新田次郎のレビュー一覧
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ネタバレ加藤文太郎氏をモデルとした同タイトル小説を原案とした漫画。
事実、小説、漫画それぞれは展開がかなり異なると聞いている。
小説は未読。
本漫画の主人公 森文太郎は、一人でいることを好む
男子高校生。
ルートクライミングにひょんなことから触れることとなり
持っていた才能が開花。クライミングにハマることになるのだが
仲間を作ることを拒否するどころか
ビレイを疎かにするなど安全確保にも興味がないという
独特なクライミングのやり方が
駆け出しの素人なだけにハラハラしてしまう。
今の所は孤高というよりは孤独で
周囲の迷惑を顧みない印象だが、この先登山家として成長していくのだろうか。 -
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新田次郎『風の遺産』講談社文庫。
文章や描写に時の経過を感じる、新田次郎にしてはかなり珍しい異色の山岳小説。
山岳小説とよろめき系の恋愛小説の融合のような作品。腹落ちしたような、納得のいかないような結末。どうせなら滝蓉子と伊村真平を谷川岳で遭難死させた方が良かったのではあるまいか。
結婚1年目の滝蓉子はある朝、通勤途中の電車の中で脳貧血を起こし、大学の助教授の伊村真平に助けられるが、伊村は名も告げず立ち去る。僅かな手掛かりから伊村を探しあて、礼を述べた蓉子は伊村との共通の趣味である登山を通じて少しずつ深く関わり合う。やがて伊村と冬の谷川岳に向かった蓉子は猛吹雪で7日間閉じ込められる。
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新田次郎の作品は読んだことがないのだが、正社員として働きながら、やりたいことを成功させるためにはどうしたら良いか、何かヒントを得たくてこの本を読んだ。
感想としては、新田次郎の誠実性と体力に感服するばかりだった。
正社員としてのハードな勤務の後での小説家としての二足の草鞋をここまで完璧にこなす人はいないんじゃないかと思ってしまう。
自分もこんな風にできるかといったらきっとそうはいかないだろう。
それでもやってやろうというパワーはかなり湧いてきた。
新田次郎のようにそれを成し遂げたひとがいるのだ、それも40にもなるといった年齢で。
年齢を重ねるごとに体力的にも世間的にも諦めなければならないことが -
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ネタバレ登山をする者として、馴染みのある山や地名が出てくることが、より小説への没入感を増す。フィクションとノンフィクションがミックスされたような作品だそうだ。
今回は上巻。これから下巻に入る。まだ物語は始まったばかりだ。
主人公は加藤文太郎。実在した登山家だ。
彼がエベレストの登頂を目指すことから物語は大きく動き出す。
本格的な登山の描写が出てくるまでに、少々読み進めなければならない(退屈)。
登山に例えるなら稜線までの登りだ。そこを越えると常念岳から蝶ヶ岳への縦走のように素晴らしい景色が見えてくる。といっても冬山がメイン。山行はみっちりと描かれるが、読んでいて私は「こんなもん無理やて・・・」と畏 -
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新田次郎の初読み♪
映画原作とのことで、映画キャストによるサブカバーで平積みされていたのに目が留まり、あらすじを読んで即購入。
実話ベースの物語、最近好きなんだよね。
※本来は、映画やらドラマやらの映像化に伴うキャスト陣を映したサブカバーモノは好きじゃない(嫌悪感すら抱く)のだけど……(イメージがキャスト陣に固定されてしまうのが嫌だから)
今回は、逆だった。
新田次郎、こ難しい文体の古い作家なんだろうと思って(名前は知っているけれど)敬遠していた作家さん。あのサブカバーに目を留めなければあらすじを読むことすら無かっただろうし、当然購入することなど絶対なかったはず。
さて、本編。
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ネタバレ富士の噴火によって被害を被った農民を何とか助けんとはしりまわる関東郡代の伊奈半左衛門のはなし。
当時の混乱や農民の事を本気で考えない幕府の上役のことが赤裸々に綴られている。富士の噴火のことさえも政争の具として使おうとする役人たちには腹が立つ。
農民を飢えさせないために半左衛門は起死回生の策をとろうとする。確かに伊奈家は家康以来の名誉ある関東郡代の家柄だ。代官の仕事は農民から米を取り上げることだけではない。困っている農民を助けてやるのも代官の仕事だ。農民を救って家が取り潰されるならば、それは構わないと半左衛門は行動するのである。