新田次郎のレビュー一覧
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新田次郎にハマりいろいろ読んでます。
冬山の過酷な環境や、美しい自然の描写、人間について面白おかしく?読めてしまうのが、すごいです。初版が昭和48年、50年も昔の小説なのに、今も読み継がれる普遍性はいったいどこにあるんでしょうか。
単独登山の第一人者として、有名人になっていく様子もドラマチックでわくわくします。
メモ
・懐中コンロってなんだろう
・文太郎の食料最終アンサーは、甘納豆とから揚げの干し小魚、テルモスのお湯
・そこからいよいよ濃い霧になった。氷の霧だった。どのにでも、触れれば氷の花をつくる霧だった。白い花は、加藤の身体中に咲いた。
→霧氷ってどんな感じなんだろう。
・大きな荷物を背 -
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狂ったように冬山にのめり込んでいた加藤が、紆余曲折のあった結婚を機に、スッカリ人柄が変わったかのような生活を送る。ここの部分は純愛小説とも読める。
また、社会人としての会社での生活はサラリーマン小説としての側面もある。単なる山岳小説ではなく色んな顔のある小説だが、かえって私にはそれが少々煩わしくも感じるところもある。ダイレクトに山岳小説に仕上げても良かったのではないか。しかしそれが物語に深みを与え、人間としての加藤の造形に深みを与えているのも確かだが。
新田の作品には、山での気象の激変がとんでもない悲劇を招く作品がいくつかあるが、その部分の描写は、ある意味気象のプロとしての作者の顔が十分に -
購入済み
苦しい、でも、美しい
人とうまく関われない、けれど、山登りや技術面で秀でた才能がある。人間関係の辛さのところは読んでいて共感できるところが多々あり、こちらも苦しくなりましたが、山登りのシーンはその凄さ、著者の描写の素晴らしさに感動しました。
最後の宮村との山行のところがあまりにもこれまでの流れと異なっている感じを受けたため、ネットで加藤文太郎を検索したところ、山友との山行は遭難時が初めてではなく、更に山友との友情について花子さんへ熱く語っていたという話もあるという記事を読んで、ほっとしました。現実はもっと加藤文太郎は納得の上での山行結構、その結果の遭難だったのだな、と。
山をやる身として、ためになる情報も得ました。 -
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地学に関する本を読んでいて気になって読んだ。
何気なくみている地図、1箇所ずつ測量していた時代があったんだなと、改めて実感した。今みたいにヒートテックがあるじゃなし、装備も揃わなかった頃に切り立った山に測量の為に入る。
なかなか見つからなかった登頂路の謎を解いて?初めて山頂にアタックするシーンは息が詰まるほどの緊張。
今だと人工衛星とかから測定したデータで地図を作れるんだよね。Google マップをその当時の人達が見たらさぞ驚く事だろう。
先日読んでいた宗教本につながる部分もあった。さいきん読書量が増えたので思わぬところでつながる。
山岳信仰に絡んで曼荼羅や大日如来の話も。
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短編6作どれも大自然の摂理に抗う人の生き様と孤独が描かれており、ともすれば生死の生臭さすら漂わせる描写に五感が刺激され、読み進めるにつけ引き込まれます。
大自然vs人の信念。大自然は山海や自然現象、時には野獣となって抗う人間と対峙し、命のやり取りに転じます。自然の懐に抱かれずして人はどんな未来が待っているのだろうなどと思いながらの完読でした。私が生まれる以前の作品ばかりですが、ストレスフリーで読めました。
『強力伝』力み過ぎて肩が凝りました。
『八甲田山』『凍傷』皮膚がチリチリとします。
『おとし穴』まんが日本昔ばなしに出てきそうな話で結末がなんともイタイ。
『山犬物語』『孤島』山と海、背 -
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ウィキペディアで「日立鉱山の大煙突」と検索すると、本書の基になった実話が出てくる。
