読むと、より直接的に当時の日本について知ることができるのかもしれない。

    ちなみに、本著は、新田次郎が連載を開始したものがベースとなり、死去により途絶えていたものを、息子の藤原正彦が継いで完成させた大作。

    徳島には、モラエスにまつわる観光地があるようなので、いつか巡ってみたい。
    (眉山山上の博物館施設「モラエス館」や旧宅のあった徳島市伊賀町一帯)

    なお、徳島は、第一次世界大戦で捕虜になったドイツ人が収容された場所としても有名であり、その交流も小説になっている。
    今では年末の風物詩にもなっている第九は、この時から広がったらしい。

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    2023年09月17日
  • 芙蓉の人

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    明治時代、富士山頂に通年観測できる気象観測所を作った人とその妻の話。
    当時はできないと思われてたこと。想像を絶する大変さとしか言いようがない。

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    2023年09月17日
  • 劔岳〈点の記〉

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    映画版で。
    なぜ陸軍に測量部があったのかと疑問を抱きつつ、剱岳という自然の広大なスケールが画面に映し出される。

    小説ではなく、映画で見てしまったからか、「過酷なロケだったんだろうな」という思いが先行してしまい、物語そのものをあまり味わうことができなかった。

    いつか小説を読まねば。それまでは積読。

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    2023年09月04日
  • 劔岳〈点の記〉

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    明治時代、日本国土唯一の地形図空白地帯
    奥州山地の地形図作成のために奮闘する男たちの物語

    ひたすらに山の描写が美しく、険しい
    ひたすらに地形図作成のために山を巡る描写がハード
    読んでいるだけで疲れる
    登山描写も疲れるが、テントで休んでいても疲れる
    雨にやられて、風にやられて、雪のうえで僅かな装備で体を休める
    ・・・とても休まらない。(^^ゞ

    地形図作成(仕事)のためにここまで情熱をもてるのか
    読んでいて羨ましく思えた

    黒部ダム建設当時の古い映像に断崖絶壁を機材を担いで歩いている人たちがいて戦慄したのを覚えている。
    まさに命を賭して国土事業が成してある今の生活

    あって当たり前の物も先人たちのおかげだと改めて思い知らされた

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    2023年07月18日
  • アイガー北壁・気象遭難

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    あー疲れた。
    という感想が出る本はなかなかない。
    遭難したり、道に迷ったり、仲間を失ったり、困らされたり、落ちたり、滑ったり、亡くなったり。
    そんな心臓に悪い山岳短編を十四編も読んだら、もう山に登りたくないというか、たっぷり登ってきたような気になれた。アルプスも行ったし。
    アイガー北壁を読みたくて借りたけれど、満足。
    新田次郎さんの他の作品も読んでいこう。

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    2023年06月02日
  • 劔岳〈点の記〉

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    自分は山登りについて、自然に触れるとか非日常の体験をしたいという動機で興味があるのだが、あまりというかほとんど取り組めていない。そんな中でこの本を読んで、現代の山登りは柴崎測量官が剱岳に登った明治の当時と比べると、自然と言ってもそれなりに整備されているし非日常の度合いも断然易しいのだなと思った。現代の生活は先人の勇気と努力のおかげで安泰なものとなっているとも言えるし、開拓とか初挑戦の余地が乏しくなっているとも言えると感じた。柴崎さんらの測量活動における都度の判断事項はまさに命懸けのリスクを負っている。現代の生活とかビジネスとか社会活動においても大きなリスクを負う場面はもちろんあるけど、生死を賭けるような判断を迫られる場面がどれだけあるだろうかと考えさせられる。自分にとっても子育てにおいても、いろいろなシーンでよく考えてリスクもとって生き抜く力を養える経験を多く積んでいきたいと思った。

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    2023年03月25日
  • 劔岳〈点の記〉

    購入済み

    映画を観たくなる

    正直、他の新田次郎作品と比べると、テーマに対して文章の面白さは欠けるかな。資料を読んでいる感じ。器具やルートの説明が、ただひたすらに文章のみだと、想像しきれないところがあります。
    これを読んで、映画を観て、あー、そういうことかと思いたい。

    #ドキドキハラハラ #感動する

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    2023年02月04日
  • 冬山の掟

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    新田次郎氏の山岳小説である。苦労して登頂を果たしたという話ではなく、遭難をテーマにした短編が十個収録されている。淡々と語られる感じ。爽快感からはほど遠く、暗い冬山に行ったような読後感。

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    2022年11月05日
  • 栄光の岩壁(上)

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    山屋、と呼ばれる人がいる。
    主人公、岳彦もその一人である。

    18の時に遭難し、足の大半を失う。
    それでも、山への情熱を捨てきれず、リハビリを始めるのだが・・・

    岳彦の同級生がこの上ない小物っぷりを見せてくれる。
    だからこそ、岳彦ががんばれるわけなのだが。

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    2022年08月27日
  • 雪のチングルマ

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    「新田次郎」の山岳小説短篇集『雪のチングルマ』を読みました。

    『八甲田山死の彷徨』、『先導者・赤い雪崩』に続き「新田次郎」作品です。

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    山岳短篇小説の代表作!

