新田次郎のレビュー一覧

  • 八甲田山死の彷徨

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    小学生の頃だと思う
    映画の八甲田山を観た
    本を買った瞬間は気が付かなかったが
    読む直前のふと思い出した
    人がいっぱい死ぬ衝撃的な映画であり
    それこそ半世紀前のことなはら
    薄ぼんやりと覚えている

    この何年か後に二百三高地を観るのだが
    なんとなく繋がっているし
    悲惨な感じと無能な上官という設定が
    よく似た映画である

    八甲田山は配信を探したがDVDしか見つからず。

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    2025年07月09日
  • 孤高の人(上)

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    楽しく読ませていただいたのだが
    残念すぎる結末が
    冒頭から分かる内容なので
    分かっていながらも後味が悪いです
    やっぱハッピーエンドって素晴らしいです

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    2025年06月03日
  • 八甲田山死の彷徨

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    淡々と起こったことを書き連ねているだけなのに、冷たくない、むしろ熱をひしひし感じる不思議な文章。
    この行軍に成功者はいないと感じた……ひたすらに虚しさと学びだけがある。

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    2025年05月19日
  • 劔岳〈点の記〉

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    初めての山岳小説でした。史実に基づいていることもあると思いますが、必要以上のドラマチック演出もなく、リアリティ重視で、小説だけど登場人物の横に一緒にいるような親近感を持たせてくれる本でした。その分測量の作業のイメージはつきづらいので、少し時間はかかりました。

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    2025年05月13日
  • 孤高の人(下)

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    ネタバレ

    多分でしかないけどすべてが完璧にいく登山なんてほぼなかったんじゃないかな。常に学んで修正して挑んで、その繰り返し。その工程が加藤文太郎を育てたのだと思う。

    それにしても下巻の途中からは読むのが辛くなっちゃったな...。あれだけ山に夢中だった加藤が結婚を機に人が変わるとは、人が人に与える影響力は底知れない。孤高であったが故にこれから先は幸せに生きて欲しいと願っていた。

    経験と知識からなる譲れない芯は持っているのだから、もっと自己主張が強ければ、グループ登山の経験があれば救われたのかもしれない。けどどちらも持ち合わせていないのも加藤文太郎の魅力であり...。

    山はとてつもなく魅力的な場所であ

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    2025年05月11日
  • 劔岳〈点の記〉

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    軍上層部からの実質的には強制で剣岳への人類初の登頂を命じられた柴崎芳太郎。
    宇治長次郎など優秀な仲間を得、過酷な自然に勇敢に立ち向かう。
    想像を絶する苦難を乗り越えて、剣岳を征服するが、頂上には奈良時代の修験者が残した刀剣と錫杖があった。
    軍部は「初登頂」でないことが世間に知れるのことを恐れて、柴崎らの業績を大々的には報じない。むしろその業績に対して関心が薄れたような反応さえ見せる。
    現代でも組織のマネージメント層が自分たちの都合や無理解で現場で苦労をしながらも結果を出した人を正当に評価しないがままあると思う。残念なことだ。
    「命をかけろ」との命令を遂行したが、満足な評価を得られなかった柴崎達

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    2025年05月05日
  • 劔岳〈点の記〉

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    『劒岳 点の記』は、自然への畏怖、人間の挑戦心、歴史の重みを感じられる一冊であり、静かに心を揺さぶられる作品でした。

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    2025年04月29日
  • 劔岳〈点の記〉

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    山で何気なく見かける三角点だが、これからは違う見え方をしてくるだろう。

    測量という仕事は存在を知るだけで詳しくは知らなかった。

    地図をつくるために危険を冒して山へ登っていた人たちの苦労を知ることができて、読んで良かったと思う。

    山には色々な楽しみ方がある。

    日常から離れて癒しを求める人もいれば、辛くても山頂を目指す人もいる。

    そんな中、こうした本からその山や、それにまつわるものの歴史、背景を知ることで、より山そのものを楽しめるようになると私は思う。

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    2025年04月14日
  • 孤高の人(上)

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    ネタバレ

    神戸アルプスから始まり、冬の北アルプスにつながる。
    山の描写は楽しめるが、日常生活部分は一般人の私生活を覗き見るようで微妙。
    主人公が伝説化され、心理的距離感がもっとあれば気持ちよく読めたかも。
    神戸アルプス縦走は面白そう。

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    2025年03月21日
  • 新装版 風の遺産

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    硬派な登山小説ではなく恋愛中心の展開に驚く。登場する人物関係を説明する前半のパートが少々間延びする。作者のあとがきによれば昭和36年頃の執筆で、昭和の時代事情を楽しむことはできる。登山し、遭難するところからは流石に作者らしいスリリングでリアルな展開で楽しく読んだ。恋愛の結末は心理描写が薄く、何となく納得性にかける。やはり遭難シーンを中心に据えての作品が好みです。

