新田次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
凄い。主人公が事件を経て高校生から社会人になるのと同時に
作品自体も一気に化けたなあという印象です。
ド迫力且つ緻密な画力と勢いはそのままに、最初と比べて
意外な展開、社会的な柵との闘争、心象を暗喩する描写など
一気に冷厳な話になってきました。扱われるギミックも黒い物へ。
台詞やモノローグでなく、絵でここまで感情が叩き付けられているのは凄い。
大いなるトラジディと比類なき荘厳な美しさ、その真逆の事象が
矛盾する事無く成立している様態がまさに山という名の孤高の境地。
心象では「孤高」よりも「孤独」が強く描かれている印象ですが、
テーマにどんどん斬り込んで来て、痛みすら感じます。
孤高に達する -
Posted by ブクログ
いわゆる長篠合戦は、自慢の騎馬部隊でつっこんでくる武田軍を、3段が前の鉄砲隊を全面に立てた織田・家康連合軍が打ち破ったというのが、僕の理解である。おおむね、そんなふうなのが定説ではないかなと思う。
つまるところ、旧態依然とした田舎者が負け、近代兵器と柔軟な頭を持った都会人が勝つ、という図式である。
が、この本はそれを真っ向から否定する。考えてみれば、最初はそういう状態になったとしても、大敗するまでつっこみ続けるバカはいないだろうのはその通りだ。もうひとつまとまりきれない武田軍の欠点を、信長の調略が着いたという物語運びは説得力があった。
ひたすら悪者になってしまった穴山信君には申し