現在の茨城県日立市の日立鉱山では、銅の採掘と精錬を行っていた。銅を精錬する際には、有害なガスが発生し、周囲の集落の作物や木々を枯らす等の深刻な被害が出ていた。それは、日立鉱山ばかりではなく、他の鉱山、例えば、足尾銅山や別子銅山でも同じであり、日本で最初の公害問題である。各銅山では、会社側が周囲の住民が被った被害に対しての賠償を行っていたが、その賠償の方法や額をめぐっては、少なからぬ摩擦が生じていた。日立鉱山では、賠償に加え、被害そのものを軽減するために、高さ156メートルの大煙突を建て、有害な煙を広範囲に拡散さ -
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ネタバレR4.2.26~3.5
(きっかけ)
・新田次郎はすでに数冊読んでいて好み。
・以前何かのレビューで気になっていた。
・古本屋で100円で購入。
(感想)
とても面白かった。
どれもよいのですが、あえて好き嫌いをつけるとこのような感じでしょうか。(最高★5)
・強力伝(★4)
180kgの巨石を背負って白馬山に上った強力の物語。
・八甲田山(★3)
面白かったが、もともと「八甲田山死の彷徨」を読んでいたので物足りなかった。
・凍傷(★3)
面白かったけど少し淡々としていたように感じた。
・おとし穴(★3)
面白かったが…何か物足りない。
・山犬物語(★4)
山犬に娘を殺された恨 -
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「新田次郎」の山岳短篇小説集『冬山の掟』を読みました。
「新田次郎」作品は、今年の10月に読んだ『チンネの裁き』以来ですね。
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遭難をめぐり、人間の本質を深くえぐった初期短編集
冬山では午後になって新しい行動を起こすな―山で発熱した者のためにこのルールに背いて、吹雪の中を彷徨う一行と、その身を案じる家族の懊悩を描く表題作の他、『地獄への滑降』 『霧迷い』 『雪崩』など、遭難を材にとった全十編を収録。
峻厳な山を前に表出する人間の本質を鋭く抉り出した迫真の山岳短編集。
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1957年(昭和32年)か -
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「新田次郎」の長編山岳小説『縦走路』を読みました。
『芙蓉の人』、『富士山頂』に続き「新田次郎」作品です。
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美貌の登山家と山男二人。
その恋には恐るべき罠が仕掛けられていた。
人間の本質を見据えた「新田文学」の真骨頂。
北アルプス、冬の八ヶ岳で二人の山男は、「女流登山家に美人なし」と言う通念をくつがえす、美貌のアルピニスト「千穂」に夢中になる。
彼女の旧友でライバルの「美根子」を交えた四人の間に恋愛感情のもつれが起こるが、命がけの北岳胸壁攻撃の後、「千穂」は……。
きびしい冬山と氷壁を舞台に、“自然対人間”そして“男対女”を通して緊迫したド -
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「新田次郎」のノンフィクション作品でNHKでドラマ化もされた『芙蓉の人』を読みました。
「新田次郎」作品は、2年前に読んだ『アルプスの谷 アルプスの村』以来ですね。
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時は明治28年である。
正確な天気予報をするためには、どうしても富士山頂に恒久的な気象観測所を設けなければならない。
そのために「野中到」は命を賭けて、冬の富士山に登り、観測小屋に篭った。
一人での観測は無理だという判断と夫への愛情から、妻「千代子」は後を追って富士山頂に登る。
明治女性の感動的な物語がここにある。
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明治25年(1 -
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石巻に生まれアラスカの地で一生を終えた安田恭輔という男の数奇な人生を描く。アラスカの極寒での生活に順応し、その人柄と努力と能力を現地人に認められるようになる。遂にはエスキモーのリーダーとして、白人の環境開発に脅かされる少数民族の問題に取り組んでいく。
・安田恭輔の日本男児たる精神性と生き様
・エスキモーの民族性や慣習、その繁栄と衰退
・狩猟が主体の生活様式に産業を取り入れていく過程
・白人、エスキモー、インディアン、日本人間の人種差別