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    2025年03月18日
  • 強力伝・孤島

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    直木賞受賞の強力伝を含む6編。
    作者の初期作品群とのことだが、登場人物の心理描写がリアルで、自然現象についても氏の体験したことであろう、ただの想像では書けないような描写が凄い。
    「八甲田山」は後の作品であろう長編とは違う凝縮した展開でテンポよく読める。「孤島」については実際に観測に参加した観測員に取材したのだろうか、淡々としているが人の心理描写が面白い。「凍傷」のような過酷な場所の中で比較的安全な場所で立てこもるシチュエーションが何故か好きだ。

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    2025年03月14日
  • 雪のチングルマ

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    山岳遭難短編小説5編+アラスカ旅行もの。
    死と隣り合わせになり、自然に抗う人間の戦う術は読んでいてとても引き込まれる。それは自己を守る本能かは分からないが、絶望的な状況に貶めるシチュエーションとしては山岳物はとてもすぐれており、作者のように山岳を知悉してよりリアルな描写をする人により面白さは倍増すると思う。
    ミステリー仕立てで、当時のスキー場と宿泊所の雰囲気を伝える「コブシの花の咲く頃」、実話に基づく遭難物「春富士遭難」が特に面白いと思った。

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    2025年03月02日
  • 孤高の人(下)

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    単独行登山家、加藤文太郎の生涯が閉じるまで。全編を通じて、主人公に寄り添う形での展開だった。視点が離れたのは、彼を慕う宮村と園子のやり取りの場面くらいだったように思う。最期となる登山では長い紙数が取られており、あえて予め死の予感を感じさせるようなストーリー展開だった。主人公は実名で、ほぼノンフィクションに近い筋書きという。主人公の人柄がよく表れた小説だった。宮村は悪役にされてしまったが、この人も実在したのだろうか。2025.1.18

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    2025年01月18日
  • 栄光の岩壁(下)

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    舞台がヨーロッパに移ってからは夢中で読んだ。特にマッターホルン北壁で足の出血に耐えながら登攀する場面は最もハラハラし、また登頂時は本当に嬉しかった。

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    2025年01月15日
  • 八甲田山死の彷徨

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    いつぶりか分からないほど期間を開けての再読。
    5連隊の組織がなっていない事や寒さの中での彷徨ばかり覚えていて、31連隊の状況がここまで書かれているとは思ってなかった。
    この両連隊の比較は、なるほど組織論・リーダー論として教材に使われるわけだ。
    それにしても日本は世界の中でも豪雪だと言われるのが分かる作品だな。そして当時の軍部でも柔軟な組織があったのも驚いた。
    段取り大事!組織の指揮命令系統大事!物事への柔軟な対応大事!

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    2025年01月14日
  • 八甲田山死の彷徨

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    寒く辛い描写を期待して読んだが、やはり新田文学定番の「嫌な奴」への怒りからの組織と時代へのやるせなさへと心が冷えていった。この大惨事は現代にも沢山の教訓を残す必読の書。

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    2024年12月30日
  • 八甲田山死の彷徨

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    有名な冬の八甲田山での冬季遭難事件を扱った本。

    冬山の知識も経験もない上司の思いつきの行動、事前の知識と準備不足、もう全てフラグ立ちまくりで、読みながらクラクラしました。
    これぞ日本陸軍の真髄!という感じですね。

    本作品では、悲劇の青森第五連隊に対して、同時期に11日間の冬季訓練を無事に成し遂げた弘前第31連隊を対比しているので、より青森の部隊の上層部のダメダメさが際立ち、青森連隊の現場メンバーが可哀想でならないです。
    ほんと、これぞ日本陸軍!

    「悲劇」といわれる遭難でも、同じ時期にほぼ同条件で成功しているグループが存在することも多いんですよね。(例えばトムラウシの大量遭難とか)
    後世の

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    2024年12月15日
  • 八甲田山死の彷徨

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    ネタバレ

    まさに対照的。
    比較することでわかりやすく浮き彫りになるよね。

    とはいえ終了後はどちらも暗い未来。
    なんでそんなことなるかなってなる時代だったんだな。

    神田、山田、両名は生きてたら
    どんな扱いを受けていたのか。どちらも恐ろしい。

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    2024年12月04日
  • アルプスの谷 アルプスの村

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    昭和37年頃に訪ねたスイスの
    山 美しい神々しい山々を
    新田次郎の目を通して
    描いている

    スイスの美しさは人の手によるという
    作者の意見にはうなずかされた
    これも長野出身で
    山村の生活が分かるからだろう

    行きずりの人に対する感じ方や
    表現が著者の人柄を偲ばせる
    アルプスはフランスからスイスへ
    入ったが素晴らしかった
    私ももう一度行ってみたい

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    2024年11月10日
  • 孤愁〈サウダーデ〉

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    時代に翻弄された一人のポルトガル人の話し。日本と日本人の妻を愛し、日本の土となった。『孤愁』という訳語がじんわりと心に染みる。物語全体に漂うメランコリーな雰囲気が好き。

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    2024年10月09日