    童歌をうたうと必ず雪崩で死ぬという怪談に抗いながらも囚われた若者の苦悩と悲劇を描いた表題作、アラスカ現地に取材した異色の傑作『真夜中の太陽』、実感をこめて富士のおそろしさを表現しきった『春富士遭難』、スキーヤーの身勝手さを衝く『コブシの花の咲く頃』など全六篇を収録。
    円熟期の傑作山岳小説集。

    登山家の愛読書ともいうべき代表作
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    山岳小説ばかりを集めた以下の六篇で構成された作品です。

     ■雪のチングルマ
     ■羽毛服
     ■コブシの花の咲く頃
     ■春富士遭難
     ■赤い徽章
     ■真夜中の太陽
     ■解説 近藤信行


    『雪のチングルマ』は、童歌に纏わる怪談と大学山岳部員の穂高涸沢に向かう途中の雪崩遭難事故を絡めた物語、、、

    雪崩から一人生き残った青年が、童歌と事故の因果関係を心の中では否定しながらも、迷い、悩む姿に感情移入しながら読みました。

    そして、エンディングでの悲劇… 「生き残った者があったとすれば、必ず後日雪崩で死ぬ運命にあるものとする」という山行予定表にゾクッ とさせられましたね。


    『羽毛服』は、雪山での学生の遭難死の謎を解くために、山岳小説作家が上高地を訪ねる物語、、、

    山での実力があった学生は何故遭難したのか… 単独行での遭難と思われたが、ある人物の証言から同行者がいたことが判り、意外な事実が判明する。

    少し幻想的な展開でしたが、真相が究明できてすっきりしましたね。


    『コブシの花の咲く頃』は、志賀高原のホテルを舞台に行方不明になった男女のスキー客と、二人を探した捜索隊の物語、、、

    結果的に二人は還らぬ人となるのですが、その捜索の過程が克明に描かれ、二人の行動を推理する場面がミステリー仕立てで愉しめましたね。


    『春富士遭難』は、山岳団体が三月半ばの雪中訓練を兼ねた富士登山で遭難してしまう物語、、、

    遭難に至るまでの経緯が淡々と描かれていて、山の恐ろしさを改めて感じました。

    ベテランと一緒でも、異常気象等、想定外の天候の急変があると遭難事故になりかねないこと、そして、生き残った側の辛い立場が印象に残りました。


    『赤い徽章』は、日本アルパインガイド協会の指導を受ける女性たちが、合宿終了後に、実力を試すために向かった穂高滝谷第四尾根でビバーグを余儀なくされ、そして救出される物語、、、

    恋愛感情を絡めつつ、嫉妬、虚栄心、心理的駆け引き等が愉しめる作品でしたね。

    『先導者・赤い雪崩』でも感じましたが、「新田次郎」って女性登山家のことを好ましく思っていなかったような… そんな印象を受ける作品でした。


    『真夜中の太陽』は、アラスカを訪れた主人公(著者がモデル?)が、終日沈まない太陽の影響で体験した幻想的な物語、、、

    深夜でも太陽が輝いている状況って想像できませんが… 身体のリズムを保つのは難しいでしょうね。

    アラスカ… 「植村直己」、「星野道夫」、「野田知佑」等の著書で得た知識しかなく、厳しい自然の中にある土地であることは理解していますが、ユーコン川やオーロラ等々を見るために、一度は行ってみたい場所ですねぇ。



    『真夜中の太陽』以外は、それぞれ、山岳遭難がテーマとなっていて、山岳小説集というよりも、山岳遭難小説集といった趣の一冊でした。

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    2022年07月21日
  • 強力伝・孤島

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    『八甲田山』ってこういう話やったっけなぁ、映画の内容も忘れていますが、事件そのものが衝撃的。こんなことあんの?という内容。そう思わせるほどの筆力との判断もありかもです。
    他の作品もなかなかに良いのですが、個人的に『八甲田山』がちらついて仕方ありませぬ。

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    2022年07月14日
  • P+D BOOKS 強力伝 ~二十世紀最後の職人の魂~

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    山に取り憑かれたのか、それぞれの立場の欲がそれを上回ったのか、立場によって見方が異なる感じが興味深い。
    全ては山という自然のマジックかな?
    山のことはよく分かりませんが、読んでいて不自然さを感じることなく入り込めます。
    しかし、冬の富士山は噂に聞いとりますが、夏とは何もかもが違うんですなぁ。。。遠くから見ればあんなに綺麗なんですが、綺麗なものこそ魔があるということか。

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    2022年07月11日
  • 孤高の人 13

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    ネタバレ

    仕事と家庭を手に入れて山を離れた文太郎が
    建村の誘いで再びK2東壁に挑む。

    妻として旦那の夢を応援してあげたい気持ちも
    あるかもしれないが、それにしては危険だし
    子供が生まれたばかりだし
    何より相談してくれず話を進めていたのは
    花には痛いところなのではなかろうか。

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    2022年02月14日
  • アラスカ物語

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    フランク安田さんの生涯
    エスキモー、イヌイットはあまりにも異文化で逆に惹かれる。
    イヌイットと同化しようてしていた植村直己さんを思い出した。

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    2022年02月10日
  • 武田信玄 風の巻

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    そうなのかと思う部分とちょっとここはねと思う部分あり
    信玄も神様ではなかったんだ
    織田信長も非道 信玄もまた然りだったのは戦国の世の習いと教えてもらった風の巻 
    次巻 信玄の人間としての成長如何に?

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    2022年02月02日