が見どころ。
上司に勧められて久しぶりに小説を読んだ。日本人としては、やはり安田恭輔の精神性に崇高さを感じる。(海外では奇特に映ることもあるだろう。)
総 -
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小口もページの中までも黄色くなって、調べたら昭和55年の文庫初版、40数年ぶりの再読です。
主人公はアラスカで活躍した明治元年生まれの安田恭輔(フランク安田)。
巻末の30ページにわたる取材紀行文を読めば分かる通り、如何にも新田さんらしい綿密な取材を経て書かれた作品で、現地で感じた自然、景色はもちろんのこと温度や臭いまでも、新田さんは物語のバックグラウンドとして随所に上手く取り入れています。
ちょっと吉村昭さんの記録文学を思い出させる詳細さでなかなか前に進みませんが、エスキモーのみならず、白人、インディアン達からも厚い信頼を得てアラスカのモーゼと呼ばれたフランク安田の一生を見事に描いた重厚な伝 -
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「新田次郎」が昭和36年(1961年)に訪れたアルプスの3ヵ月の旅を描いた紀行『アルプスの谷 アルプスの村』を読みました。
『アイガー北壁・気象遭難』、『強力伝・孤島』、『孤高の人』、『劒岳 〈点の記〉』に続き「新田次郎」作品です。
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チューリッヒを出発した汽車は、いよいよ憧れのアイガー、マッターホルンへ……ヨーロッパの自然の美しさを爽やかに綴る紀行文。
チューリッヒを出発した汽車は牧草地をぬけるとアルプスの山塊を登っていく。
いきなり車窓に飛びこんできた巨大な岩壁のアイガー、朝日に全容を示した坐せる孤峰のマッターホルンをはじめ、人なつこい宿 -
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「新田次郎」の長篇山岳小説『劒岳 〈点の記〉』を読みました。
『アイガー北壁・気象遭難』、『強力伝・孤島』、『孤高の人』に続き「新田次郎」作品です。
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山岳小説の頂点といわれる名作!
日露戦争直後、北アルプス立山連峰の劒岳山頂に三角点埋設の命を受けた測量官「柴崎芳太郎」たちの困難を極めた記録を描く山岳小説。
日露戦争直後、前人未踏といわれ、また、決して登ってはいけない山と恐れられた北アルプス、劒岳山頂に三角点埋設の至上命令を受けた測量官「柴崎芳太郎」。
器材の運搬、悪天候、地元の反感など様々な困難と闘いながら「柴崎」の一行は山頂を目ざして進ん -
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「新田次郎」の短篇集『強力伝・孤島』を読みました。
『アイガー北壁・気象遭難』に続き「新田次郎」作品です。
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それは人の域を超えた業だった。
名峰・白馬岳の山頂まで50貫(約187キロ)もの大岩を背負い上げた男の物語。
【著者の処女作にして直木賞受賞作(昭和30年下期)】
五十貫もの巨石を背負って白馬岳山頂に挑む山男を描いた処女作『強力伝』。
富士山頂観測所の建設に生涯を捧げた一技師の物語『凍傷』。
太平洋上の離島で孤独に耐えながら気象観測に励む人びとを描く『孤島』。
明治35年1月、青森歩兵第五連隊の210名の兵が遭難した悲劇的雪中行軍を描 -
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「新田次郎」の山岳小説短篇集『アイガー北壁・気象遭難』を読みました。
ここのところ、山岳関係の読書が続いていますが、「新田次郎」作品は一昨年の10月に読んだ『雪のチングルマ』以来なので久しぶりですね。
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取りつき点から頂上まで1800メートルの巨大な垂直の壁に挑んだ2人の日本人登山家の実名小説『アイガー北壁』。
2人のパーティーが白馬岳主稜で吹雪にあい、岩稜から姿を消す『気象遭難』。
冬期の富士山で、不吉な予測が事実に変って主人公の観測所員が滑落死する『殉職』。
他にヨーロッパ・アルプスを舞台にした『オデットという女』『ホテル氷河にて』など、山